きれいな水とビリケンの話
4月25日 快晴
本日のBGM Cannonball Adderley
2日前の寒さとは打って変わって
今日は暑いくらいの陽気で、
こんな温度差に対して
どうなってんだと憤りをぶつけそうな私ですが
暑いのは好きなので全然オッケー、
半袖半ズボンに麦わら帽子という
ギンヤンマを追いかけていきそうな風体で
今日も粘土を作っておりました。
毎日のことなので。
粘土作りに欠かせないのは
土はもちろんのこと水がとても大事でして、
土を水に溶かして粘土を作るので
大量に必要になります。
たまに陶芸産地の紹介文とかで
きれいな水が良い焼き物を〜
といった文言がありますが
私の実感としてはきれいも何も
土に混ぜて泥水になるので、
水質というよりは量の問題ではないのかしらん。
陶芸産地で水がきれいというのは、
大量の薪も必要なので山が近く
大量の水となると流れのある川になるので
山の川って大体きれいじゃんという
因果関係ではなく相関関係として
水がきれいなのではないでしょうか。
なんてわざわざ言いがかりして野暮だねどうも。
「野暮で結構!山崎屋の番頭は野暮でも務まるんです!」
などと一瞬思い出しつつ、水がきれいだとテンション上がるので
水がきれいだといい焼き物ができるというのは
強ち間違っていないかもしれませんね。
庚申窯の水は山から流れてくる水が
敷地の中を通っているのでそれを利用しています。
水路から粘土のタルまで水を運んでくれるのは
この水中ポンプ!
泥や草やちょっとした生き物が入らないように網がしてあります。
こいつを使って一旦乾燥させた粘土に
水を注入します。
乾いた大地に潤いを。。とか
水責めじゃー観念せい!とか
ひとりごちながら粘土の2~3倍くらいの水を注ぎます。
この粘土は鉄分の多い赤土で、
80目の網で濾過するのですが、
あまり水が少ないと網目を通り抜けないし、
水が多いと粘土の沈殿に時間がかかるので
水と粘土がちょうどいいバランスになるように調整が必要です。
粘土作りは土が跳ねて足元が汚れるので
最後に水で洗い流します。
こういうのができるから
粘土作りは暖かい時期の方が良いですね。
丸洗いできるように私は年中
素足にサンダルなのですが、
このサンダルも丸洗い対応のシャワーサンダルで
滑りにくく耐久性もバッチリなのに軽くて
脚の形にしっくりフィットする
ドイツの老舗ビルケンシュトック!
の おそらく姉妹ブランドになるのでしょう、
ホームセンターで買った
ビリケンステッキとかそんな名前のサンダルです。
履き心地?普通にいいですよ。
高鶴裕太 コウヅルユウタ
陶芸家
1991年生まれ
2013年横浜国立大学経済学部卒業
上野焼窯元 庚申窯3代目
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