難しい本を読むためには を読んで 思わぬ読書術の著書に膝を打つ
今回は書評です。
ついこの間から次男には「暇と退屈の倫理学」の読書をすすめられ、小理屈野郎は読了したのですが、さすがに中学2年生にとってはかなり難関なようで、本文を行ったり来たりしながらなかなか先に進めない ようです。
そんな中、以前から読み出していた読書術に関する著書で、読了すると、思わずこれは、と思えるような著書だったので、今回はその著書についてまとめました。
では、書籍のメタデータを貼っておきますね。
今回も読書ノートからの書評ですので、小理屈野郎の読書ノート・ローカルルールの凡例を以下に示しておきます。
書名 難しい本を読むためには
読書開始日 2022/09/04 14:04
読了日 2022/12/01 14:03
読了後の考察
かなり時間をかけて読書をしたことになる。ここのところの読了までの最長期間になった のではないかと思われる。途中(最初の30%ぐらい)を読んでからしばらく積ん読状態になっていたのだが、それを解消しようとして読み出すと、思いのほか内容が腹落ちする ものだった。
内容としてはそれほどややこしいことをかけいているのではなく、部分と全体、そして結論とその解説をぐるぐる回りながら読書をしていく こと、そして丁寧に読書をしていくことが一番の正攻法であること 等が述べられていた。
著書の中では「暇と退屈の倫理学」も取り上げられており 、次男にもすすめることにした。
内容としては少し難しそうだが、ゆっくり読むとちゃんと理解できる。実際に読み進めていくと他の哲学書の一部をテキストとして利用している ので、本文を理解出来るとこれならいける、と思わせる構成になっているところもポイントだと思う
長男や次男が読了したら感想戦をしたいな と思った。
このようなことを考えながら読んでいたが、最後は読書会についての章であった。
ズバリ自分がしたいのは読書会ではないか? 実際に参加したことはないのでなんともいないが、一度参加してその雰囲気を自宅に持ち込めればなと思った。
キーワードは?(Permanent notes用)
(なるべく少なく、一般の検索で引っかかりにくい言葉、将来もう一度見つけてみたいと考えられる言葉)
#読書法
#哲学
概略・購入の経緯は?
産経新聞の書評に上がっていたのを発見して購入していたが積ん読にしていた。
読書術の本を読んで、読書術について読んでみたいな、と思っていたので、そのため掘り出して読書をすることとした。
本の対象読者は?
読書術に興味のある人
哲学について興味がある人
哲学書を読みたい人
著者の考えはどのようなものか?
原理
・難解な文章を読み解くには、全体と部分のぐるぐる回りにうまく入り込む ことが重要
→これにはキーセンテンス(この文章が何がいいたいのかを端的に示した文章)を探し出す ことがポイント。
・文章の全体と部分の折り合いを付ける ことが大事。
・部分と全体を行ったり来たりして、その間の齟齬を解消するように読んでいく
方法論
前提と結論を腑分けする
文章の構造をしっかりと抑える。これによってぐるぐる回りに近づくことが出来ることも多い。話の流れをつかむ
著書自体がどのような構成になっているのか を抑える。これによって内容の重要性も少し意識できる し、内容が理解できなくてもそのまま読み進んで良いかどうかが判断できる 。これによって読了できる確率が上がる 。内容の重要性を指摘する
流れを見た上で、どこが重要か、重要でないかを抑える。このことによって余計なことで難しい本を読み進めるときの躓きを減らす具体例を提示する
著書の中身を自分なりに取り込むこと
→これらが原理で出てきた「ぐるぐる回り」に入り込むためのキーポイント
文章には無視できない「循環」が含まれている
読書会
ひとりで上記をすべてするのも一つの大事なことだが、それだけでは理論に広がりを持つことが出来なかったり理解が浅くなることがある。
そんなときに読書会は非常に大きな役割を果たすことになる。
読書会とは
1冊の本(あるいは1本の論文など)を決めてそれを複数人で読む
人数は二人以上。(2~十数人程度)
定期的に行われることが多い。週1回が最もスタンダードなやり方
予習してくるやり方と、ぶっつけ本番で読むやり方とがある
人数が多い集まりの場合には、リーダー的な人間がいる方が便利
一冊の本を読み終わると、続けておなじメンバーで別のものを読む集まりも多い。
Zoomなどでやる方法もある。
読書会のポイント
読み対象としては、ときの試練を耐え抜いた古典を選ぶ
新書を読むなどの準備をする
内在的な読書に務め、空中戦を避ける
読書術
上記の方法は必勝法ではない 。
必勝法ではないが正攻法ではある 。
安易な必勝法に頼って恣意的な解読に至るのではなく、正攻法の下で一歩ずつ進む 方が、長い目で見て得られるものは多い。
以上は原則。
一番大事なことは難しい本を読む必勝法は存在しない 、ということ。
書き手が自分のいいたいことを最も良く伝わるように臨機応変に工夫する以上、読み手の側も臨機応変に対応する以外道はない 。
その考えにどのような印象を持ったか?
自分で読書をする場合はこれらのテクニックをそれぞれバラバラに使っていたがこの著書で系統だって理解することが出来た ような気がする。そういう意味では非常に意義のある著書だったと考えている。
印象に残ったフレーズやセンテンスは何か?
→著者のあげる哲学の古典
・プラトン「国家」
・アリストテレス「形而上学」
・アウグスティヌス「告白」
・トマス・アクィナス「神学大全」
・デカルト「省察」
・カント「純粋理性批判」
・ヘーゲル「精神減少額」
・ベルクソン「創造的進化」
・フッサール「論理学研究」
・ハイデッガー「存在と時間」
・ヴィトゲンシュタイン「理論哲学論考」
・西田幾多郎「善の研究」
・大森荘蔵「ものと心」
類書との違いはどこか
このような問題に真正面から挑んでおり、非常に解説が明瞭であること
関連する情報は何かあるか
哲学の良書についての情報
キーワードは?(読書ノート用)
(1~2個と少なめで。もう一度見つけたい、検索して引っかかりにくい言葉を考える)
#読書会
#哲学書おすすめ
まとめ
この著書を読むとそれなりの難しい本でも読めてしまうのではないか、と思えるぐらい明快な解説であった。
子供達には非常に役に立つのではないかと思われる。
この著書を跳躍台に色々な本で子供達と読書会をやってみたい。
哲学的な著書をテキストにした読書術、という個人的には願ってもないないようでした。
また、「暇と退屈の倫理学」をコツコツ読んでいる次男にとっても良書になるはずです。
早速アマゾンで紙媒体の新書(私はご存じの通り電子書籍での読書に限っていますので)を購入しました。
これを見て長男も読んでみる、とのこと。長男はさらさらっと内容を見ていたようで読書会の話をすると、「最後の方にそんな話になっていそうだけどちょっと意外な気がした」とのこと。
内容を読んでから読書会をしようというと喜んでいました。
子供達と読書会をするのは間近になってきました。
子供達よりも小理屈野郎が喜んでいます(苦笑)
子供達にはこれはという著書を紹介できる父親でありたいと思っています。
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