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『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』を観ました。

1969年1月30日にタイムスリップ

午後12時30分頃だったらしいので、ちょうど時差も同じくらいで、イギリスから配信されているものを日本の19時に観ているっていう妄想ができました。

もちろん現実は、半世紀以上前の映像を現代の技術で蘇らせた映像で、ビートルズのメンバーも半分しか生存していない。ビリー・プレストンも生きていない。でも映像作品というよりはライブのように感じられた。なんか生生しさというか、そこに存在しているような映像に感じた。

警官も含めそれぞれが自分の生活や仕事をしていて、騒音を喜ぶ人もいれば迷惑な人もいる。仕事を放棄して屋根に登る人と向かいの建物から必死にカメラを回す人、メンバーそれぞれの反応や表情も含め、予定調和のない遊び心のある映像だった。今回のドキュメンタリーができるまで、悲壮感ただよう終わりに向かう映像のように語られることも多かったが、音楽で繋がる姿、本来のライブ・バンドとしてのビートルズが、現代に蘇り生配信しているような視聴体験だった。ってよりかは、自分がタイムスリップしてそれを観ているかのような没入感があった。結果的にラストライブとなってしまったが、即興感、反骨心、実験的な試みを全員が楽しんでいるかのようだった。多くの曲を演奏したわけではないが、でかいスクリーン、でかい音で観る、はじめてのビートルズがかっこよくて、新鮮さがあって最高の映像作品だったなぁと個人的に思いました。

コロナ以降、気力も起こらず、ライブ関連のイベントに行くこともなくなり、閉じた音楽体験ばかりで、時間の止まったようなものだったように感じる。今だから楽しめる形もどんどん生まれて、それこそ配信インフラも整い、多様なかたちで音楽やエンターテイメントを楽しめるようになってきた。一方で、即興感や時間の共有、観客とのやり取りのような、時にクオリティーを下げるような無駄なやり取りが、歴史に残る感動を創ってきたんだなと改めて感じた。

劇中で警官が何度も、屋上でやる必要はないじゃないかと言っていたように、音は悪くなるし、寒いし、騒音で怒られるし、たしかに無用な行為だったとも思う。ただその不必要が、あの頃の彼らには必要なことだったんだと映像からも感じたし、意味のない行為が感動や歴史をつくるのだ。

合理性や効率、有用性を超えたところに面白さがあるし、発見や感動がうまれる。それを可能にする技術や人気、土壌や許容できる社会が必要だ。あのビートルズでさえ、すべての人に許容されたわけではない。色々な人の協力やコラボレーションでうまれてきたもので、それこそ4人だからうまれてきた作品だったのだろう。ただ、新しいことや実験をやろう。面白いことをやり続けるという信念がポップさを超えてアートやメッセージになり、時代をも超えてこうして色々な切り口、入り口で今も消費し受容できているんだと思う。簡単ではないが、そんな一見不必要で、迷惑にもなるようなことに挑戦していきたいなとあらためて思わせてくれる作品でした。

特典のミニポスター

ポイント感想

  • ジョージが無言でアンプの電源を入れて、やれやれとジョンのアンプの電源もつけなおすところ

  • ビリー・プレストンとリンゴスターってホントいい仕事してるなって、ライブで演奏してるからこそあらためて感じた。

  • 屋上なのに音がいい。もちろん処理がされているのだけど、ストッキングをかぶせたりしていた。M&Sで買ったらしいね。あの頃からあったことにびっくり!結構良く行った。高級寄りのスーパーで、オリジナルの商品が多かった。19時頃にいくと黄色いテープの半額が買えた思い出。

  • I'd like to say "Thank you" on behalf of the group and ourselves and I hope we passed the audition.って有名なセリフがぽんって出てライブが終わるのがかっこいい。ああいう言い回し、イギリスぽいユーモアがやっぱり好きだな。

  • だんだん感想じゃなくなってくるけど、中期後期の曲をライブ版でみてみたかったなとやっぱり思ったりした。

  • オノヨーコのオーラが半端なかった。かっこいい。

  • 所々でてくるこの演奏はアルバム"レット・イット・ビー"に収録されたってテロップがなんか面白く感じるようになった。

もっと色々思ったのに出てこないな。いいもの観たわ〜ってじわーって感じがでかい。終わってしまうってわかっているから切なさとか寂しさを感じる。花火大会ってこんなかんじだよなとも感じた。エンターテイメントに侘しさとカウンター。こういうのが自分は好きなんだ!ってのが詰まっていた。

映画館でみること

公開日に運良く観ることができた。水曜日は映画が安くなるので、公開日の水曜日になんとしても観たかった。0時になった瞬間チケットを買えたので知らなかったが、映画館にはいると満員で驚いた。年齢層は全体的に高めで、落ち着いた感じだったが、僕くらいの20代とか、30,40くらいの方もちらほらいた印象です。僕が着いたときには結構座っていて、真ん中の席に座るまで立ってもらって申し訳なかったです。隣の方が偶然にも若い女性でポテトをパクパク食べてメロンソーダ飲んで音楽にのりながら観てて、なんかすごく好印象でした。ここに来てる人みんながビートルズを好きで観に来てるんだって思ったらこのまま野毛で飲みながら語らいたいぜとか思ったりもしました。人が集まるということが悪いことのように扱われたこの2年間で、はじめて人の多さを嬉しく感じる瞬間でもありました。

期間限定なので迷っていたら是非観てください!猛プッシュ!!


セトリ

"Get Back" (Take 1)
"Get Back" (Take 2)
"Don't Let Me Down" (Take 1)
"I've Got a Feeling" (Take 1)
"One After 909"
"Dig a Pony"

"I've Got a Feeling" (Take 2)
"Don't Let Me Down" (Take 2)
"Get Back" (Take 3)


ビートルズドラフト会議

ビートルズ熱を呼び起こすためにビートルズをドラフト会議を聴き返しました。

こんなことしながら居酒屋で話したりしたいなって、昔の気持ちを思い出しますね。ふぁっきんコロナだな。

やってて楽しい放送で、客観的に聴くとどうだろうと思いましたが、忘れてから客観的に聴いても面白いですね。またドラフト会議をちがうネタでやりたいな〜 それにしても皆さんひねくれてて最高でした。どれが1番いい打順だったのかな??

アルバムランキングも荒れるのでやりたいですね。




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