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ムヒカはタブー。

いい政治とはなんだろう。

なんて、ウルグアイに来てから考えている。
アルゼンチンと同じく10月に大統領選を控えているウルグアイ。食べ物も文化もよく似ているけど、情勢は全く違う。一言で言うと安定している。1999年から起こった経済破綻の後遺症をブラジルもアルゼンチンも克服できないでいるけど、巻き沿いを食らったウルグアイは、他国の資源を狙うでもなく、モノカルチャーに走ってきた自国の経済を反省してすっかり建て直してしまった。


ウルグアイでムヒカさんの話をすると厄介だとアルゼンチンで忠告されたけど、まったくその通り。好きと嫌いと別れるけど、嫌っているのは金持ちだけじゃない。彼の属する現政権は税金も物価も高いわりに社会福祉がイマイチらしい。だけど一応教育も医療も無料で、生活保護もある。この国には必要最小限の設備があって、最低限の権利とサポートが皆にあって、税金はきっちりかかるけど金持ちになる自由があって、同性愛も大麻も受け入れられる度量がある。天然資源が乏しいから億万長者にはなれないけど、その分オイルにまつわるトラブルも少ない。もちろん完ぺきとは言えないし、変えていくべきことはたくさんあるのだろう。農地が多いのにお店の棚を見れば輸入品ばかりだし。住んでみると不満もたくさん出てくる。でもなんだかこの国って豊かに見えるのだ。「日本は豊かだよねー。」とか「ウルグアイは第三国だから。」って言われることがある。
日本は豊かなのか。ウルグアイは第三国なのか。どうなんだろう。第三国ってそもそも何なんだ。


経済破綻から13年間続いた政権が、この国でいま揺らいでいる。「13年何してきたんだ」とか言われちゃったりする現政権(笑)「みんな文句しか言わないから」って、現政権を支持する人たちは言う。
政治に頼る社会じゃ困る、とわたしは思う。人が作る社会ありきのものだから、政治もルールも最小限であってほしい。政治は民主主義の看板を掲げられるけど、結局その中身や維持って、私たちの日々が作っているものだと。

日本大使館からわたし宛に選挙の通知が届いたとちょうと連絡があった。この一票は水に流すことになるけど、わたしもここで見られるものを、ここで聞ける話をたくさん持って帰ろう。

ふむ、いい政治とは難しいもの。


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