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大どんでん返し

小説を買うかどうか悩んだ時に、
一番最後のページを眺めてから決めることがある。

これは本来読書におけるタブーであり、
いわゆる『ネタバレ』だ。

私はネタバレに対して寛大という訳では無く、
小説のみ例外として許されている。

一説に、小説は冒頭とラストが決まれば完成したようなものだと聞く。
勿論裏表紙にあるあらすじを読んで決めることが多いのだけど、
どうしても買う本に悩んだ時、決勝戦的なもので審査するのがラストである。
因みに本当に最後の1ページしか覗かなければ、
余程極端な話で無い限り楽しみが奪われることは少ないので、
そこまでの緊張感は無い。

だけど私はそこで『結末』を確認したい訳では無い。
「どういう感じの文章か」「後味は如何なものか」
程度に作者の書く本の味見をしたいだけである。
うっかり話のミソになる部分を踏んでしまった時には頭を抱える。
ラスト5ページでどんでん返し!とか帯に書いてある本は
絶対に実行しない。


ところで、この文章を読んでる皆様は
ネタバレは許容だろうか、それとも否か。

私はこう見えて断固拒否派である。
正直、滅茶苦茶気になっているサスペンス映画があったとしても、
犯人が分かったら多分見に行かない。
なんならサスペンスじゃ無くても、
主人公の恋が報われるかどうか教えられても
随分と足取りは重くなると思う。
そんなことで心が折れるのも情けない話ではあるが、
それ込みで見るなら家で見れるまで待ってしまう。

まあ何故かというと、
見ている間に頭をぐるぐる動かしたいからだ。
自分の見解を出すのが好きなのだ。
映画のオチは答えである。
問題あっての答えである。

ところで、知人にはネタバレ大歓迎な強者がいる。
週刊漫画誌を購入する前に、
わざわざネットでネタバレを調べてから漫画を買うというのだ。
自ら。解せない。

本人曰く、
「誰よりも早く内容を知りたい」
「過程にこだわりが無い」
という、何とも私とは真逆な意見が放たれた。

因みに代表的テーマ『Mー1の優勝者知っても後から見るかどうか』を尋ねても、
「見れる」とのことだった。
私はお笑い大好きだが、
結果を知ってしまうとどうにも録画再生の腰が重くなってしまう。

ちょっと待って。
なんだか違和感が無いだろうか。
ネタバレしたら楽しみが半減する人と、
ネタバレしても楽しめる人。

言葉の響き的に、後者の方が偉く感じるでは無いか。

私は「問題」ありきで「答え」を見出しているのであって、
知人は「答え」ありきで「問題」を作っている。

後者は寧ろ、より良い問題を作る余裕まで生み出す可能性もある。
(例えば、ここで坂を登ったから犯人はアリバイが出来たのか、とか
犯人を知っているから気付くこともある訳だ)

ところで上記文章を読んで慌てている同志には落ち着いて欲しい。
私はこの文章を書きながらも尚、
ネタバレを踏んで映画館に行く気が微塵も生まれていない。

ネタバレを許容するか、否か。
答えは揺らがない、否である。

2回観れば良いのだ。
この世は良いとこ取り。
芸術は、見れば見るほど味が出る。
少しズルイ書き方をしてしまったけれど、
私は第三の選択肢を作ることで、
この問題が、漸く附に落ちたのである。


PS,皆さんはネタバレ許容か否か、良ければ是非教えてください。


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