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万年筆とポメラ 「書く」時に必要なものについて考える

今回は、小理屈野郎が「書く」時に必要な道具について思索してみたいと思います。

筆記具の一般的な使用遍歴

文字を書くときに必要な道具としてまず思いつくのは、いわゆる筆記具でしょう。
まず、子供の頃に最初に使うのは鉛筆ですね。
鉛筆をドンドン使っていくと、ちびってきます。さらに先もすぐに太くなってしまいます。
そんなことが分かるような年代になると、シャープペンシルに目が行くようになるでしょう。
そして、シャープペンシルにはまる人たちは、色々な太さがあることに気づいてそれらを使い分けたり、製図用や筆記用など色々な目的に合致したものを見つけ、使っていくことになります。
そして、仕事をし出すようになると、「消えない」ことが重要になってきたりします。ボールペンの登場です。
ボールペンも本当にいろいろありますね。油性インクのもの、水性インクのもの、油性だけどヌルヌルした書き心地を味わえるもの、色もいろいろあります。太さもいろいろあります。それらを使い分けていくようになります。

以上のようなものが一般的ないわゆるアナログ的な筆記具の使用の遍歴だと思います。

小理屈野郎の場合は少し違いました。

ノートをしっかりとっているときは万年筆が必須だった

小理屈野郎は上記のような筆記具でものを書く場合、すごく筆圧が強いのです。
筆圧を弱めようと思ったけど、そう簡単にできませんでした。
理由は自分でもあまり分かりませんでした。
ガリガリ勉強してノートをとっているときは長時間筆圧をかけて(力を入れて)筆記具を握っているため、奥歯が浮いているのが分かるときもありました。またペンだこも結構大きなものができていました。

そんなときに両親に相談してみました。すると、二人とも一致した答えが返ってきました。

「万年筆を使えばいいよ」

という答えでした。
万年筆を使うと言うことは、「消えない筆記具」を使う、ということ。間違ったことを書いたりすると面倒だな、感じたのでそれについても聴いてみました。すると、

「間違ったところは斜線かバツを付けておけばよい。そうしておけば、数学なんかで困ったときも、どこがどう違ったかあとから検証できるし」

と言われました。

なるほど。そう言われればそうかも知れない。
そして、ノートが余分にいることを懸念したのですがそれについても両親は鷹揚で

「じゃあノート、いっぱい買ったらいいやん」

と言うことでした。

これを相談したのがちょうど中学を卒業した直後でした。

その頃はまだまだバブルの真っ盛り。卒業後の春休みに家族で初めての海外旅行に行こうという話になっていてそのときに万年筆を1本買ってもらいました。

買ってもらったのは、モンブランの「ノブレス」というシリーズのものです。

インターネットから拝借しました

ペン先は一応18金でした。(最初から贅沢させてもらったなと感謝しています)
軸は細身で、チタンメッキになったボディーでした。

ここから小理屈野郎の万年筆を使った「書く」が始まります。

万年筆をどのように使うようになったのか

では実際どのように使っていたかを振り返ってみます。

高校生

上記の万年筆を使っていました。
一番難儀だったのは、カートリッジが非常に小さいものだったことです。ちょっと筆記しているとあっという間にインクがなくなってしまいます。
これでは非経済的だ、ということでコンバーターと言ってインクをペン先から吸い上げることのできるカートリッジの代わりのものがありますのでそれを買ってもらい(これは500円から1000円程度のものです)、インク瓶からインクを吸い込んで使うことにしました。
これで、インクの問題はほぼ解決。
学校のロッカーにはインクの瓶が常備されることになりました(苦笑)
また、普段の鞄の中にはカートリッジを忍ばせておいて、出先でなくなって困ったときに使いました
1年半ほど使うと、手汗などでメッキがはげてきました。軸は交換できるとのことで部品として買ってもらって付け替えました
しかしペンを握るところも、メッキがハゲ、真鍮が見えてきてざらざらになってきて難儀なことになりました。けど、使いやすいので使っていました。

大学生~就職

なんとか大学生になったときに、叔母が入学祝いに何かを、といってくれたので、万年筆をお願いしました。
叔母によると大きな万年筆だったら筆圧もかからないし、いいよ、ということで、モンブランのNo.146という太いのから2番目のものを買ってもらいました。

インターネットから拝借しました

これは、文豪なんかも使っているシリーズでしたので、おっかなびっくり使い出しましたが、非常に書きやすいし、しばらくすると自分の癖がついたのが如実に分かり、面白かったです。

大学2年になった頃に、父親が「いまの万年筆、修理に出すことになったら大変だろう」と言うことで、全く同じ万年筆をもう1本買ってくれました。

これで大学時代はすべて乗り切りました。

もちろん大学の個人ロッカーにはインク瓶が常備されました。
そして2本ありますし、元々カートリッジが使える万年筆ではなかったので、カートリッジの持ち運びはなくなりました

就職後

就職後も、モンブラン 146 万年筆を使っていました。
しかし、手を洗った後にインクがつくなどと先輩に言われたり、使っている万年筆のインク漏れがひどくなってきたと言うこともあり、同じシリーズのボールペンを使い出しました
昔ほど字を書くことがなかったことと、伝票を記入しなければならないことが多かったこともあって、ボールペンをよく使いました。
万年筆は何度も修理に出しましたが、しばらくするとすぐに漏れるようになってきました。
しまいに、修理に出しても直りませんわ、みたいなことを言われてショックでした。
さらに、モンブランが万年筆を筆記具と捉えず、アクセサリーの一つという風に定義し直したということを雑誌かなんかで読んで、すごくショックでした。
そんなこともあって、しばらくはボールペンで過ごしていました。

再び勉強を始めだした

現在一つ前の職場に赴任した頃から、また、手書きの書類が多くなってきました。ボールペンである必要もなくなってきもしました(インクが手に移るなどとあまり言われないようになってきました)。使っているインクは一緒なのですがなぜかはよく分かりませんが。
そんなときに、自分の専門以外の勉強をする必要が出てきました
ここでは、参考書を読みながら講義ノートをとるような形式で勉強したかったので、筆記具を選ばないとエラいことになる、と考え、また、万年筆を選ぶことになりました。
モンブランは、価格もかなり高くなってきていたのでパス。まずはパーカーのDuofoldという大きめのペンを買ってみたのですが、ペン先が固めでガリガリしているのと、インクのタンクがあまり大きくなく、1年ほど使ってその万年筆はお蔵入りとなりました。

インターネットより拝借しました

そんなときに気づいたのがモンブランと双璧、といわれているペリカンの万年筆でした。

いままで使っていたモンブランの万年筆に対応する大きさのものは「スーベレーン 800」というやつらしくお店で握らせてもらって、握った感は問題ありませんでした。
ちょっと帰って落ち着いてから購入しようと思ってネットを見ていたところ、その万年筆の軸が透明のもの(内部の構造が見えるもの;デモンストレーターと呼ばれます)が限定販売で出ていた、ということをきき、これは面白い。お店に問い合わせてももう売れてしまった、とのことでした。
結局ネットで探して別々の所から計2本購入しました。

インターネットより拝借

その後、いまものその万年筆を使っています。
それ以外にも何本か仕入れて、手紙用、強調用、等などで数本で運用しています。

ノートをとって勉強することの大事さと、効率を考える

この方法で5年ほど勉強しました。
ペン先が万年筆専門店のマスターがびっくりするぐらい減ったりしていましたが、非常に書きやすくなっています。

しかし、このやり方だと、読める本が少なくなってきます。
ノートもかなりの冊数になり、基礎的なところは十分にやりきったと思ったので、ノートをとらずに色々な本を(ビジネス系の本だけではなく文芸や人文系の本も)読み出すようになりました。

ここでもやはりノートをとりたくなった。

ここでも読書した内容をどうまとめるかについていろいろ考えることになりました。

まずは紙媒体での読書でしたので、線を引いたり、付箋を貼ったりしていました。
しかしいまいち頭に残りにくいのが難点でした。
何か調べ物をするときは本をめくり返して該当部位を探し…となるので効率的でもありませんでした
さらに、オフィスにそのような本を置いているのですが本を置くスペースがなくなってきました

こんなことから電子書籍を使い出すようになったのです。

電子書籍を使うようになってからハイライトを付けられるし、メモも専用端末でもとれるので(操作性はあまりよくありませんが)満足していましたが、徐々に不満が残るようになってきつつありました。
Evernoteでの読書ノートの保存もはじめ、メモは十分に受け入れる要素ができてきました
メモをとろうとPCを開けたり携帯で打ったりりするのは結構ハードルが高かったのです。
PCの場合は起動まで時間がかかるし、なにせ持ち歩くのに重たいと言うことがネックでした。携帯はフリック入力なんかできないし、いわゆるキーボード配列で入力するのも誤入力が多かったのです。

そこで登場したのがポメラ

このようにたどり着いたデジタル読書。
ここで必要になったのはアウトプットの環境。
簡単にメモをとれて、その内容をEvernoteに流し込むのが簡単だと思われたのがポメラでした。
ポメラを買おうと思ったのは以前にもお話ししたかも知れませんが、産経新聞夕刊で開発者のインタビューが昨年4月末に掲載されていて、それまでも気になっていたのですが、その記事が後押しをしてくれました。
その後の経過は私のnote記事に書いているとおりです。

デジタル読書として、非常にうまく運用できるようになりました。

これからもまだ改善の余地があると思いますので、それは継続的に続けていこうと思っています。

万年筆とポメラの共通性

このように「書く」ことについて振り返ってみると、小理屈野郎はは書く道具に対しての思い入れが非常に強いようです。

万年筆で腕や肩に負担が行かないようにしました。
ポメラで、集中的に入力する環境を整えることができました。

現在は万年筆でノートをとっていたときとは違ったアウトプットのある充実感をえられています

以上のようなことから考えると、ポメラは現代の万年筆、ということができるのではないかと考えます。

ポメラの初号機から現行機種までの変遷は、鉛筆からボールペンや万年筆に至る個人の筆記具の変遷を彷彿とさせるように思います。
現行機種について考えると値段的に見ても、中級~高級万年筆と変わらない価格帯であるし、自分である程度カスタマイズできる(万年筆は使っていると自分の手になじんでくるのと似ています)というところです

また、インク瓶の代わりが、モバイルバッテリーになると思います。

ただし、万年筆のようにポメラのサブ機はさすがに必要なさそうですが。(苦笑)

さらに、この解釈を演繹すればノートPCはミニ書斎や移動オフィス、デスクトップPCは事務所、みたいな感じに考えることができると思います。

まとめ

小理屈野郎の「書く」道具についてアナログ・デジタルにわたって振り返りました。
その上でポメラの立ち位置について思索してみました。
筆記具の変遷、という意味ではアナログなものも、ポメラも同じような変遷を経ていると考えられました。
小理屈野郎的にはポメラは「デジタル空間の万年筆」と考えました。

今後、後継機種発売による機種変更等もあるかも知れませんが、自分の相棒としてポメラを愛用していこうと思いました。

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