せめて肩の力を抜いて、虚心に、ことば通りに読もう
初心の頃は一首一首の歌に期待する気持ちがすごく強かった。何が起きるんだろう、何が書いてあるんだろうと期待して、上からだんだん読み下ろしてゆき、思いがけない表現に出くわしてびっくりしたり、どきどきしたり、美しさに目が眩んだりした。感動した分打ちのめされて、歌を書こうなどとしなければよかったと思ったりした。あるいは期待しすぎて一人勝手に失望することもあった。なんでこの歌はこんな終わり方をするんだろうとか、このことばが違うものだったらいいのにとか、何でこんなに落ち着きはらって終始静