朝にナイフ

夢の中の砂漠 捌く小さな珍し小鳥
うつくしくともたり前た血しぶき
声より高らか、色で啼く

ボクに羽が生える想像をす
いつまでたっても飛べぬから
偽物だと疑い剥ぎ取ると羽は独りでに飛び立つのだろう

ナイフよりもするどく
今朝のパンよりもやわらかい
かおをして
とてもよろこぶふりをする
君にサテンの青いリボンをゆわく
消して縛り付けたいわけじゃない
次の季節が怖いんだ
そばにいないでくれ
僕はナイフ


なにもできぬフリをする 馬鹿をやるのは凄く楽 酷く魘され夢から醒める
好きな音楽ができたのよ私

ボクに足が生える想像をす
いつかあの砂漠にいくんだ
初めて会う女の子にりんごを食わせ
無理やりにお姫様に仕立てようか

ナイフよりもするどく
今朝のパンよりもやわらかい
かおをして
とてもかなしむふりをする
君と魚と青と僕
消して諭し寝かしたいわけじゃない
次の季節が怖いんだ
そばにいないでくれ
僕は人魚




久遠の丘で 色も性別も国も関係ない
まるくてやわい生き物になりたい
自由を叫ぶと
ボクより先には誰も死なぬ天国を見つけた




ボクに羽が生える想像をす
いつまでたっても飛べぬから
偽物だと疑い剥ぎ取ると羽は独りでに飛び立つのだろう

ナイフよりもやわらかく
今朝のパンよりもこわばった
かおをして
とても忙しないふりをする
君にサテンの青いリボンをゆわく
消して縛り付けたいわけじゃない
次の季節を受け入れる
そばにいてくれるかい
僕はナイフ

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