【第5号】colomagazine(2020/07/10発行)

九州をはじめ全国各地の水害にあわれた方々にお見舞い申しあげます。

さて、会社には「創業○年」以外に会計年度という「歳」の数え方があります。ころからの期首は7月1日。先日、はやくも9期目となりました。
創業からは7年ですので、人間でいう「数え年」のような気分です。来年の今ごろはすでに10期!
なんかすごいと自画自賛しつつ、ころからのメルマガcolomagazine(ころまが)第5号をお届けします。

第5号のラインナップ
1)【特集&Pickup】『ハポン(日本人)を取り戻す』刊行!
2)【著者イベント情報】永野三智さん@大阪ほか
3)【今月の放送予定】BS-TBS「ドキュメントJ」
4)【コロナ時代に読みたい一冊】『TRICK』
5)【今週のタレコミ】アマゾンのレビュー欄

※ころからが発信するcolomagazineは、メディア・出版関係者を中心に、これまで触れあう縁のあった方へ送信しています
※お知り合いへ購読をお薦めくださる際は、下記フォームから必要事項を入力ください。
https://www.itm-asp.com/form/?3061

1)【特集&Pickup】『ハポン(日本人)を取り戻す』刊行!
http://korocolor.com/book/hapon.html
「ハポン」と聞いて、ピンとくる方いらっしゃいますか? 約30年前に当時毎日新聞記者だった大野俊さんが『ハポン』(第三書館)という本を上梓されています。それ以来、「フィリピン残留日本人」を意味するこの言葉を冠した本は出ていませんでした。
おさらいすると、20世紀初頭からフィリピンへ移住した日本人男性と現地の女性との間に数千から1万人程度の2世=ハポンが生まれたとされます。しかし、日本がフィリピンの旧宗主国であった米国と戦争を始めたことで、現地の事情にも日本語にも精通する2世は「スパイ」などと指弾され、日本の敗戦後は社会の片隅で、出生をひた隠しにして生きざるをえなくなりました。
戦後75年をへて、いま「父の国=日本」の国民であることを証明していほしいと願う2世が数百人生存されています。生まれたころの日比両国は、ともに父系血統主義でしたので、本来なら自動的に「日本人」だった人たちです。
しかし、そんな「ハポン」たちが、どうして無国籍とされているのかーー過酷な歴史と「解決」への道筋を示した本書を、この夏にぜひ手にとってみてください。
本書は7月25日の東京「ポレポレ東中野」を皮切りに全国公開されるドキュメンタリー映画『日本人の忘れもの』(小原浩靖監督)とのコラボ企画でもあります。フィリピンだけでなく中国残留孤児の「帰国」経緯も詳らかにするドキュメンタリー映画です。東京以外の上映館情報などは公式サイトでチェックください→ https://wasure-mono.com/
そして、書籍は7月15日発売。共著者のおひとり、猪俣典弘さんがA新聞の「ひと」欄に登場される予定ですので、こちらもご注目ください。
【書店のみなさまへ】
映画『日本人の忘れもの』は東京、横浜、名古屋、京都、大阪、別府、鹿児島で順次公開されます。A2サイズのポスターがありますのでお店にご掲示くださる際は、ころから(office@korocolor.com)へ送り先と枚数を明記のうえご要望ください(送料無料)。

2)【著者ベント情報】永野三智さん@大阪ほか
◎『永野三智さん・朴沙羅さんのお話を聞く会』@大阪/7月25日(土)
小社刊『みな、やっとの思いで坂をのぼる』の著者が、歴史社会学者で『家(チベ)の歴史を書く』(筑摩書房)の著者・朴沙羅さんと対談されます。
大阪・中崎町でのリアルイベントでもあり、ネット中継によるリモートイベントでもあります。
どちらの方法でも参加できますので、詳しくはこちらから→ https://www.facebook.com/events/293842028403625

もうひとつは、広島での開催。
◎『第3回共生フォーラム』@広島/7月26日(日)
NPO法人共生フォーラムひろしまが主催されるイベントで、『九月、東京の路上で』『TRICK』(「コロナ時代に読みたい一冊」参照)の著者・加藤直樹さんが講演されます。
会場は広島市留学生会館にて。詳しくはこちらから→ http://www.9-hiroshima.org/news.html

3)【今月の放送予定】BS-TBS「ドキュメントJ」
昨年秋に刊行いたしました木村元彦さんの『13坪の本屋の奇跡坪の本屋の奇跡』の”主人公”とも言える、大阪・谷六の隆祥館書店がドキュメンタリーになりました。
すでに関西圏では毎日放送で放送されましたが、7月25日に全国放送されることが決まりました。
BS-TBS(またはBS-TBS 4K)「ドキュメントJ」
7月25日(土)午前10時から11時
『13坪の物語 小さな本屋が愛される理由』
https://www.bs-tbs.co.jp/news/documentj/

4)【コロナ時代に読みたい一冊】『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』
[2019年6月初版刊行、3刷計9000部、A5変形、180ページ、1600円+税]

今月、ころからがある東京都では知事選が行われました。ローカルな話題ですが、振り返ると2012年の石原慎太郎以降、3人続けて任期途中で辞職、この8年間で4回目の都知事選となりました。そうした「前任者よりまし」「国政よりまし」「大阪の府市あわせよりまし」という目に見えぬアシストもあって、小池百合子が約360万票をえて再選されました。
しかし、このことは多民族共生社会の実現を思い描く人にとっては「悪夢」といって過言ではありません。
毎年9月に、都立横網町公園で関東大震災時の流言蜚語によって虐殺された朝鮮人を悼む式典が市民の手で行われています。が、小池都知事は3年前から式典への追悼文送付を拒否しています。
その根拠にされているのが、朝鮮人虐殺にいたる「暴動はデマではなかった」との妄言です。一般的に「朝鮮人虐殺否定論」とされていますが、これが「論」などではなく、タネも仕掛けもある「トリック」だと暴いたのが、加藤直樹さんの『TRICK 「朝鮮人虐殺」をなかったことにしたい人たち』です。
どうして、この本を新型コロナウイルスが収束しない状況でお薦めするのか。それは、小池都知事が知事選前に語ったことに関係します。
「自粛から自衛へ」。彼女は、そのように都民に呼びかけました。その数週間前には、繁華街の影の部分を強調し「夜の街」と呼び、都の職員を使って歌舞伎町などを「夜回り」させていたのです。
ここから、97年前の「自警団」を想起した人は少なくないでしょう。史実を無視し、朝鮮人虐殺は「なかった」、その証拠に朝鮮人暴動は「あった」とするデマの出所を明らかにした本書を読むことこそが、多民族都市・東京を「自衛」することにほかなりません。
加藤さんの前著『九月、東京の路上で』と合わせて、この機会にお手にとってください。

5)【今週のタレコミ】アマゾンのレビュー欄
先月刊行の『モロトフ・カクテルをガンディーと』(マーク・ボイル、吉田奈緒子訳)に関連して、とても興味深いブログを発見しました。
本音ブログ 日常生活その23 アマゾンのレビュー 
内海大輔さんという方のブログなのですが、「先日、『モロトフ・カクテルをガンディーと』という本の書評を書きました。その時の書評は凄く長かったので、簡略化させた物をアマゾンのレビューに投稿しました。そしたらなんと!掲載してもらえませんでした(T_T)」というのです。
にわかに信じがたいタレコミです。
しかし、読み進めていくとアマゾンのガイドラインに抵触しているとのことで、ありえそうな話だとも思われます。
ブログ主によると、アマゾンでは原著に対しても「当たり障りのないレビュー」が並んでいるとのこと。今回のブログ主によるレビューの掲載不可をどう考えるか、出版社としても注視していきたい現象です。

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