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不機嫌なジーンを観てメカラウロコが出た話。

最近、改めて自分を見つめ返す時間と
あるドラマとの出会いがリンクした。

気がつけはコロナ禍も慣れたもので
もう2年半が過ぎようとしている。
そして竹内結子が急逝して2年が経った。

だからかな?最近CSで竹内結子の作品の再放送が多いのは。

ずっと30年ほどバンドに夢中だったので
一般的に愛されるエンタメは通って来なかった。
まさにそのど真ん中に活躍していた竹内結子作品はまるで観ていない。
印象に残ってるのがリングとかクリーピー偽りの隣人くらい…どちらもホラーだし
この作品だけじゃ全く以て魅力がわからないではないか…。

そのくらい竹内結子って眩しくて私とは無縁の圧倒的正統派ヒロイン女優だったんですよね。

「不機嫌なジーン」の再放送をやっていた。
2005年の月9のドラマらしい。

私は目玉が飛び出るほど驚いた。
月9とは思えないその素晴らしい脚本に。
これは今の私だから感じる事なのだけど
(なぜなら2005年当時はゴスロリのサブカル女で一般的なことに背を向けていたから)
観ながらあまりの素晴らしい内容にググッてみたらどうやら脚本家大森美香が史上最年少で向田邦子賞を受賞した作品らしい。
す、すごい……。これが向田邦子賞か………。

動物行動学を専攻している大学院生の
留学先での運命の出会いから研究者としての成長と自分のたった1度の人生との向き合い方。めちゃくちゃ心に響いた。

このドラマのテーマの根本には
生物学的に男性は浮気をする。がテーマらしく、
ヒロインの相手役は、教授の南原で内野聖陽が演じていた。内野聖陽と言えばすっかりきのう、何食べたのケンジさんや逆に男気強い坂本龍馬役とかのが強くて、知的で軟派な教授ってのがとても新鮮で今から17年前ってのもあってアラサーの男の魅力色気ダダ漏れで素敵でした。

大人なのにちょいちょい拗ねてみたり可愛かったりする

そして、教授の敵対心から竹内結子(仁子)にちょっかいを出す、元漁師がオダギリジョーでこれもまた若さ溢れるワイルドさが魅力でした。

留学先のイギリスでの南原との運命の出会い、
そして交際した幸せな1年間と別れ
新しい彼と出会うも価値観の違いから上手く行かずどんどん有名教授になってく南原と腐れ縁化していくドタバタな感じと
しょーもない理由で仁子に近づく勝田(オダギリジョー)も仁子と接して行くたびにその人間性に惹かれていくストーリー展開がもう。

仁子の学者としての成長物語も見どころで一気に著名人となった南原教授の翳りのある環境問題の過ちに漁師の勝田が絡んでいたり、それが足枷となりまだまだ学びたい仁子の未来にも関わってくる。
そんなとんでもない物語構成でこんなにも切ない月9あってもいいだろうかとさえ思った。

コミカルが描写もあるとはいえ月9とは思えない重さもあった(月9なめてた)

研究に向き合う真面目な女性の
恋愛での苦悩と研究人生に人生をかける葛藤。
結婚が幸せなのか研究をし続けるのが幸せなのか。
南原との結婚は
女性としての最大な幸せだと思うけど
やはり研究を取り上げてしまうのは…。
南原の過去がなかったら、仁子から研究を取り上げられることはなく、この問題は間違いなくクリア出来るわけて…。
南原みたいな学者じゃなければ、仁子の研究は理解してもらえないだろうし…。(それが原因で南原の次の彼氏とは別れてるし)

どんなに愛し合っても運命的な縁があっても結ばれない事がある。
そんなことをこの物語を通して学びました。
全て受け入れて前に進む勇気。
過去は消せないしもっと学びたかったり自分らしさを押し殺してまで幸せになれるのか
その人生を選んで決めるのはのやっぱり自分だということ。

これ、リアルタイムで見たかった〜(泣)
でもリアルタイムでゴスロリサブカル女が見ても何も響かなかったのかもだけど何か人生が変わっ向上心が芽生えたのかもしれない(汗)

そしてやっぱりこの役を出来るのは
竹内結子しかいなかった。
凛とした知的的な美しさといい意味で女性的(エロい)色気を感じさせない感じ(これ、褒めてます)
それが仁子の欠点でもあり、魅力でもあり。

けどさ竹内結子はもう本当にもういないの?
もったいないよ……。もっと色んな役柄見たかったな…。

あとなんだかんだでこのドラマの小林聡美もめちゃくちゃ良かった。
個性豊かなキャスティングで(もたいまさこも出てた)本当に面白かったこのドラマ
これが向田邦子賞か…。つよい。


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