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いまからの神社さんぽ・その3「修験道の羽黒山」

2024年10月、山形県鶴岡市の羽黒山に行ってきました。

山のふもとの大鳥居あたりまでは行ったことがあったので、その先にある羽黒山に神社があるということは聞いていました。
調べてみると「出羽三山」と呼ばれる「羽黒山」「月山」「湯殿山」にそれぞれ神社があって、「出羽三山参り」と呼ばれていること。
「羽黒山=現在」「月山=過去」「湯殿山=未来」として、三つの山をこの順で訪れると、死と再生を辿る「生まれかわりの旅」と言われていることがわかってきました。
そして、なぜか羽黒神社に行くだけでも、この3つをまわったことになるそうです。お得!

帰宅のバスの中から撮った大鳥居

鶴岡駅から「羽黒山頂」行きのバスが出ていて、本尊は山頂にあります。
手前に「随神門」があり、そこから2446段の石段をのぼっていきますが、先に「羽黒山頂」まで行き、参拝後に石段を降りて帰れば楽なんじゃない?と気付きました。

大鳥居を抜けると、山伏修行の皆さんが泊まるのであろう、宿坊がたくさん並んでいます。
その先にある「随神門」バス停に着くと、一緒にここまで来た観光客の皆さんが全員降りてしまい、バス内は私と運転手さんのみに。

あら?もしかして、山頂から逆走するのは、邪道でしたか?
随神門から石段をのぼるのが、修行の一環でしたか?
しかし、もうバスは走り出してしまったので、いまさらお作法について考えてもどうにもなりません。

立派な杉たちの向こうに鳥居が見えます

終点の「羽黒山頂」を降りると、立派な杉の木々に囲まれます。
「この先にトイレはありません」と書いてあったので、バス停近くのトイレに行きましたが、トイレ利用は「100円以上の寄付」が必要です。
お賽銭も含めて、小銭を用意するのをすっかり忘れていたので焦りました。

なんとか50円玉2枚をトイレで寄付し、残りは10円玉3枚のみ。
厳選してお賽銭をしていかなければならなくなりました。
ちなみに、この後はあまたの神様とお会いすることになります。
参拝ベテランは、ちいさな袋に小銭をギッシリ詰めてお持ちでした。

鳥居の先は、なんというか「和風アート空間」みたいでした。
広い敷地に背の高い杉が立ち並び、苔と石が広がる世界に、やわらかい木の色の祠が並んでいます。

土俵があったので、奉納試合があるのかな?
奥に見えるのが三神合祭殿です
立派な茅葺の三神合祭殿

三神合祭殿には、「月山神社」「湯殿神社」「出羽神社」の名前が。
なるほど、ここに来れば3つの山をまわったことになるんですね。
ここで、最初のお賽銭を使いました。

ちょっと写真がナナメですけども

三神合祭殿の左横に、ふたつの神社が並んでまして、左側には「厳島神社」の看板があるのに、右側には無い。
気にせず行こうかと思ったところに、近くにいた男性二人組が右側だけ参拝して去って行きます。
気になって調べてみたら、右側は出羽三山神社御開祖・蜂子皇子を祀る蜂子神社でした。
あっぶなーい、ご挨拶せず素通りするところでしたよ、看板つけといてよー。
ふたつめのお賽銭は、こちらに。

ここから本来のぼってくるべき石段

この先は、噂の石段を逆走していきます。
随神門からのぼれば、1時間はかかるらしいです。
ちょうどくだり始めたところで、バスで一緒だったご夫婦とすれ違いましたが、かなり息が切れてらっしゃいます。

↓の写真は、少しくだったところにある宿坊。
とにかく、敷地内あちこちのデザインが美しいところだなぁ。

キレイに並べられた石たち
しかし、大変歩きにくい
(下駄用?)

ここからが、私の修行の始まりでした。
もちろん、石段はのぼる方が大変に決まっています。
しかし、くだるのも膝に負担がかかるのです。

汗が吹き出し、膝の笑いがとまらなくなってきた頃、階段下から法螺貝のような音が聞えました。
「もしや随神門が近いのか?!」と希望が見えた時、元気に石段を登ってくる若い山伏さんから「こんにちは」と挨拶されました。
その首から法螺貝が下がっています。お前かよ!

その直後に「五丁」と書かれた石を見て、頭に「絶望」の字が浮かびました。

二の坂茶屋

途中の癒しのひとつ、二の坂茶屋。
杉の木々の向こうに、庄内平野が見えます。
お茶屋のテラス席から見ると素晴らしい景色なのだと思いますが、時間的に陽が傾きつつあったので今回はスルー。

国宝・五重塔

山の中に突然現れる五重塔は、こちらも癒しになりました。
つい最近まで補修工事をしていたので、見られてラッキー。

祓川と須賀の滝

昔、水垢離をした場所だそうですが、こういう場所が出てくるということは、ゴールが近いはず!
実際、随神門はこの先だったんですが、門の前がのぼり階段になっていて、3回ほど休みながらのぼり切りました…(本来はくだりですけども)。

最後に、気になった場所。
随神門横の神社。

柱に巻き付く龍の目が笑っているように見えます

この時スマホで検索しても見つからなかったのですが、出羽三山神社のHPに「末社羽黒山天地金神社」と載ってました。
こちらも、朱と白のデザインが美しいです。

石段の途中で次々と祠が出てくるので、どこに使えば良いかわからず温存していた最後のお賽銭は、こちらにしました。
めでたし、めでたし。



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