海外ホテルと比べた日本のビジネスホテルの足りないところ
去年末から、東京へ月に一度の旅行をするようになって四半期が過ぎた。
毎月行くとなると、お高いラグジュアリーなホテルには泊まれないので、もっぱら一人数千円〜1万円台/泊のビジネスホテルを取ってるんだけど、日本のホテルってほんとーにすごい。
1万円程度で
そりゃもちろん設備が古いとか、室内がとにかく狭いとか、掃除もバスルームの一部が黒カビが残ってる、とか細かい気になる点はあるけれど、平均して軒並み及第点。ってかいわゆる”コスパ”でいうと都内のビジネスホテルは右に出るものはないと思うし、それがどんなビジネスホテルチェーンでもあまり大差なく、”ハズレ”が少ないのも特徴的。ホテルによって違うのはwifiの速さくらいなもん。
でも海外ではそうは問屋がおろさない。
日本のビジネスホテルレベルの金額で泊まろうとすると、シャワーの水圧は試してみるまでわからないし、部屋でGを見つけてしまったこともある。アメニティは最低限で化粧水なんて用意されてたホテルは見たことがないし、電気ケトルさえ備えつけられてなくて絶望したこともある。
この「ハズレのない安心感」にあやかって東京滞在を満喫させてもらってるけど、なんとなく腹落ちしないことがあった。
それは、サステナビリティの見せ方。
言葉の使い方と言った方が良いかな。
サステナビリティを謳ってホテル側が行う取組というと、代表的なのは「清掃サービスの頻度を減らす」かな。連泊でリネン交換の頻度を減らすことで安く提供しているところも。あとはシャンプーとか昔はミニボトルだったけど、今はたいてい備え付けのボトルのところが多いし、アメニティはフロントで必要な人だけ取ってもらうようにする、とか。
でも、そういう活動だけ取り上げて「うちのホテルはSDGsに貢献してますから!!」と声を大にして言われるとなんとも違和感を感じてしまう。
だってそういうホテルはたいていアメニティもプラスチックで、スリッパも使い捨てで、料理も大皿からとるブッフェ朝食スタイルだから。
ホテルにとってコストダウンになることには取り組むけど、コストをかけるSDGsはやらない、という判断が見え隠れして、これは一種のグリーンウォッシュでは?という気がしなくもない。
ちなみに下の写真は昨年オランダに行った時に泊まったホテル
夜帰ってきたら、窓から景色が見えなくて、「あれ?朝は景色が見えたのにな」と思っていたら・・・
なんと室内温度を快適に保つために、時間帯や天候によって窓の外のファサードが自動で開閉していた・・・!
他にもリサイクル素材を中心に建築され、家具も中古を再利用したり、ホテル内で使用される電力は風力発電から賄うなど、エネルギーニュートラルな建物を目指しているそう。
「コストダウンになるサステナビリティ」ではなく
「コストをかけてサステナビリティを追求する」
そうだ。
日本のビジネスホテルからはそれを感じられないんだ。
自分たちに都合の良いサステナビリティではなく、ホテルで使用するエネルギーを再生可能エネルギーから調達するとか、安い資材や家具を大量購入してスケールメリットを出すような出店方法ではなく、リサイクル製品を率先して使うとか、環境負荷の少ない素材をホテルの建築に使用してくれればチェーン店ならではの社会的インパクトも大きいのにな・・・と思わずにはいられない。
機能性・衛生面で日本のビジネスホテルの右に出る宿はないからこそ、本当の意味でのサステナビリティを追求すれば世界に誇れるコンテンツになるに違いない。
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