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#BLのアニメと映画の感想『第3回、トライガン・スタンピード〜キレる兄貴ナイブズと泣き虫の弟ヴァッシュ〜』
せいひつです。
内藤泰弘さまの原作アニメシリーズ「トライガン・スタンピード」を観終わりました。人気があったようで、放送終了後に即、完結編の制作が決定しましたね。いや〜めでたい、めでたい!
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トライガンは原作漫画を何度も読みこんで、90年代の初期アニメシリーズも観ています。
冒頭は、砂の惑星のマカロニウエスタンをイメージしたアクション劇で、終盤では人類の存亡をかけた弟ヴァッシュと兄ナイブズの人智を超えたSFバトルが、どの媒体でも基本の流れとなっています。
ストーリーを大まかにご紹介すると、、、
地球を食い尽くした人類が、外宇宙へ向けて居住可能な新天地を探しに出かけます。研究の過程で、人類はプラントと呼ばれる存在と遭遇。人類は、意思を持たない彼らの心と、無から資源を生み出せる能力を利用しながら、核融合に変わるエネルギー源として酷使していきます。
プラントには自我がありませんが、道具として使われ続けた彼らの中から、ある日、人の姿をとって意思を持った独立個体(インディペンデンツ)と呼ばれるナイヴズとヴァッシュの双子が生まれました(正確には、作中でインディペンデンツは複数確認されています)
惑星間航行で生まれた双子のインディペンデンツ、ナイブズとヴァッシュ。
女性搭乗員のレムと仲の良かった彼らですが、生体実験されて無惨に殺された(先に生まれた)同胞テスラの死体を見て、人類に対する価値観に歪みが生じます。
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母親のようなレムの愛を信じ続けるヴァッシュとは違って、ナイブズは人類を敵と見定め、シャトルの墜落事故を引き起こしました(このときにレムも死亡)
不時着した砂の惑星で、相変わらずプラントを酷使し続ける人類をめぐって、弟ヴァッシュと兄ナイブズが対立する構図です。
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設定がよく練られた作品で、原作にも登場するナイブズが弟にさしむけた刺客集団、GUNGーHOーGUNSは人気があります。
マカロニウエスタンが基本スタイルなので、主人公のヴァッシュもビシッと決まったサングラスと大口径の銃、真っ赤なコート(ゼラニウムの赤い花をイメージしたコートには、レムへの想いが刻まれています)で、西部劇さながらのガンアクションを展開します。
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無法者も多く住む、砂の惑星では、プラントをめぐって人類同士も争いを繰り返しています。この星では、プラント=生命の糧であり、富と権力の象徴でもありました。
プラント強奪犯のナイブズを追うヴァッシュは、兄の代わりにお尋ね者扱いされて、彼の首には高額な懸賞金が賭けられています。
ガンホーが登場する前は、ヴァッシュの首を狙う賞金稼ぎやならず者たちとのガンアクションが肝となっていますが、そこに、ヴァッシュの博愛主義や臆病さも混じって、なんとも言えない独特な魅力のある作風なのです。
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ナイブズは原作でも、アニメ版でも、人類を敵視して、命を奪うことにためらいがありません。
変わって、ヴァッシュは兄とはまったくの正反対。同時期に話題になった、るろうに剣心の主人公、緋村剣心と同じく“殺さず”の信条を貫いて生きています。しかし、ヴァッシュの志(こころざし)は、過酷な惑星で殺し合う人類のなかで(その渦中に属しながら)ギリギリの死線を這うように生きる、生き方にほかなりませんでした。
全身傷だらけの彼の肉体が、その痛みと凄惨な人生を物語っています。
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面白いところを突くと、ナイブズは、本当は悪人ではないのです。
彼にとっては、人類は害虫のような存在なので、本当に大切にすべき弟ヴァッシュや同胞のプラントたちを何よりも大事にしています。プラントたちにはウィリアム・コンラッド技師などの人の研究者をつけて、管理させています。言うなれば、農作物にわいた害虫を駆除している、勤勉な農業生産者のような感覚です。
そこで、同胞意識の高いナイブズが、敵視する人類を守ろうとする(根本的に価値観が違う)弟のヴァッシュを、ときにいじめ(ガンホーなどで)ときにたしなめて(お前は病気だと)やっていくのが、兄弟の基本的なやり取りになっています。そこが、BLとしての本作の魅せ場ですねw
世界設定がびっしりしていて、BL要素を記事に込められませんでしたが、金髪碧眼の弟ヴァッシュと兄ナイブズのやり取りには、性差に関係なく、熱い感情が向けられています。
BLとしても、またSFとしても面白い作品です。
アニメシリーズの第二期も楽しみに待っています。
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