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17. GOという映画について/ Sobre Cine “GO” (2)

今日はネタバレもあると思うので、

気にしない人だけ、読んでみてください。


僕が共感したシーンを書いていきます。


窪塚洋介が演じる杉原は、最初は北朝鮮国籍なんですが、

テレビでハワイの番組を見た親父(山崎努)がいきなり、

「ハワイ、行くか」と言い出すんです。


次のシーンで、

役所に行って担当者と何かを反している。

どうやら、国籍を北朝鮮から韓国に移したようなのです。


その時点で、歴史背景を知らない人にはチンプンカンプンですよね。

僕もその一人でした。

僕がここでその詳細を記すには、荷が重いので気になる人は自分で調べてください。

Chat GPTならすぐに教えてくれるのかな?


ハワイに行った親父は後日、杉原に言います。

国籍なんか簡単に買えるぞ。広い世界を見ろ。」


そして、杉原は民族学校(中学)から、日本の高校に進学することを決めます。

そうです。国籍を変えて。

親父に告白する時の杉原のセリフと表情がいいですね。

「広い世界を見るのだ!」

映画ピンポンのペコにも通ずる演技です。



ある日、両親が夫婦喧嘩をします。

母親演じる大竹しのぶの演技も絶妙です。

可愛らしさと大胆さ、思いっきりの良さがいいです。


親父と杉原はランニングをしていました。

そしていきなりの雨。
公園で雨宿りしています。


親父は徐(おもむろ)に立ち上がり、

雨の中、歌を歌い始めます。

僕は最初、祖国(北朝鮮)の歌なのかな、と思ったんですが、違います。

スペイン語の言葉でした。


「No soy coreano, Ni soy japones, Yo soy desarraigado.」
(私は韓国人でもなく、日本人でもない。ただの根無草だ)


と言っていました。


僕が住んでいるパラグアイの公用語はスペイン語なので、

映画の中でスペイン語が出てくると、ものすごく親近感を感じます。
なんか嬉しい。


このセリフからも親父の息子に対する思いが伝わってきます。


このセリフの終わり際に、母親が家出から帰ってきます。

親父は小走りで妻の元へ。


この映画の中での、山崎努の存在感も絶大です。

父親の威厳もありつつ、常に寂しさと葛藤を抱いています。

時々、可愛くもあります。特に妻の前で。

そして、息子には幸せになってほしいという思いが、一切言葉にしないけれど、

ひしひしと伝わってきます。

僕の親父にも少し似ている部分があるので、
またまたこの映画に親近感を沸かせます。



僕はパラグアイに暮らして10年になりますが、

国籍は日本のままです。


パラグアイでは永住権を取得し、セドラと呼ばれる身分証明書を持っています。

これらのおかげで納税者として登録し、自分でビジネスを起こし商売もすることができます。

おそらく、パラグアイ国籍に帰化することはないと思いますが、

今の自分の立場から考えると、杉原たちの葛藤は胸が痛みます。


もし、僕がパラグアイでしか暮らせない状況で、

日本人として多くの差別や、障壁があるとしたら、

すぐに国籍を変えるのか、
どうかはわかりません。


祖国(日本)を愛しているのなら、日本国籍を保つのか。

でも、愛国心を全うすれば、幸せになれるのか?

それはきっと難しいテーマなんでしょうね。


僕は日本もパラグアイも好きなので、

これ以上の薄っぺらいコメントは、もう少し勉強してから

述べたいと思います。



今日はここまで。




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