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平均的な東大理一のB1が,1年間で読んだ学術書と学んだ分野を語る

はじめに

こんにちは,こんそめ大法官です.

僕は2023年の4月に東京大学理科一類に入学しました.

勉強が割と好きで大学に入ったので,入学してからもちょこちょこ勉強していたのですが,その中でずっと

「どの学年の時点でどれくらいの内容を勉強していればいいんだろう」

という疑問を抱えていました.

もちろん学ぶべき分野も深さも人によるとしか言えないですが,それでもある程度目安は欲しいものです.

そこで,東大生の中で平均的な位置にいる(入試は合格者平均ぐらい,基本平均点は現時点で79点)と思われる僕が学んだ分野について書くことで,未来の大学生に多少の指針を残しておきたいと思います.

ただ僕は数学と物理学が特に好きで,生物学や工学にはあまり興味がないので,前者に偏りがあります.それも考慮したうえで参考にしていただければ幸いです.

この記事では,理系分野→文系分野という順番で書いていきます.


理系分野

数学

・線型代数学
ベクトル空間や線型写像が行列で表現できるみたいな話は面白かったですが,その他はあんまり面白く感じませんでした.

行列と行列式,対角化,ベクトル空間あたりは後述する教科書をちゃんと読みました.Jordan標準形とか2次形式みたいな話はやる気が出なさすぎたのでさらっとだけ学びました.

教科書は長岡亮介 線型代数入門講義という本を使い,15章くらいまで読みました.この本の演習は解いてないですが正直解かなくても良いと思います.

後に必ず必要になる分野らしいので,もう一段階詳しい教科書で学ぶべきだろうなーと思っています.

・微分積分学
杉浦解析とか解析概論みたいなちゃんとした解析学は学んでないです.(興味はあるのでそのうち読む)

実数の連続性,ε-δ論法,多変数関数の微分と積分あたりを勉強しました.

教科書は数研出版の大学教養 微分積分という本を使い,全部読みました.演習は解いてないですが,本当は解いたほうが良いと思います.最近読み終わったばっかりなので次はちゃんとした解析の本に進みたいですね.

・集合論
写像や集合に関する基本的な概念(全単射,選択公理,集合の濃度,Zornの補題など)を勉強しました.抽象的な話が多く,数学を勉強しているなあという感じがして面白かったです.

教科書は松坂さんの集合・位相入門を使い,集合の部分は全部読みました.
演習は解いてないですが,解いたほうが良いと思います.解かなきゃ…

位相空間論も学びたいですね.

・統計学
大学の講義で記述統計と簡単な推定統計を勉強しました.大数の法則と中心局,正規分布,二項分布,カイ二乗分布,z分布,t分布あたりとこれらの仮説検定,信頼区間を軽く学びました.

講義で勉強したので教科書は使ってないです.講義はわかりやすかったけど統計学自体があまり面白く感じなかったな…

・代数学
雪江代数の1巻と2巻を買いました.積んでしまってごめんなさい.

物理学

・力学
大学の講義でしかやってない上に,その講義も高校物理+αくらいのものだったので,新しく学んだことはほぼないです.強いて言えば,減衰振動と強制振動,剛体の扱いくらいです.

・熱力学
大学の講義を受けたのと,講義で教科書として指定されていた田崎熱力学を7章まで読みました.演習も解きましたが,自力では全然解けないものばかりだったので,解答を読みつつ理解するくらいの感じです.

熱力学はB1で受けた授業の中で1番面白かったです.そもそも熱力学が面白いのと,授業の中で話される熱力学に関する雑談がかなり面白く,勉強のモチベーションはかなり高かったです.講義担当は池上高志先生(https://www.sacral.c.u-tokyo.ac.jp/)です.暇な人は授業を潜ってみたりしても面白いかもしれません.

・電磁気学
大学の講義を受けたのと,講義で教科書として指定されていたマクスウェル方程式から始める電磁気学という本を全部読み,演習もほぼ全部解きました.この本はかなりわかりやすく書かれており,電磁気学の足がかりとするにはかなり良かったです.

学んだ内容としては初歩的なベクトル解析,Maxwell方程式,Poisson方程式,および種々の条件下でこれらを解いていくこと,波動方程式などです.

・量子化学
大学の講義で初歩的な部分だけを勉強しました.Schrödinger方程式,井戸型ポテンシャル,平均場近似,変分法,エネルギーダイアグラムあたりをやりました.

講義で勉強したので教科書は使ってないです.解析力学や量子力学に興味を持ったのでそのうち勉強したいです.


文系分野

言語

・ロシア語
大学の第二外国語として選択したのに加え,追加で多く履修していたため,1年前期は週に5コマ,1年後期は週に3コマ分でした.

文法の授業ではロシア語をはじめようという指定教科書を使い,加えて個人的に購入したNHKのロシア語文法の本を辞書的に使っていました.
追加で取った授業はネイティブの先生による会話練習中心の授業だったので,学んだ内容を言語化するのはちょっと難しいです.

文法事項としては初級文法を一通り(格変化,定動詞と不定動詞,完了体と不完了体,比較級,仮定法,関係代名詞,分詞など)を学び,おそらく覚えた語彙数は1000単語弱くらいです.

・オランダ語
オランダの音楽に興味があったので,ニューエクスプレスのオランダ語を夏休みに半分くらいまで読みました.半年以上触れてないので正直もう覚えていません.いつかまたやります.

科学論

・科学哲学
大学の講義で勉強したのと,加えて個人的に野家啓一の『科学哲学への招待』と,ソーカルの『「知」の欺瞞』を読みました.「知」の欺瞞は読んでいてすごく痛快でしたが,自分と同じ意見の本を読んで気持ち良くなるのはあまり健全ではない気がして深入りしないようにしました.

論理経験主義,反証可能性,パラダイム論,リサーチプログラム論,アナキズム科学論,科学社会学,科学人類学など科学哲学における基本的な概念を学びました.

講義でたくさん本が紹介されていたので,もっと深く学びたいです.

・科学史
大学の講義で勉強しました.教科書は使ってないです.

ギリシア科学から近代科学成立までの流れをざっと勉強しました.

コペルニクス,ガリレイ,デカルトあたりで急激に近代科学が成立していく様子が面白かったです.科学哲学で対象とされることが多いのもこのあたりの科学からだと思います.


おわりに

こうやってリストアップするととんでもない量勉強しているように見えますね.とはいえ講義で勉強しただけのものも結構入っているので,講義を受けて試験勉強をちゃんとしていればこれくらいにはなると思います.
B2を終えた段階でもまた書きます.

ここまで読んでくれてありがとうございました.

俺に本を買わせてくれ.