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線は続くよどこまでも

ずっと楽しみにしていたCreepy Nutsのライブを見に行った。
Creepy Nutsとはヒップホップアーティストで、
最近はテレビやドラマ、映画にも出ている人気者二人組である。

なかなか足を運べていない私にとっては年に一度の恒例イベントになってしまっているが、
去年の今頃私は丁度転職前の狭間で、元彼の浮気も発覚前の
「どん底をまだ見ぬ」能天気な時分だった。
人生の修羅場を潜り抜けて何事も無かったかのようにまたライブを見に来れているのだから、1年というのはそれ程までに大きい。

趣味が狭い私には胸を張って好きだと言えるアーティストはCreepy Nutsくらいしかおらず、ライブは大変貴重であるが
音楽とは不思議なもので、集中して聞けば聞くほど色々な思い出が駆け巡っていく。
曲によって大学時代を思い出したり、去年の今頃を振り返ったり。
別にテーマを決めているわけでもないが、今回のライブではふと人生の線を思い浮かべた。
以下何度もCreepy Nutsという単語が出てくるので、クリピと略すことをお許しいただきたい。

何度か話しているかもしれないが、
私がクリピを知ったのは、まごう事なくオードリーのANNである。
今でこそ純粋にクリピが大好きだが、最初の頃は
「オードリーが好きなクリピが好き」という邪な気持ちが混じっていたと思う。
それでも気づけば大阪から名古屋までクリピを見に飛んで行ったり、
小さなライブハウスにひとりで見に行ったり、
いつの間にか独立した趣味として好きになっていた。

オードリーのラジオを聴いていなければ、私はクリピのことをもう少し後に好きになっていたかもしれないし、入り口が無ければもしかすると好きになっていなかったかもしれない。

では私が何故ラジオを聴いていたかというと、
勿論オードリーはずっと好きだが、オードリーのラジオが始まる前から
FMラジオや大阪のお笑いラジオを聴いていたからである。
私がラジオを聞く環境で育っていなければ、
もしかすると好きな芸人でもテレビばかり見ていたかもしれない。

趣味は生活環境に通じるのだ。

FMラジオは母親がずっと聴いていて、
投稿して時々読まれたりしていた。

私も真似して読まれて、
それをきっかけにお笑いのラジオ番組ではハガキ職人と言っても良いくらい
毎日のように投稿しては読まれますようにと祈ったものである。
そういえば、別のお笑い芸人であるGAGを好きになったのも、
大阪のラジオ番組がきっかけである。

こうして線は枝分かれになり、枝分かれをすればするほど豊かな木となる。
それが人生だ。

丁度数週間前にオードリーが「人生を点として見るか、線として見るか」という話をしていたのでそれを脳のどこかで覚えていたのだろう。
だけど毎日をただ生きている私は、線であることを時々忘れてしまう。

勿論今日のライブ中、曲も聞かずに人生を問うていたわけではない。
R指定さんの機敏な動きまでチェックしていたし、
DJ松永さんの指先まで食い入るように見ていたつもりである。

音や匂いに集中すると、ふと考え事をしてしまうことがある。
今日は、人生が線であることを思い出した。
ライブは最高にカッコ良かった。
余韻だけでご飯食べれるくらい最高だった。

帰り道、友達と思い出の写真を撮っていたら
通りすがりのファンの人が私たちの写真を撮ってくれた。
写真を見返していると、私の持っているグッズタオルが上下逆だった。

こんな1日が、他のどこかの1日に繋がっているのである。

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