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昔、身バレした話

昨日ラジオについて書いたばかりだが、それをきっかけにふと思い出したことがあった。

前の記事に「昔からラジオを聴いて育っていた」というようなことを記したが、
聴くに飽き足らず、ラジオを投稿し始めたのもかなり早かったと記憶する。
恐らく小学生高学年くらいには、FM802(関西の有名音楽ラジオ番組)に投稿していたのでは無いだろうか。

実は母もまたハガキ職人であったので、ラジオに投稿するきっかけは容易かった。
もっと遡れば母に促され、小学1年生の時に新聞社に作文を投稿したりもしていたので、最早コンテンツ投稿の英才教育ともいえる。

今でも似た傾向があるが、私はあまり多くの番組を聴くわけではない。
確かにいっとき片っ端からオールナイトニッポンを聴いていた時期もあったが、
元来、一度気にいるとその番組ばかり聴くタイプである。
ハガキ職人(初期)、私のお気に入りは土曜のお昼にやっていたマーキーさんの番組だった。
マーキーさんの番組は音楽をリクエストしたり、今週のテーマに沿って投稿したりする番組で、
当時流行りの曲に詳しかったのは間違いなくこのおかげである。

マーキーさんの番組は、コーナーの優秀賞を獲ると番組オリジナルグッズが貰えて、それは私の楽しみだった。
コーナーのグッズは変わる度に手に入れていたし、以降お笑い番組に対するハガキ職人熱に繋がる原点だったともいえた。

小学生の時に始めたラジオ投稿は、中学になっても続いた。
中学生で思春期真っ只中だった私は、学校に行ってもずっと本を読んでいるような拗らせ女子になった。
学校がそんな感じなので、ラジオで投稿が採用されるのはより一層の楽しみになった。
中学ではあまり話せない私だけど、不特定多数の人に話ができる。
ラジオは私の社会の一部だったのだ。

そんな社会の一部が、瞬く間に崩壊した。
中学2年生の時だっただろうか。
3年生の担任をしている先生に
「木ノ実さんって、FM802に投稿してる?」と突然聞かれたのだ。

青天の霹靂!である。

動揺していると、先生は続けた。
「クラスの生徒が、木ノ実さんっぽい投稿を聴いたって言ってて」

これは超絶反省しているが、
子供の私はまだ未熟で、身バレみたいな意識が今より薄かった。
その時たまたま、結構珍しい境遇である話をしてしまって、その境遇を知っている生徒が聴いてしまったのだ。
先生も先生だ。黙ってくれてても良いじゃない。
でも、知らなければもっと恥を晒す羽目になっていたかもしれない。
あの時何が正しかったのか、大人になっても分からない。

考えてみればそりゃあそうだ。
不特定多数ということは、知らない人の中に知っている人が入っている可能性がある。
しかも私はまあまあ覚えやすいラジオネームで投稿していた為、
次回以降も気付かれてしまう可能性があった。

悲しいかな、
思春期の私は一瞬にして、ラジオというズブズブに足を踏み入れていたコミュニティから脱退してしまった。
音楽より何より投稿が好きだった私は、それ以降FM802をほとんど聴いていない。
結局またお笑いラジオ番組に出会って投稿を再開するのだが、もう少し後の話である。

身バレは怖い。
変なラジオネームやペンネームを付けていると余計に怖い。
自分が作り上げた社会が一瞬にして崩壊することがあるので、
それ以降身バレには慎重である。

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