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ユーザビリティについて1から勉強してみた

タイトルにも記載しているように、ユーザビリティについて全く知らなかった自分が学んだことを忘れないために備忘録としてまとめます。

ユーザビリティって「使いやすさ」のこと?

ユーザビリティと聞くと自分も含め「使いやすさ」とイメージする方が多くいるかもしれません。
しかしこのような意味で捉えてしまうと「ユーザに対する思いやり」のような主観的な概念と混同してしまい、ユーザビリティとはユーザにとっては「あれば嬉しいけど、無くても困るようなモノではない」のようなレベル感であると誤解してしまいます。
このようなレベル感で認識されてしまうことにより、システム開発の現場では「納期」「コスト」などばかり優先されてしまい、スケジュールに余裕がない時にはユーザビリティの優先度が下げられてしまいます。
エンジニアからしたら「多少使いづらくても納期には間に合うから大丈夫でしょ」と考えてしまい、ユーザビリティに問題がある状態で開発を進めてしまいます。

ユーザビリティの正しい意味

ユーザビリティという言葉には「使える」という重要な意味があります。
つまりユーザビリティに問題があるモノは「使えないモノ」という意味になります。
エンジニアからしたら開発したモノがバグなどが原因で障害が発生してしまい、使えない状態が発生した場合には夜間であろうが修正を行い「使える」状態にするかと思います。
これらと同じようにユーザビリティに問題がある場合には「使えない」ということなので、急いで修正しないといけないレベルになるかと思います。

要するにユーザビリティとは「使いやすさ」ではなく、「使用可能性」という意味であることを認識したうえで開発に取り組むべきです。

ユーザビリティの定義

ユーザビリティは「使用可能性」であると記載しましたが、ユーザビリティの定義はISO9241-11で以下のように定義がされています。

特定のユーザが特定の利用状況において、システム、製品又はサービスを利用する際に、特定の目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率、ユーザの満足度度合い。

この定義では「特定」というワードが複数出てきますが、「ユーザ」「利用状況」「目標」を設定しないとユーザビリティを評価することはできないのです。
そのうえで「有効さ」「効率」「満足度」の3つの要素を用いて評価を行います。

有効さ

有効さとは「ユーザが目標を達成できるかどうか」のことです。
例えばショッピングサイトで欲しい商品を購入できることです。もしユーザが商品を購入できなければ、そのショッピングサイトの存在価値は全くありません
そのため「有効さ」に関する問題は、最優先で解決しなければならない問題となります。

効率

効率はユーザが目標を達成するまでに無駄な手順を踏むことなく「なるべく最短経路で目標達成できるかどうか」のことです。
例えば商品購入の操作に手間取り、入力を何度もやり直したうえで購入できたとなれば、そのサイトは効率に問題があります。
効率の問題が軽微なものであればまだ良いですが、何度もやり直さないと目標達成できないような深刻な効率の問題があるならすぐに直すべきであると思います。それはユーザが途中で諦めてしまいそのまま放置してしまうからです。

満足度

満足度は有効さや効率に大きな問題がなかったとしても、「ユーザに不愉快な思いをさせていないかどうか」のことです。
一方的な利用規約の許諾を求めたり、システムのレスポンスが非常に遅いとユーザは不満を感じてしまいます。満足度も問題のレベルによっては、ユーザが二度と使ってくれない状態に陥ってしまうため早急な対処が必要となります。

ISOの定義に則るとこれらの3要素全てを満たすことで、その製品のユーザビリティには問題ない状態であると言えることとなります。
しかし実際の製品では全てを満たすことは容易ではありません。そのためまずは問題のレベルを考慮しつつ、「有効さ」の問題の解決に取り組み、残りは時間やコストと相談しながら解決をするという流れが現実的であると思います。

終わりに

今回はユーザビリティって何ってことを記載しましたが、次回以降はどうしてユーザビリティに問題があるモノが生まれてしまうのか、どうやって評価を行っていくかなどを継続的に書いていこうかと思います。

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