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【事例紹介】家業を閉じる父へ、娘夫婦からの贈り物。 #このひだより

こんにちは。「このひより」のウィルソンです。あっという間に年が明け、私たち「このひより」としても、正式版のリリースという大きな節目を迎えることができました。

今回は、昨年の秋頃から作っていた本の事例紹介のお知らせです。

ご依頼くださったのは、宮崎県に住む有紀さん・陽一郎さんご夫妻です。同じく宮崎県内で自動車工場を営んでいる有紀さんのお父さん、裕三さんへの退職の贈り物としてインタビューを選んでくれました。

このひよりでは、基本的に「対面取材」をお願いしています。実際に思い出深い場所を見せていただいたりしながら、同席する贈り手との空気感なども含めて本に残すためです。ただ、今回はインタビュー場所が遠方であったこと、工場が閉まるタイミングに合わせてインタビューを行いたかったことなどから、試験的にオンラインでのインタビューを試みました。

今後も正式版としてオンラインでのインタビューを採用するかは、ご依頼のタイミングやシチュエーションによって決めたいと思っています。ぜひ、遠方の方も一度ご相談いただければ幸いです。

父の人生と親子の対話をのこす本

今回の本は、裕三さんの記憶を、時間軸に沿って人生を追いかける形で作成しました。工場がある土地にまつわる幼少期の思い出や家族の話から始まり、就職した頃、家業を継いで自動車工場に戻ってきたときなど、裕三さん自身の「語り」で全体を構成しています。

 本当は高校を卒業したら、すぐにでも仕事がしたかったんです。車にも興味があったし、すぐに整備したいなと思って。でも、資格があった方がいいからっていうことで、取るためには専門学校に行けっちゅうことでね。親父がどうしてもって。
 僕は行く気がなかったんですけど、高校の担任が「今回ぐらいは親の言うこと聞いてやれ」っちゅうことで、しぶしぶ福岡の専門学校に行ったんですよ。

−−“第1章 父の背中を見ていた子ども時代” より

そして、もうひとつ、娘である有紀さんとの「対話」の章も入れさせていただきました。当日のおふたりの会話がとても穏やかで、今だからこそ交わし合えた言葉をそのまま残しておきたいと思ったからです。また、本の終わりにあるエピローグでは、贈り手のひとりであり、義理の息子にあたる陽一郎さんにも登場していただき、改めて家族からの「おつかれさま」を伝える本としてまとめることに。

詳しい内容や当日の雰囲気は、こちらの事例紹介からどうぞご覧ください。

できあがった本を裕三さんに渡した陽一郎さんからは、こんな嬉しいメッセージも。

少し照れながら受け取ってくれ、恥ずかしいとも嬉しそうともとれる表情でページを開く姿が印象的でした。自分たちも改めて拝読させていただきましたが、天候や空気感まで蘇るような瑞々しい言葉で綴られ、この本を開く度にあの日のことを鮮明に思い出すのだろうと感じました。

これから時間が過ぎて行くほど、義父の工場で働く姿や言葉が懐かしく蘇ることと思います。今となっては二度と帰ってこない働く義父の姿をこのような形で残すことができたことを本当に嬉しく思います。

親子で仕事の話を改めてするという場は、なかなか持つことができないように思います。幼かった自分が見ていた親の姿と、大人になって自分自身も家庭や仕事を持ってから聞く話は、また違う意味合いを持つかもしれません。

インタビュー中、裕三さんも「無事に閉じられてホッとしている」と何度もおっしゃっていて、改めてこのタイミングでの安堵の気持ちを文章にさせていただけてよかった!と思ったご依頼でした。

さまざまな事例を知っていただくなかで、「自分だったら、こんな場面で贈りたいな」とイメージを膨らませていただければ嬉しいです。

(執筆:ウィルソン麻菜)


「大切な記憶を、言葉に。」

一緒につくる、インタビューギフト『このひより』は、 大切な人の忘れたくない記憶を言葉にし、本として贈るサービスです。大切な子どもの出産、結婚するふたりの馴れ初めから、退職をする親への贈り物として……。さまざまなインタビューを、オーダーメイドの文章にしてのこします。

詳細・お問合せは、こちらからお気軽にどうぞ。
mail: contact@konohiyori.com

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