【子ども教育#10】こどものじかん
川崎市子ども夢パークを題材にした「ゆめパのじかん」を観てきた。
子どもたちが成長する上で、安心安全な「居場所」は重要だ。
あらゆる居場所があり、どこにいようが、何をしようが自由。
子もたちは自由に遊ぶ中で、安心安全に怪我や失敗をして、そこから学ぶ。
大人はできる限り口出ししない。主役は自分(子ども自身)。
大人の都合がいっさいない場所。
子どもたちにとって、まさに夢のような空間だ。
文化祭のような「こども夢横丁」というイベントも年に1回ある。
2人以上がやりたいとなれば企画し準備できる。
利益がでたら10%は税金として納めるのだが、
その税金の使い道も自分たちで決める。
翌年の子どもたちのために使うことを提案している子もいた。
これはまさにPBLだし、
施設内にあるフリースクールの『えん』で勉強もできる。
子どもの成長に必要な学びはすべてそろっているように思う。
ゆめパに小学生の頃から通い高校生になった女の子サワが、映画に登場した。
彼女があまり関心のなかった勉強をはじめたシーンがあった。
学校のテストの点数が悪くて悔しかったからと本人は言っていたが、
その通りなのかもしれないし、進学を考えての行動変容だったのかもしれない。
小学生のころから木工が好きで、
宮大工になりたいと思っているのだけど、
もしもなれなかったら?
つぶしがきくように、勉強して大学に行くべきではないのか?
人と違う道を進むことは勇気がいる。
どんな選択をしたのか、映画では描かれていないが、
この悩む、迷うことこそ、自分が主人公の人生を生きるためには必要だ。
「大学くらいでておけば?」
一般的な大人は、こんなアドバイスをするかもしれない。
でも、彼女が相談したゆめパのスタッフは、
「やりたいんでしょ?」
サワは「そんな簡単にいうな!」といいながら、
その後、宮大工をやっている風基建設株式会社へ話を聞きに行く。
きっと自分でものすごく考えたんだろうな。
そのあと、どんな選択をしたかは映画で描かれていないが、
きっと後悔のない選択となるのだろう。
虫や動物が大好きな小学生リクトは、将来の夢を聞かれたとき、
「動物は趣味でいい。投資家になりたい。」という。
動物に関わるなら、研究だけできる学者になりたいと。
リクトは、算数が難しすぎると言っていた。
掛け算と割り算を一緒に覚えるなんて無理って。
勉強への苦手意識が、学者という存在を知りながら、趣味と言わせているようにも感じた。
投資家で楽に金を稼ぎながら、趣味に時間を使いたい。
でも、投資家として成功するためには、結局、算数は必要だろう。
きっとリクトはわかっている。
だから、投資家は文字通りのただの夢だ。
だから、毎日、虫や図鑑を眺めている。
いまは、毎日、虫を追いかけていることが重要なのだ。
その先に算数が必要であれば、自ずと学び始めるのだろう。
ここには、そうやって自らの道を切り開いていく先輩たちの姿がある。
自分自身を知れる自由な時間・場が子どもたちにあることで、
苦手を植え付けずに、自分のペースで着実にできるようになる学び経験ができたり、
できないことはあるけどできることもある実感がもてたり、
ひとりで全部できなくたっていいという共創経験ができたり、
なにより、踏み出すための時間となってるんだって。
そういう時間であり、そういう空間で、そういう仲間で、私はありたい。
と感じた映画だった。
会社をやめたため、サポートは非常にありがたいです!未来を創る子どもたちの教育活動に使わせていただきます。