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面白さの核となる”わからなさ”
面白くないゲームにも面白さは眠っている(前置き)
極端な例として2×2マスの〇×ゲームを思い浮かべてみよう。これはゲームだろうか? おそらく、ゲームではなく、先手が(必死に負けようとしても)勝つただの作業になってしまっているだろう
ここまでひどくはなくとも、作ったゲームが『何をやればいいかが明確すぎる。面白くない』と言われてしまう事はある。ここで難しいのは面白くないゲームが面白くなる見込みがないとは限らないというところだ。
例えば、上のゲームを複雑にした五目並べやその発展形である連珠は十分に面白い。これは、縦横斜めいずれかにXマス並べたら勝ちというルールが ①非常に理解しやすい、②実力差が出るテクニック(先読み、相手を止めつつ自分の手を進める手を考える等)がある、③勝者が決まった時に誰が見てもそれがわかる 等の点で非常に良いからだ。
そう、上の2マス○×はゲームではないにせよ、ゲームとしてのポテンシャルは持っているのだ。同じように作ってしまった『明確すぎて面白くないゲーム』にも実は面白さのポテンシャルが眠っているのかもしれない。
面白いって何?(定義)
ゲームが他のエンターテインメント(漫画、映画、小説等)と最も違う点はプレーヤーが自発的に行動し、展開に影響を与える点である。
その人間の行動というものを細分化してみると以下のような4ステップのループから成り立っている。
A ルールや状況を認知する。
B Aで認知した状況に知識、記憶を加えて、判断する
C 操作する
D ゲーム(あるいは現実世界)から反応がある⇒Aに戻る
私の定義において
面白さとは
「A~Cのステップにおいて丁度いい課題が設定されている事」
楽しさとは
Dにおいて優れた反応がある事
と定義している。
ゲームのグラフィックやコンポーネントが優れている事はゲームの体験を良くする上で確かに重要であるが(楽しさ)
面白いにつながる課題の分類
上記の4Stepの観点からゲームの面白さの核を羅列していくと以下のようになる。これらを組み合わせつつ、適切なハードルの課題を作ることが面白さを作るという事ではないだろうか?
A.認知
A-1 混同してわからない
見た目がかなり似ている絵の神経衰弱、視覚以外の五感を使う等
A-2 情報である事が隠されているためわからない
謎解きのラスト謎等
A-3 正しい答えを解答候補から除外した結果たどり着かない
八百長TicTacToe
A-4 情報が広大あるいは多層にわたり把握できない
立体的なゲーム等
B.判断
B’ アクセスできない情報があるからわからない
B-1 運だからわからない
B-2 相手の考えなんてわからない(=読み)
B-3 非公開情報があるからわからない
B-4 記憶しきれなかったのでわからない
B-5 知識不足のためわからない
B’’ 情報があっても正解に至る事が出来ない
B-6 複雑すぎて正解に至れない
B-6-1 長期的な展望を持たなければならない。
B-6-2 変数(あるいは評価軸)が多い
B-6-3 選択肢(あるいはその組み合わせ )が多い
B-6-4 単純に複雑な計算が必要である。
B-7 時間制限のために正解に至れない
B-8 創作能力等を問われる
大喜利、ストーリーテリングなど
C.操作
C-9 精密な操作をすることが要求される
C-10 単純に能力(スピード、パワー、演技力等)を要求される
最後に
上記の分類は2010年ごろから意識しだして、少しずつ増減させていったものになります。ゲームメカニクス以上に原始的で分解不可能なこともあり、2015年ころからは正直あまり変わっていません。
次の段階として、以下の記事のように上記面白さ等の具体的な実装(=道具)である「ゲームメカニクス」の分類、利用のされ方をまとめたり
(現在、手番順、終了条件は書いています。ただ、この部分はゲームメカニクス大全と一致する部分も多いので 書評その2みたいな形にして差分を公開する方向性も検討中です)
以下の記事のように”このジャンル(ゲーム)は何を楽しむ(何が評価される)ゲームか?”という”ゲームの価値観”(=思い描く全体像)を自分なりに言語化したりという事をしていきたいと思います
(現在、競りと拡大再生産を書いていますがちょっと難航しています)
もし、「こういう面白さもあるんじゃないか?」等のご意見があればNoteにコメントなり、Twitterで話しかけていただくと励みになります
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