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日本の「当たり前」がそこにはない。

我が子が現地の公立小学校に行き出してから、「え!?」となる様な、学校の違いを目の当たりにした。小さな事から大きな事まで。
日本の教育で育ってきた私にとってはびっくりする事の連続。

私の住んでいる地域はKinder(5歳)〜Grade7までを小学校、Grade8~G12を高校の括りとしている。自治体によって、この括りはちょっと違うらしい。学年は1月生まれをスタートとし、12月生まれが学年で一番遅い生まれの子となる。12月生まれの場合、親が希望すれば学年を下げる事も出来る。

さてさて、学校現場にはどんな「当たり前」が「ない」のか。

入学式がない

キンダー初日。親も子もドキドキ。初めての事で何を想定すべきかも分からない。学校からは特に式典的な連絡はなく、何月何日何時にどこへ、くらいのシンプルな案内のみ。
「入学おめでとう!」のあれも無い。特に何事も無いかの様な初日。

「正装とかの必要は無いよー」という夫。(外国人)
「えーまじかー」と思いながら、一応気持ちだけ小綺麗にして行ったが、案の定、他の保護者の服装はカジュアル。上の子が既に学校通って小慣れている保護者なんて、カジュアルな服装+片手にコーヒーで現れる。全てがカジュアル。今からヨガ行くんですか、くらい身軽。
コサージュとか付けていかんでよかったわ。

夏休み中に連絡があった筆記用具系の持ち物も、きっちり当日絶対揃えて持ってくる必要も無かった様で。。。

「何なんだ、このユルさ・・・」

鉛筆一本一本に名前を書く親なんて、誰もいない。
しかも!せっかく用意した文房具は全部先生に預けて、先生がクラスで共有する物としてドバッと出すと言う。
これは低学年では結構当たり前の事らしい。鉛筆や消しゴム、色鉛筆、全部ガバッと丸テーブルに置かれ、みんなでシェア。毎日自分の家に持って帰るような事はない。自分の持ち物を管理して、大切に使いましょう、とか、無いんや・・・と思った。ザックリすぎてびっくり。

真っ直ぐに並ぶ机がない

キンダー、G1、G2位までは、基本的にクラスの配置は丸テーブルがいくつかあって、カーペットに座って話を聞くスペースも設けてある。
子供達の導線が自由。
キンダークラスでは、室内のそこここに「ステーション」と呼ばれるスペースがあって、積み木やレゴ、本、動物のフィギュアなどなど子供の興味をそそるアイテムが置いてある。
キンダーの時の担任の先生は、毎日子供達それぞれが「今日自分がやりたいステーション」に自分の名前シートを入れる習慣付けをされていた。
レゴの様な人気ステーションに名前が殺到する時はどうするか、その都度みんなで考える。5〜6歳児でも考えさせる、考える事が出来る、という指導が印象的だった。甘えさせない様なその対応が、最初は冷たくも感じたんですが、ある意味新鮮というか。。。

日本の教室に見られる、机がずらっと並んで、自分の席から殆ど動かない、という環境がそこには無い。もちろん座って文字を書いたり、ハサミを使ったりという時間はあるが、動きのある空間、という感じ。トイレも行きたい時に「行きたいです!」と挙手をして行く事が出来る。

給食がない

毎日各自、ランチとスナックを持って行く。ランチタイムは正味15〜20分。昼休みは、パパッと食べてみんなさっさと外へ遊びに行く。
その時間、教室に先生はいない。
先生の代わりに上級生が「ランチモニター」として小さな子供たちの手伝いをする。先生は完全にランチ休憩を取っている。これにはびっくりした。

もちろんキャラ弁なんて存在しない。「え!それがランチ!?」と言ってしまうくらいのシンプルさ。
例えば「クラッカー・チーズ・野菜スティック」以上、とか、毎日ほぼ同じサンドイッチ、とか。
キャラ弁なんて見たら、こっちの人、ひっくり返ると思う。

掃除がない

先生によっては毎日ささっと自分達のクラス内をみんなで掃除する時間を5〜10分程設ける場合もあるが、基本的に学校内の掃除はジャニターと呼ばれる用務員さんの仕事。机をガーーーっと後ろにやってほうきで掃いて、とかやらないのかー!とこれにもびっくり。

宿題がない

毎日本当に、ほぼ、「家でやって下さいね」というものが無い。
あっても30分好きな本を読んでください、くらい。
これも先生によるかも、だけど、本読みすら強要しない。
「時間があれば読んでね〜」くらい。

これで勉強、大丈夫か!?てヤキモキした。
自分が経験してきた教育の姿が、ここでは全然違う。

当たり前の様にあった宿題がない!宿題なしでいいの!?

ここは自分自身が慣れるのに結構時間がかかった・・・。


フォローさせて頂いている、スン@本好き先生さんの記事。興味深いです。

北欧(フィンランドやオランダ)も教育スタイルが似ている感じだと、フィンランドやオランダ教育を発信されている方の記事を見ていて思います。

教科書がない

無いんです。教科書が。これも、先生によっては使う人も(特に高校)いらっしゃいますが、小学校では殆ど使う先生っていないんじゃないか?
ある程度政府で決められたガイドラインはありつつも、そのガイドラインに沿ってどんな教材を使い、どんなアプローチをするかは先生次第

先生方を見ていると、自分が教えたい事を教えたい方法で子供達にアプローチされているので、とても楽しそう。教科書に沿って、ここまでをいつまでに教えて、テストをやって、という「枠」を感じない。

まず先生が自由でイキイキしている。そして、子供達からの引き出し方が非常に上手。上手に拾って、広げている。

制服がない。
ランドセルがない。
連絡網がない。
名札がない。
体操服がない。
九九表がない。
授業参観日がない。
職員室がない。

日本で当たり前にあった事が本当に色々ない。
ない事に嘆いてストレスを感じるのではなく、これは自分自身が柔軟になって適応していくしかない。


「ない」のもあり?学校という環境はどう進化するか?

幼稚園生活ではあまり感じなかった、外国でのやり方の違いを、小学校に上がって一気に感じた。世界の子供達と日本の子供達の違いを上げるとすれば、この学校という環境が割と大きく影響しているんじゃないか、と私は思えてならない。

とは言え、教育に一番いい方法とか正解とかって、無いと思う。
日本には日本の素晴らしい教育アプローチがあると、私は思う。
でも、時代と共に変わって行くべき部分もあると思う。

企業の商品がどんどん進化するのと同じ様(日本のパッケージの進化は素晴らしい)に、教育だって「いいな!」という要素をどんどん取り入れて進化していいと思う。

変えたいと思っている現場の先生方も、きっといらっしゃると思う。

どうやって進化するのか。どこから手を付けるか。

私は、日本や世界の教育を語れる程の身ではないけれど、自分の想いを元にアンテナを立て始めたら、少しずつ引っかかり始めた。

世界中で日本の教育について考えている日本人の方がいらっしゃる!ワクワク、ゾクゾクします!

この方の記事も。


日本の教育、日本の子供達にはどんなエッセンスがあったら、もっと楽しくなるのかなぁ?


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