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メンターとアドバイザーの違い~アドバイスではない”寄り添う”ことの大切さ

先日、起業家仲間の相談を受ける機会がありました。

年齢も起業年数も同じくらいかと思いますが、現状事業がとっ散らかった状態になっており、どこを相談したいのかも分からずアレもコレも、という感じでしたし、やってこれてはいるけど足元あまり余裕もなく結構集中すること決めないとまずいぞ、という印象。

特に僕らのような小組織で、集中しないとまずいぞ、というのは、集中どころを間違うと死ぬぞ・詰むぞ、ということでもあるので、どこが一番困っていそうか、致命的か、と聞きながら考えていました。

正直、アドバイスできること、言いたいことは事業モデル・各事業の中身・営業方面/開発方面・資金調達/資金繰り・日本と海外の法人形態など多岐に渡ってありました。

それらについて思いつくままに、もしくは、聞かれた部分についてアドバイスをするのは簡単です。
ただ、それが本当に重要な点か?限られた時間を使うところか?

本人は「資金調達について聞きたい」と言っているけど、資金が枯渇気味な原因・時間とお金を溜められる方法・事業運営でいま致命的なポイント、など他にもっと重要なことがあるのでは、と考えながら...

・どこがいま一番課題だと感じているか
・Quick winになることは?
(=時間が稼げて資金プレッシャーも減らせる)
・少し時間の猶予があるなら大きな転換になる意思決定を考えているか

といったことを質問しながら、最終的にはご本人が目の前に自信持って取り組める方向性が見つかったので少しホッとしました。それでうまくいくとも限らないのですが。

ただ、話を聞きながらこれが

・資金調達するならどうするべきか
 →その人が「本当に」調達できるかはさておき、どういうモデルにしてどういう要素を持ってくれば出来る、的なアドバイス
・事業モデルでどういうお客さんとってきて、どの売上を増やすべきか

などと言うことはすごく簡単だな、と思いました。
そして、世の中の多くの経営アドバイスってそうなってるんじゃないか?と。

特に経営したことのない人からのアドバイスは、的外れはともかくとして、経営者経験がなくともそのビジネスでどうすべきかは自分の専門領域や観点からアドバイスできることはたくさんあります。

まして、資金調達や銀行借り入れなど「相手の論理」にハメて行う事象については、「こうすべき」というのがすごく言いやすいし、相談者の状況を理解したり、意図を汲み取ったりすることなく言い放てる。

でも、自分がしたいのはそういうことじゃない。
1人1人の話を理解して。
説明されきれない部分も想像力を働かせて。
難しい状況、時に勝ち目がない状況であることも一緒に受け入れて。
その中で一番致命的で重要だと思うポイントを見定めて。
相手が本当に実行して現実を変えていけることは何か、それを自分で気付いて動ける力が湧いてくるようにパスを出す。

とても回りくどく、面倒で、やりきれない部分もありますが、本当にその人の力になるには絶対に必要なことだと思います。

もし自分だけで背負いきれなくなって、誰か一緒に相談をさばくことを手伝ってもらうことになったら、共通ルールとして絶対守り合いたいことの一つは「安易にアドバイスしない。考えて、想像して、問いを出して気付きを生む」ことかな、と思いました。

そんなことを思っていたら、夕方に近況キャッチアップした先輩起業家も最近そういった後輩起業家のグループメンタリングや学生の起業コースの監修を頼まれている、と聞き、やっぱりこういったことに対する需要が増えてるのかな、と感じました。


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