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窓際のおっさん33 私が事務処理を苦手とする理由(5/6) 属人化した処理が暴走して

 前回は、テクノロジー等の進化で形骸化した処理が、いつまでも残っていて、仕事の意義や安全性が著しく損なわれている現状を述べた。
 今回は、属人化の中で誤った事務処理が何年も放置され、形骸化などの問題に拍車をかけている実態を、おっさんの体験と共に述べたい。


 前回のCDの件には続きがある。テクノロジーとはまた別の問題であるが、関わっていた当時、マニュアル上のチェック者である課長を嫌っている先輩が、チェックを受けたくないがために、返却されたCDを即シュレッダーしていた。

 本来はルール上誤っているのだが、先輩によって業務が属人化していて、課内でルールを正しく把握する人間がいなくなり、係長も課長も、現状をよく確認せずに正しいものと判断し、ルールがねじ曲がっていた。

 やれやれと思うが、多少手間暇が減っていることと、余計なことを言うと怒られるとも思ったので、おっさんも最初は「シュレッダーで本当にいいんですね?」と一応確認し、そうしてくれと先輩が言うので、シュレッダーすることで合意した。

 この背景において「引き渡し先で処分させても状況は変わらない」とおっさんは気が付いたので、貸し出した先の職員に電話して「CDを返却しなくていいから確実にシュレッダーしてください」とお願いした。

 しかし、この事実を知るや否や、課長を嫌ってCDをシュレッダーした当の本人が係長を引き連れ、カンカンになっておっさんのデスクに来た。

先輩「ルールを守れ!そういうことじゃない!」

おっさん「なんでです? ルールはもうとっくに守られていないじゃないですか。だからせめて、CDの紛失リスクを減らして、同時に手間暇を省いたまでです。」

先輩「CDが戻ってこないんじゃ、無くしたか処分したんだか分らんだろ!」

おっさん「返してもらって、すぐシュレッダーしたなら同じでしょ? そのための3年保存ルールじゃないんですか。
 この数十枚の処分済みのCDはどうなんです? こっちで確かに受領した証拠が一つも残ってませんよ? 情報漏洩が後で判明したら、どう弁解するんですかね?今更ですよね?」

先輩「こっちは情報を提供してやってる立場なんだ、きちんとCDを返しに来るように指導しろ!」

おっさん「またその話ですか?
 水道がバカにされてるんですよその物言いで。論点がずれちゃってるし。
 先輩が課長と話をしたくないとかいう変な理由で、ルールを守らないだけでしょ? 全部責任を俺に押し付けて。
 一方で一番安全な方法を考えようとも認めようともしないし。
 そんで後輩や庁内の同じ仲間には大声で怒って、どうでもいい形式だけ守らせようとする。いつもCD受け渡しやってて、苦情を貰うのは俺なんですけどね?

先輩「CDが帰ってくればこっちの責任にならないんだ!無くしてなければ罪に問われない!」

おっさん「何を言っているんです? 無くなったらどっちも責任とるに決まってるじゃないですか? 状況確認されたらむしろこっちのが非が大きいんじゃないですか?
 それにそうやって大声ばかり出して感情的になるのも、ただのパワハラじゃないですか?

先輩「責任はない!!」

おっさん「責任はあります。話通じませんね。。。
 処理自体が形骸化している上に、現状、情報事故発生時の担保もないわけですから、これぐらいの工夫をしないと危なくてやってけませんよ。
 他所の部署では職員同士でのやりとりは、記録は残してもCDは使いませんよ?
 USB禁止されてますけど、それと同じ理屈ですからね。」

先輩「CDでやり取りするっていうルールだろ!」

おっさん「じゃあ課長に行って、毎度チェックを貰う体制にもどしましょうよ。それもルールでしょう? チェック受ければ多少は責任が軽くなりますよ? 根本的にはダメなルールですけどね。改めて今後そうなさいますか?」

先輩「あsdfghjkl!!!」

 何やら大声をあげて怒って出て行ってしまった。流石に付き合いきれず、おっさんはこの日、早退することにした。

 事務処理が属人化してチェック機能が無くなり、担当者のわがままだけを吸い上げた危険なやり方が常態化する。
 一方でそのルールの脆弱性を他の人がカバーしようとしたり、ルールはルールとして尊重しようと本来のやり方に戻そうとすると、カンカンになって怒られる。

 現場の実作業でこんなことやったら、事故るか、欠工事でアウトになるだけなんだが、事務処理だとこういう蛮行が普通に発生する。


 誠に事務は制御不能で、ストレスフルで、おっさんは苦手としている。

次回に続く

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