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【フィンランド一人旅】父親の愛を感じた、バスの旅


Moi!

今回は、フィスカルス村行きのバス内での
素敵な出会いについて綴りたいと思います。

※フィスカルス村へのアクセスについては
 以下の投稿からご覧いただけます


私が乗車したのは
今年の夏より運行を開始するバスの試運転のタイミングだったようで

ドライバーさんとペアで
バス会社のおっちゃんが一名乗車されていました。

バスの中にて。おっちゃんは→🥸

このおっちゃんが
とてもとてもフレンドリーな方で。

私が日本出身だと伝えたら
どうも日本語を勉強していた息子さんがいらっしゃるとのこと。

フィンランドには外国語を学ぶ際に
結構細かく習得レベルが定められていて

おっちゃん曰く、息子さんは 上から数えた方が早いくらいのレベルで、日本に数ヶ月滞在した経験があるとか。

そして、この後まさかの事態が起こります。

バスから見えた可愛い家々


長閑な景色を眺めながら、バスは走ります。

お喋りも弾み…


なんと
おっちゃんの息子さんと電話で話すことになっちゃったのです。


それでは、おっちゃんの英語を脳内で関西弁に変換した会話形式でお楽しみください。笑


おっちゃん『僕、若い時に日本人の女の子とお付き合いしててん。そんな話を息子にしたりしてて。きっと、僕の影響を受けてやろうか…日本に興味を持ち始めたんや。』

私『そうなんやー。でもそんなハイレベルで 言語を習得できるなんて凄い。』

おっちゃん『やー、でも実はというと未だ息子が日本語喋ってるところ聞いたことないねん。というか、自分が聞いたとしても、その日本語が流暢なのかどうか判断もつかへんしなー…どこかのタイミングで息子が日本人と話してるところ、みてみたいんやけどな…』

私『ほんまですねー…今とかね、わたしおるしな。(若干のアシスト。笑) 』

おっちゃん『…(閃いた) ほな、今から電話かけようや!息子に!』




…という訳で
彼の息子さんに電話をかけることになったのです。

聞くところによると
息子さんは、弁護士をされているとのこと(御年28歳)

思いっきり平日の午前中だったので
仕事中だし電話なんてして良いの…とは思いましたが
おっちゃんの笑顔を見てしまったら、もう、これは電話かけないといけないとなり…



…プルル

私『こ、こんにちはー!(錦鯉みたいになっちゃった)』

息子『…?!(状況掴めていないけど、言われたもんだからとりあえず)…コ、コンニチハ。』

私『急にごめんなさい。今あなたのお父さんと一緒にバスに乗っていて、どうしても日本語喋ってるのが聞きたいって言うから…』

息子『ははっ…ソウナンデスネ。昔、日本ニイッタノデ、思イ出サナイト…』




その後、息子さんは三年ぶり?に話したと仰っていたとは思えないくらい


スラスラ〜っと言葉を紡いで、話して下さいました。


そして ふと、顔を上げて、おっちゃんを見たんです。



おっちゃん…泣いてる…?!


少し涙ぐんだ目と、満面の笑み。


息子の日本語を一生懸命聞いていた、おっちゃん。


会話の後、無邪気に『どうだった?!どうだった?!』と
目を輝かせながら聞いてこられたので
完璧やったでーと伝えると、本当に嬉しそうで。
今でもその時のお顔を覚えているくらい。



突然出会ったこすみという日本人女子と
日本語で会話する息子の声を聞き


おっちゃんは、とっても誇らしげだった——



おっちゃんのおかげで
バスでの移動時間がかけがえのない思い出に変わった。



おっちゃんは、私がバスを降りる時にこう告げた。

『いつか息子の日本語を聞いてみたかったんや。
 そんな時に貴女みたいな勇気ある日本の女の子が現れて、ほんまについてた。ありがとう!kiitos. 』


こちらこそ、kiitos.


おっちゃんの息子さんへの愛で溢れた、素敵なバスの旅となりましたとさ。

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