十谷あとり
長く抱え続けてきた痛みについて、痛みがどこから来て、何を教えてくれるのかについて考える。痛みと向き合うために始めた太極拳とヨガについて書く。
愉しみと歌を作りて友一人もしくは二人よろこべば足る 玉城徹 『蒼耳』
土曜日は給食がない。母は出勤する時わたしの昼食までは準備しなかったから、冷蔵庫にすぐ食べ…
自分の身体の中、横隔膜のあたりに、小さい子がいると仮想している。過去の自分によく似た、三…
同年代のこどもたちがさっさと「こまなしの自転車」(補助輪を外した自転車のことをそう呼んで…
道を歩いていると、向こうから人が歩いてくる。その向こうから歩いてきた人をうまく避けられな…
この文章を読んでわたしはうれしくなった。どんな歌がよい歌なのか、明確な見分け方を教えても…
「社会人として週5日なら週5日働く中で、絵を描いたり詩や文章を書いたりを続けているわけだ…
長い間、競馬中継を見られなかった。 わたしがこどもだった頃、父は麻雀と競馬に耽溺していた…
随分前のこと、「徹子の部屋」のゲストに人形作家の与勇輝さんが招かれたことがあった。与さん…
青い鳥はTシャツの胸に描かれて足ふとぶとと地を踏みて立つ 螺旋綴じから一枚ちぎりとるとき…
開け放した窓の木枠の黒ずみに十月のひかり斜交ひに射す 部屋ぬちを跳ねまはりつつ戻り来ぬボ…
大野晋編『古典基礎語辞典』*を買えた時はうれしかった。載っていることばの数こそ少な目かも…
アディクション関連の本を読むのは本当は苦しい。本に載っているクライアントたちの体験を目に…
初心の頃は一首一首の歌に期待する気持ちがすごく強かった。何が起きるんだろう、何が書いてあ…
父の記憶を整理しようとすると、身体のうちを砂まじりの風が吹くように感じる。 十年ほど音信…
母方の祖父のことは少し覚えている。母に連れられて祖母の家に行くと、祖父もいた。わたしが覚…
短歌を書こう、学ぼうと結社に入った時は、現代仮名遣いで歌を発表していた。定型にあてはめて…