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わかりやすい説明が洋服の魅力を高める…のはホント?

こんにちは。スラット是永です。普段は高円寺の古着屋Slatで商品の仕入れを担当しております。



本日は販売員にとって、洋服の魅力をきちんと言語化できる事は良い事である。ただし、注意点もあるよね!という話を書いてみます!


カッコいい!似合う!としか言えない店員さん…

洋服屋さんで接客を受ける際に、私自身が感じる事として「言語化の重要性」があります。

1つの洋服の魅力を、単に「カッコいい!」「サイズが良いですね!」というフレーズだけで乗り切ろうとする販売員は多いように思います。特に古着屋においては、遭遇確率が高めです…

もう一歩踏み込んで、
「なぜカッコいい!のか?」「どういった理由でサイズが良い!と言えるのか?」をきちんと理解し、説明できる言語力を持った販売員はなかなかいません。

洋服の魅力に気づいて、共感してもらうには、
販売員の思考力、言語力が必要です。
それらが商品提案力の底上げをしてくれるのです。


洋服の魅力の言語化

洋服の魅力の言語化は、感覚と知識の狭間を縫う芸術的なコミュニケーションと言えます。それは、服が持つ色彩、形状、質感といった物理的特徴から、それを纏う(まとう)ことで生まれる情緒や、多岐にわたる洋服の持つ無形の価値を、お客様へ伝えることになります。

例えば、

「このリーバイスのジャケットは色がカッコいいですよね!」

よりも、

「このリーバイスのジャケットは、通常とは異なるケミカルウォッシュ加工がされています。80年代のアメリカンウェアのトレンドを象徴するデザインです。それだけ雰囲気もよく、1着あれば他人との差別化もできますよね!」

と説明される方が、洋服の魅力をより実感する事ができます。

言語化能力と経験値

更に言語化の能力は、洋服の理解を深めることに直結します。言語化が上手い人は、漏れなく洋服と接した時間が長い。それだけ洋服と向き合った機会も多いはず。

服を選ぶ際の緻密な基準を持ち合わせていることの証であり、経験値の高さを示すと言えるでしょう。


言語化が上手ければ、魅力は絶対に高まるのか?

しかし、ここには繊細なバランスが要求されます。洋服は、単に物としての存在ではなく、それを着る人々の感性や感情に深く根差しています。

言語化しすぎることで、洋服が持つ曖昧さや着る人の解釈の余地を削ぐこともあるでしょう。

人間の感性は複雑です。わかりやすく説明されれば腑に落ちる感覚はあれど、魅力的に感じるとは限りません。

時には「このコートは雰囲気が良い」という抽象的な表現が、着る人に想像力を掻き立て、より深い魅力を引き出すこともあります。


具体と抽象のバランス

では、具体性と抽象性の線引きはどのように行えば良いのでしょうか。これは、説明する側のセンスが問われます。

個々の顧客の感性を見極め、その人が洋服との対話をどのように望んでいるのかを理解することが大切です。

感性豊かなお客様には抽象的な言い回しを用いて想像を掻き立て、詳細を求めるお客様には具体的な洋服の特性を細やかに伝える。


最終的に洋服の魅力を言語化することは、個人と服との間に成立する「対話」を促進する行為です。それは、時として言葉を超えた感覚を伝えるための手段となり、時として詳細な情報としての役割を果たします。

その調和をどのように取るかは、語る人、つまり販売員の感性と洞察に委ねられているのです。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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