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マジック・サム、怒涛のライブ!

【過去の投稿です】


●マジック・サム『ライブ1969・ロウ・ブルース!』<ロックビート>(12)

夭折のブルースマン(心臓発作で32歳の時)、マジック・サム。このライブ音源は、亡くなる5ヶ月前のものだ。しかし、演奏には少しも陰りがない。高いヴォルテージは途切れる事なく、はち切れそうな活気が漲っている。

発売以来、本盤に関するレビューは何度か読んだ。必ず触れているのが音質の悪さだ。しかし、誰一人としてそれを否定的要素には上げていない。内容の素晴らしさは損なわれていないのだ。むしろ、雑然とした空気感が生まれ、実際にブルース・クラブに居るかのようなリアリティーを感じる。靄がかかったような音世界を、ギター音が鋭く切り裂く。ギターの際立ちは熱狂を生み、レコードのリスナーも同次元に立つ。

オリジナル曲は5曲。カバーで多いのは、フレディー・キングとB・B・キングの各3曲だ。なるほど、フレディーの“押し”とB・Bの“引き”がマジック・サムの魅力として生きているとも言える。もちろん、それだけに限らず、ボ・ディドリーやジョン・リーフッカー的グルーヴも味わえる。ライブという事で、全般的に乗り重視の姿勢が見える。「ザッツ・オール・アイ・ニード」もテンポアップ気味だ。

せり上がるようなヴォーカルも、この人の魅力なので、こもった音は確かに恨めしい。しかし、冒頭に書いた通り、存分に彼のギター・プレイに酔いしれる事が出来るのは、幸せの極みだ。

♪"I Feel So Good"

♪"That's All I Need"

♪"You Done Last Your Good Thing Now"


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