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35 結婚したい女たち 告白

「一花ちゃん」
と実紀の優しい声が響いた。
殺人未遂という恐ろしい罪を語ったというのに一花を見る実紀の眼差しは温かいままだ。どんな自分でも受け入れてもらえると思えるほどに実紀から息子を落としたことを非難する気配は感じられない。そんな見守るような実紀の存在に安心した一花は、
(この人になら何でも言える)
と自分を止められなくなった。いや止めたくなかった。すべてを吐き出したくなって更なる罪を告白した。

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