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映画を見て時間に関して思いを巡らす

「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
この映画をNetflixで初めて見た。
2016年12月に公開された。福士蒼汰、小松菜奈主演の映画だ。
6年前、私にとってそれほど昔ではない。
年を取ると時間が早く流れる。今は新幹線並だ。もうすぐジェット機並になる。

人生において、未来より過去が長くなっていく分岐点が40才だとすると、過去が大半を占めている私だ。
そんな私がこんな切ない映画を見てしまった。どうすればいい。
私の未来に恋なんかない。

「戻らない時間」
時間は戻らない。
不可逆性の不思議、時間は本当に戻らないのかと妄想をしながらYouTubeを見ていた。意味などない時間潰しだ。
そして「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」 に出くわした。
普段は、糞AI野郎検索時に余計な事をするなと思っているが、この時は憤りもなくNetflixを立ち上げた。
配信されていた。運命だ。
そんな感じで6年前の邦画を見ることになった。

物語は既に知っている人も多いと思う。
時間軸が逆の世界で生きている二人が、5年に一度、40日間一緒に過ごせる。能動的にそこへ行けるのは彼女の世界からのみだ。

受け身となる彼の時間では、彼が5才のとき彼女は35才、彼が15才のとき彼女は25才となる。
そして皆既月食のように 彼20才、彼女20才の同い年となる時が来る。
そして二人は本当の恋をする。

彼女  5才---------15---------------20---------------15------------------35→
彼 ←35才---------25---------------20---------------25------------------5

でも、出会って2日目から、彼は明日。彼女は昨日となる。つまり彼女とって始まりが終わりになる。
彼との出会い、告白、初めてのキス、全てが彼女にとって最後となる。

彼女 初日---------10--------------30--------40→
彼 ←40日----------30-------------10---------初日

涙のキスだ。

戻らない時間、限れた時間の恋は悲しい。
私はそれに気づくと原作も読みたくなった。買った。読んだ。良かった。
原作はSFファンタジー、ラノベだけど設定だけで泣ける、切ない。

戻らない時間
私が33才、妻は22才の時に結婚した。1989年12月2日。33年前。
妻とは12才の歳の差がある。
妻が産まれた時、私は中学生。私が大学生の頃、妻は小学生。決してその差は埋まらない。
しかし結婚後、時間軸が重なった生活を33年間続けたので、その差は意識しなくなった。一つの空間を時間で共有することが結婚とか恋愛だと思う。

でも妻が22才の時、果たして22才の私を好きになっただろうか?
それは永遠に分からない。
ちなみに私が22才の頃、今の自分が友達になりたくないような男だった。

私達には子供が3人いる。皆成人している。
同様に、この子達と同じ歳だった私が果たして、
友達になれただろうか?
恋人になれただろうか?
私を好きになってくれただろうか?

親は子供とは遊べない、恋も出来ない。
そう言えば、母親が子供に恋をする映画があった。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』 有名すぎる。

物理学的な時間とは
相対性理論を簡単に復習してみる。
まず時間は未来へしか流れない。一般性相対理論で未来には行けるけど、過去へ行くことはできない。

時間はニュートンの絶対時間・絶対空間からアインシュタインの「相対性理論」となる。
つまり観測する側の速度(光速)に相対的に影響されている。さらに光速だと時間だけでなく空間も歪むようだ。
ここれが「特殊相対性理論」

そしてそこに重力と加速・減速を入れ込むと「一般相対性理論」となる。
映画インターステラーを観た時、この程度の知識では理解出来なかった。

「エントロピーの増大の法則」
無秩序さの度合いをエントロピーと言う。つまり整理されてない私の部屋となる。
世界は直ぐに無秩序になる。私の部屋はどんなに整理しても乱れる。そうした法則だ。
そうしておく。

この法則だが熱力科学だと時間が経つと高温部は低温部へ移行していく。そうじゃないと何時までも熱い。
つまり状態の変化とはエントロピーが増大することになる。
つまり、私の部屋が時間とともに乱雑になるのと同じだ。

エントロピー増大の法則とは「物事は放っておくと乱雑・無秩序・複雑な方向に向かい、自発的に元に戻ることはない」という法則となる。

ここで時間との関係だ
エントロピー増大の法則に従うと、熱いコーヒーが時間経過で冷める。元に戻ることはない。
不可逆性。これが時間の流れだ。コーヒーは元の状態にはならない。つまり時間は戻らない。

光速で飛ぶことは断熱したカップで飲んでいること同じで、冷める時間が遅くなる。つまり時間の流れが遅くなること、こんな感じで理解するしかない。

つまり過去へ戻ることは、コーヒーがまた熱い状態に戻ることになる。
エントロピーが減ると時間が逆行することになる。

そして始めにもどる私
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」
この映画で、彼女は明日、彼の過去を過ごす為に、大人になった彼にその行動を聞き、メモを取っている。そして彼女は明日その通りに行動する。

つまり彼女は結果(情報)を知っており、そのように行動している。

ここで気づく、記憶、情報は残せている。
彼女は彼の未来(歳を取る)を記憶しており、彼の過去(若い頃)もそのメモ(情報)で想像出来る。
だから不変の愛を感じる。これがこの物語に可逆性を持たせている。時間の輪が繋がる。でも切なさは消えない。

そこで結論、もう感覚だけだけど、「情報(思い出)」はエントロピーを減少させる。
結婚して33年、思い出がエントロピーを減少させているから、愛が冷めない、結婚記念日も近いので、そうしておこう。


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