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ロードレース(自転車)の小説と漫画とアニメから見る自転車の進歩 「アピュイドセル」の話

「スマイリング」土橋章宏 
自転車ロードレースの青春小説。作家さんはよく知らない。
読んだ感じでは、ロードレースの事をあまり知らないと思われる。ロードレースの専門的な話はない。だけど話自体は少年、少女達が努力と勇気で、最後は友情を深めてと定番の内容、仕事を辞めて素直な心になった爺さん、つまり私の心には響いた。
最近は子供の運動会の徒競走でも泣ける。

スマイリング

ちなみにロードレースと自転車そのものを趣味としている作家さんで有名なのは高千穂遙さんだ。ご近所なので時折乗っている姿を見かける。
最近は知らないが昔は、若い女子選手推しだったので、学生時代ロードレースをしていた娘1とも面識があった。

作家自身が50歳の時、ロードバイク(自転車)に乗る事で、体重84キロが60キロとなり、マニア体質からどんどん自転車にハマったようだ。
市民レースとしてヒルクライム(山を自転車で登るレース)が盛んな時期に書いた小説。
「ヒルクライマー」小説としてヒルクライムが舞台になったのは初だった。
この小説で架空の舞台になった赤城山、この地で実際にヒルクライムレースが開催されようになったのも驚きだ。
それだけヒルクライムレースは定着している。

最近読んだ「ペダリング・ハイ」これはロードレースにのめり込む大学生の話。地元が舞台となり、練習場所も私とかぶり、コースが頭に浮かび、読んでいて、苦しさを思い出してキツい・・ような気分となる。

このレースはフィクッションだったが後にリアルなレースとなる
地元、尾根幹、深大寺の蕎麦屋まで同じ

漫画家では「弱虫ペダル」 渡辺航(長崎市出身)さんもが有名。自分で自転車チームを持ち、シクロクロス(不整地を走るレース)では強豪のチームとなっている。

2020年のチーム、当時私もいた多摩ロードバイクネットワークの小川選手がいた

2006年頃にはアニメでは大友克洋さんもロードバイクマニアだった。今は知らない。

このイラストは好きだ

ジブリ関係では「茄子、スーツケースの渡り鳥
宇都宮のジャパンカップを舞台にしたアニメは何度も観ている。
声優の大泉洋がいい。まだ声が若々しい。前作では藤村Dも監督役で声優をしていた。「アンダルシアの夏」

パオパオビール

さて話を戻し、このスマイリングの物語の中で、凄く面白い妄想バイクが出て来た。これだ。

サドルの後ろは空気が舞うのでそこにフィンをつける発想

最近はAIで設計したように同じ様なロードバイクだらけだが、UCI(国際自転車競技連合)の規定内だから仕方が無い。
しかし1980年代、トライアスロンの黎明期は、UCIの規定なんぞあまり厳しくなく、色々な試みがされたロードバイクが走っていた。

1986年、スコットハンドルとかビンディングペダルが普及、まだデュアルコントロールレバーはない。
その頃、空力上の対策として色々な製品(エアロパーツ)とエアロバイクが沢山世に出た。
自転車の材質も含めて新機構の黎明気でもあった。その時代に30代だった私は本当に自転車を楽しめた。お金も使った。

その中で、「アピュイドセル」と言うサドルの後ろに着けるアタッチメントが使われたことがあった。後に禁止された。
この若い作家さん、おそらくそんなの知らないと思う。でもそこに至っていた。

ハンドルはスコットハンドル
カーボンホイールだ

ツール・ド・フランス、グレッグ・レモンと8秒差で、最終日に個人タイムトライアル(TT)で逆転された今は亡きローラン・フィニヨン。彼の所属した名門チーム、スーパーUでもTTで使っていた。
このセルはモータサイクルのロードバイクには普通についているものだ。
効果を発揮するには50キロ以上のスピードがいる。プロにとっては速度域だ。

以上、これを知っている人はオールドスクール(古いタイプを愛する人間)だろう。
後、「サクリファイス」近藤史恵さん等のミステリー色の濃いものも私は好きだ。レースそのものを主題としていないが面白い。
こんな感じで取りあえずお終い


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