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溶けて消える、でも、覚えてる

社会人1年目
地元に友達いたっけ?
でも同期と仲良くなれればきっと大丈夫。
配属によってはまた大学のみんなのとこ戻れるかもだし…
なんて考えて戻ってきた地元。
隣の家の同い年の男の子、幼なじみくんもちょうど戻ってきたらしい。

保育園からずっと一緒にいた
初恋の相手の幼なじみくん。
思春期真っ只中な中学時代、すれ違うことも減って全く関われなかった幼なじみくん。

久しぶりにお互い大人になったし会ってみたいななんて思って誘ってみた。
そしたらすぐに会いにきてくれた。

5月に入ったある日 本配属が言い渡された。
案の定私はまた地元を離れる。

その途端に気がついた。
私、今のこの場がすごく気に入ってるんだって。
小さい頃から一緒にいたときみたいに、今日大変だった、、なんて悲しい時は話聞いてもらったり
ずっと会ってなかったのに偶然好きなアーティストが同じで盛り上がったり
おばちゃんと一緒に幼なじみくんのこと話して笑いあったり

そしたら突然すごく寂しさに包まれた。
もう戻ってこれないわけじゃないのに、一生会えない気分になった。
コロナの影響で気軽に会えないってこともあるけど約束すればいつか会える。

でも 幼なじみくんと私は男女で性別が違う。
それに彼には彼の人生があるから、いつか彼の特別な人が現れて 私たちは会わなくなる。

だから今だけのこの時間が終わるって知って寂しくなった。

でも私にとって彼は大切で大好きな幼なじみくん。だから幸せになってほしくて地元のおすすめデートスポットとか教えてみた。

ここのかき氷屋さんねすごくおいしいの
ふわっと溶けてね、でもほんのりした甘さが口に残ってすごく心地よいのデートにも良さげ
家族で来る人にもおすすめの雰囲気だったよ

今日までの時間はかき氷みたいにふわっと溶けて消えてしまうけど
私はいつまでもこのほんのり幸せな時間を覚えているよ。

#小説 #エッセイ #男女の友情 #幼なじみ #恋愛 #新社会人 #社会人1年目 #新型コロナウイルス #スキしてみて

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