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ざっくり質問しない

「THE MODERATORS & FACILITATORS」を受講

モデレーター&ファシリテーターの技術を学べる講座「THE MODERATORS & FACILITATORS」を受講しました。

昨年からのオンラインイベントの急増により、社内外でモデレーター(情報整理)&ファシリテーター(会話のハブ)をする回数が増えてきています。

今まで自己流でしてきて、回数を重ねると慣れてきたような感覚も出てくるのですが、多分、勘違いなんだと思います。もっと上手くできるようになる余地は沢山あるはずで、それを探しに受講してみました。詳細は上記の西村さんのnoteに書いてありますが、受講してみてよかったと思っています。(座学は終了しましたが、最後の課題制作が残っているので、まだ終了しているわけではありませんが)

ざっくり質問しない

講座の最初は自己紹介があったのですが、これがモデレーター&ファシリテーター学びのお題の1つにもなっていました。

つまり、「自己紹介をお願いします」とざっくり投げない、ということです。(今まで結構やっていたな…、と反省しました)

ポイントは、条件をつける、ということです。例えば「1分でお願いします」とか、「次の内容(こんな場にしていきたい)を含めて自己紹介ください」などです。

条件をつけることで、相手が答えやすく工夫しやすい質問にする、ということです。これは、自己紹介に限らず、さまざまな場面の「問い」に当てはまることだと思います。

「問い」とは何だろうか

そうなると、「問い」とは何だろうか、と考えたくなります。

「問いのデザイン」という魅力的なタイトルの本があったので、昨年に買って読んでいたことを思い出しました。内容はとてもよいのですが、まだ消化できていないと感じています。けっして難しく書いてあるわけでもないのですが、自分の血肉になるのには一読するだけではダメで、自分の経験を通して体感していかないといけないのだろうな、と思っています。

この本の中に書いてある「問いの7つの基本性質」は下記です。

(1)問いの設定によって、導かれる答えは変わりうる
(2)問いは、思考と感情を刺激する
(3)問いは、集団のコミュニケーションを誘発する
(4)対話を通して問いに向き合う過程で、個人の認識は内省される
(5)対話を通して問に向き合う過程で、集団の関係性は再構築される
(6)問いは、創造的対話のトリガーになる
(7)問いは、創造的対話を通して、新たな別の問いを生み出す

「問いとは何か?」に対して、この本では問いを【人々が創造的対話を通して認識と関係性を編み直すための媒体】と定義しています。

「良い問い」「悪い問い」とは何か

では、問いの良い・悪いとは何でしょうか。これはワークショップにおける良い・悪い問いについての回答例として出ていたものですが、以下のようなことが書かれていました。

【良い問いの条件】
・わかりやすくシンプルな問い
・正解が一つに定まらない問い
・考えていて楽しくなるポジティブな問い
・五感を刺激する問い
・それまでに考えたことのなかった問い
・専門知識がなくても考えられる問い
・参加者の問題意識に合致した問い
など
【悪い問いの例】
・わかりにくく複雑な問い
・YES/NOで答えられる問い
・相手が不快に感じるネガティブな問い
・答えが用意されている誘導的な問い
・専門知識がなければ考えられない問い
・参加者が自分ごとに感じられない問い
など

「自己紹介」を当てはめて考えてみると、誰にとっても良い問いに該当しやすいものになりそうです。だからこそ、多くの場面で自己紹介の時間をアイスブレイクのように使っているのかもしれません。

条件のつけ方の違いで「場の雰囲気」が変わる

ですが、条件のつけ方によって、「場の雰囲気」が大きく変わることにもなりそうです。

まずは、「1人2分で」のように時間設定をして、実際に上手くその範囲に収まることができれば、時間が無駄に流れていっていると感じさせることがなくなります。限られた時間を、効率的に参加者に情報を届けることができます。

また、発言者が何を話せばよいかを迷うことがなくなり、リラックスして発言することができるようになります。また、条件のつけ方により、参加者が「聞きたい話を聞ける」にすることもできます。

自己紹介だけに限らないのであれば、条件のつけ方とは、すなわち「問いをデザインする」ということだと思います。デザイン次第で、参加者全体が「ものの見方をアップデートできる」ような情報を引き出し、それぞれの視点の共有を促すこともできるはずです。

モデレーター・ファシリテーター、またはコーチングなどでも、問いをどうデザインするのかは奥が深く、人によっても大きな差がつく面白い分野なのだと思います。自分はまだまだですが、もっと「問い」をデザインすることを深く学んでみたいと思いました。

THE MODERATORS & FACILITATORS 第6期の募集も始まっています

既に次の期の募集もはじまっているようです。モデレーター&ファシリテーターのスキルを上げることに興味がある方は、受講を検討してみるとよいのではないでしょうか。












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