見出し画像

腕時計をチューンした。

年初にちょっとしたイベントがあって、リクエストした腕時計をもらう機会があったので、前から欲しかったものをもらった。

もらった腕時計は、スイスの老舗時計メーカーであるTISSOTの「T-Race MotoGP Automatic Chronograph limited edition 2022」だ。

モータースポーツと縁のある時計メーカーは多いが、TISSOTもその一つだ。

TISSOTは現在、バイクの世界選手権であるMotoGPの公式時計を担っており、その記念に3,333本の限定生産をしたものだ。

早速、開封する。

黒くてツヤのある、非常にしっかりとした箱を開けると、中からヘルメットが出てきた。

時計のケースはヘルメット
バイザーが開閉する

バイザーの開閉ギミックを楽しんだ後、そのバイザーをそのまま上へ引き上げると、ヘルメットの顎から上の部分がパカッと開いた。

バイザーをさらに引き上げると、
ヘルメットがパカッと開く
時計の登場

中には、外箱やヘルメットのカラーと同じく、黒を基調に赤と銀が施された大きなフェイスの腕時計が鎮座していた。

ベゼルはブレーキディスクを模しており、3時の位置にはブレーキキャリパーを模した金具が竜頭をガードしている。

ディスクブレーキを模した外観
背面はホイールを模したデザインで
シースルーケースバックになっている

メカニズムが見える時計を所有したことが無いので、しばし見惚れる。

どこを見てもカッコいい。

部品一つ一つがカッコいい。

竜頭やボタン、留め具もカッコいい

ケースから出してはニヤけて、ケースにしまってはニヤけて、を繰り返す。

ネットで色々な時計を見ていた時、見た目のカッコ良さに惚れて、モータースポーツ好きの自分にとって、これほどうってつけの時計は無いと思った。

なのでこの時計で何の文句も無いのだが、リクエストした後で、一点だけ、長く使う上でネックになる点があることに気付いた。

それがベルトだ。

バイクをイメージしたレザーベルトは、パンチングとステッチが施してあって非常にカッコいいのだが、ケースとの取り付け部分が入り組んだ形状となっており、ベルトが傷んできた時に市販のベルトには交換できないのだ。

凝った形状のベルト留め部分

普段愛用しているORIENTのソーラー腕時計で何度もベルトの交換を経験しているので、レザーベルトの寿命はだいたい把握している。

もしベルトが傷んでしまったら…と考えて、使うのを躊躇してしまうのはもったいない。

そこで、タイトルの通り、もらった時計を長く使えるようにチューンすることにした。

チューンの内容は、腕時計に詳しい人ならすぐに思い付くことなのだが、「デプロイメント・バックル(通称Dバックル)」を取り付けるというものだ。

Dバックルは、メタルバンドの腕時計を使ったことがある人ならわかると思うが、腕に時計を通した後、折り畳んで腕に沿わせて、パチンと留める金具のことで、レザーベルトをメタルバンドと同様の使い勝手にするものだ。

レザーベルトが傷んでくる一番の原因は、尾錠(バックル)への着け外しのための屈曲に耐えられなくなってくることだ。

Dバックルを取り付けることで、レザーベルトを尾錠に通して屈曲させる工程が無くなるので、レザーベルトの持ちが良くなる。

Dバックルには、三つ折れタイプと観音開きタイプがあるが、メタルバンドと同様の使用感が欲しかったので、三つ折れタイプを探すことにした。

Dバックルを取り付けるには、尾錠の内側の幅を測る必要がある。

市販のDバックルの取り付け幅は偶数ピッチとなっているが、もらった時計の幅は22mmだったので、22mm幅のDバックルを用意した。

用意したBambiのDバックル(開いた状態)

上でも書いたようにORIENTの腕時計用に色んなメーカーのレザーベルトを試したが、Bambiのものが一番長持ちしたので、DバックルもBambiのものにした。

本当は元々付いている純正の尾錠の色と同じく、ツヤ消しのシルバーが欲しかったが、無かったので黒にした。

まずは付いている尾錠を外す。

これから外す尾錠

尾錠の横に、バネ棒を押す小さな穴があるので、そこに専用の工具を挿して外す。

横の穴からバネ棒を押す
外した尾錠
尾錠を外した状態

次に、取り付けるDバックルのバネ棒を外す。

バネ棒を外した状態

外したバネ棒をベルトの穴に通す。

バネ棒をベルトの穴に通した状態

ベルトにバネ棒を刺した状態で、バネ棒の片側をDバックルの穴に通し、バネ棒の反対側の先端を工具で押し下げて、Dバックルの反対側の穴に押し込んだバネ棒をはめる。

工具の二又部分でバネ棒を縮める

バネ棒を縮めた状態でDバックルをはめるのだが、上手く穴に導けないとバネ棒が飛んでいってしまう恐れがあるので、注意が必要だ。

Dバックルが尾錠側に取り付いた状態

ここまでできたら、あとは簡単だ。

剣先側のベルトにDバックルを取り付ける。

剣先側のベルトには位置固定用の穴が開いているので、自分の腕の太さに合わせて穴の位置を決め、そこに金具を取り付ける。

Dバックルの剣先側の金具は、穴に刺すピンが付いていて、ベルトを挟み込むようになっている。

剣先側の金具
金具を開くとピンが出てくる
穴位置を決めてピンを刺す
ピンを刺して金具を閉じたら完成

ピンの位置を決めて、金具を閉じたら完成だ。

早速、腕にはめてみる。

めちゃくちゃカッコいい!
背面も違和感無し

細い腕にはかなり大きめだが、時計自体はめちゃくちゃカッコいいし、Dバックルもまるで純正だったかのように全く違和感が無い。

Dバックルの黒色がベゼルの色と同じだったのが良かったのだろう。

腕へのはめ方は非常に簡単だ。

やり方としては、時計を腕に通して、剣先ベルトを少し引っ張りながらDバックルの折れる部分を指で少し押すと、Dバックルが腕に沿って畳まれていき、尾錠側と剣先側の金具が合うので、剣先ベルトを定革(固定リング)と遊革(動くリング)に挿しながら金具をパチンと音がするまで押すのみだ。

普通の尾錠と違うのは、剣先ベルトを定革と遊革に通すタイミングだ。Dバックルの場合、先に剣先ベルトを定革と遊革に通しておいた方が、ベルトを屈曲させずに済む。

メタルバンドの時計でも使い心地に違和感を感じたことは無かったので、Dバックルも使い心地自体に違和感は無い。強いて言えば、時計自体が大きくて重いので、他の時計より腕に重量を感じる程度だ。

それより、毎日のように使っても、着け外しの時にレザーベルトが傷まないというメリットが非常に大きい。

そのおかげで多少重量があっても、積極的にこの時計を使おうという気が起きる。

愛用しているORIENTのソーラー腕時計のベルトも劣化してきたので、ベルトを替えるついでにDバックル化しようと思う。

Koshichi Museum by Muuseo
https://muuseo.com/Koshichi-museum

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?