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【怖い?】明晰夢は危険なのか?リスク、注意について

 明晰夢の危険性の評価については意見が分かれるようです。

明晰夢を扱った最も古典的で有名な書籍の一つであるスティーヴン・ラバージ 著『明晰夢 夢見の技法』(大林 正博 訳  春秋社)には「第6章  明晰夢の習得」や「第7章  実践的な夢見――明晰夢を応用する」といった章はあり、その第7章には「癒やしの夢」「創造的な問題解決」「願望実現」などの話題が扱われています。

しかし明晰夢の危険性、副作用については一章が設けられて語られているわけではありません。 

ネット上で検索してみても、危険性についてはほとんど触れられていないか、触れられていてもそれほど気にされてはいないようです。
むしろ明晰夢は興味深くポジティブなものであり、場合によってはスピリチュアルなものという主張の方が多い印象です。


 私自身は、そのような風潮よりもリスクを気にしています。
ちなみにこの瞑想する人noteでは、明晰夢への言及はしばしばありますが、これを重視しているわけではありません。
今後も重視することはないと思います。

関連note:夢や明晰夢について ↓ ↓

記憶の混乱には困った

 私自身の体験で、一番困ったと感じたのが記憶の混乱です。
明晰夢を上手く活用できずメリットをあまり感じなかったことに加えて、この記憶の混乱が直接的な原因となり、私は興味を失いました。

文字通り「現実の世界」の過去の記憶と、「明晰夢の世界」で経験したことの記憶が入り乱れたりして混乱するのです。

ひょっとすると記憶力が優れている人の場合には、こういった混乱は無いのかもしれませんが、しかし明晰夢経験者にはしばしばあるようです。


「現実と睡眠中の夢を区別できなくなるなんて信じがたい。睡眠障害?」と思う人もいるかもしれませんが、体験しないと実感がわきにくいものなのですが、それは普通の夢の場合です。
通常の夢なら記憶や印象には長く強く残らないです。

しかし明晰夢は、、特に質の良いもの、は違います。鮮明リアルな体験です。
かつ自覚的意識を保てます。この自覚的意識の明瞭さにも明晰夢の質によって程度があります。


 場合によっては何か脳の活動、ドーパミンか何かが関わっているのかもしれませんが、覚醒時の現実世界よりもキラキラしていることがあります。
なんとなく『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『君の名は。』などがある新海誠 監督による映像作品の映像美を連想させるようなものがあります。

イメージを思い描くのが苦手な人なら、初めての明晰夢の中で葉っぱや、木の幹などの複雑な模様をまじまじと見て、触って触感を確かめて、そして「これが自分の脳が作り出したイメージの世界なのか!?」と驚く人もいると思います。


 このように覚醒時の現実なみに鮮明リアルであり、現実と同じように自覚的意識、意志、思考力を働かせることができます。
さらに脳の機能・活動的な仕組みなのかもしれませんが、睡眠から覚めた後も普通の夢よりも記憶に残りやすく感じます。


これらのことから記憶が混乱することがあるのです。

明晰夢を夢であるとしっかりと認識していたとしても、後から振り返る時に「あれ?あれは現実のことだったかな?それとも夢の中でのことだったかな?」と曖昧になり混乱することがあるのです。


夢と現実がごちゃ混ぜに!?

 困ることは記憶の混乱だけではないようです。明晰夢でもっと怖い体験談があるようです。
現実と夢を区別する認識力がどうかなってしまうような体験です。↓↓

YouTube:「夢と現実が…明晰夢を見続けた男の末路 よしログ」

夢日記をつけていたら明晰夢を見ることができるようになり、面白くなって見続けていたら、悪夢を見るようになり、さらに「多重夢」や夢と現実が分からなくなるような怖い体験をしたそうです。

私はここまで酷い体験はないです。こうなる前に明晰夢を意図的に見ようとするのは止めました。
しかしこれに近いとも言えるような体験はあります。

夢の中で、どうしてもこれが夢だと確信が持てなくて「これは夢なの!?ひょっとしたら現実なんじゃないの!?」と混乱した体験です。↓↓

明晰夢はある種のマニアックなヨガやチベット密教などでは、修行として行われることもあるようです。
夢ヨーガ、夢見のヨガ、ミラムなどと呼ばれています。

宗教的、神秘的な修行においては、夢と現実が混乱するほどの実践が役立つことがあるのかもしれませんが、一般現実社会を生きる大部分の人によっては当然のことながらリスクになるでしょう。

興味深いブログ記事を見つけました。

参考:「ドリーム・ヨガ:夢を使った修行法」(スピリチャルでアートな日々、時々読書 NY編)

やはり明晰夢にどっぶりと浸るのはリスクがあると思われます。気を付けましょう。


楽天ROOM:【本】夢・明晰夢・臨死体験・体外離脱など


他にも。金縛りなど。

 明晰夢の副作用、注意点については、他にもあります。

まず睡眠の質に悪影響を与える可能性があります。
何か普通の睡眠とは違ったことが脳・神経生理において生じているからこそ、明晰夢が生じると考えられます。

通常の夢見では休んでいる脳部位が、明晰夢では活動しているなどの研究があるようです。
他にはドーパミンなどの脳内物質にも違いがあるだろうと思われます。

これらのことから睡眠の質が低下したり、疲労につながるといったことがあるかもしれません。


 睡眠障害のリスクとも関係があるかもしれません。
私は明晰夢を見ようとする実践において金縛りをしばしば経験しました。

上で紹介した動画の内容にも関係しますが夢遊病のリスクにも関係するかもしれません。

関連note:明晰夢、体外離脱体験(OBE)が生じやすいタイミング  ↓ ↓

ナルコレプシー、夢遊病などの睡眠障害、統合失調症、ある種の精神的、脳・神経的な疾患がある場合には、明晰夢を見ようとすることは避けた方が良いと言われることがあります。


対処法はあるのか?

 記憶の混乱など注意点を述べてきましたが、これらへの対処法はあるのでしょうか?

単刀直入にいうと現時点では私は「対処法は無い」と考えています。

明晰夢を見る以上は、特に意図的にしかも頻繁に見る場合には、対処するの難しいと思います。


なので明晰夢のリスクを避けるためには、そもそも見ないようにするというのが唯一の方法であると考えています。


 明晰夢を見ようとする努力が成果をあげて一度、もしくは何回か経験すると脳神経の配線に定着するのか、少し意識をするだけで見るようになったり、意図しないのに自然に見るようになったりもします。

一般的には一部の素質体質の人は除いて、意図しないと明晰夢は体験しにくくなります。

明晰夢にリスクを感じた場合には、見ようと意図しなければ良いです。
通常の夢を含めて、夢自体に関心を持つのを止めます。夢日記なども止めます。

自然に明晰夢を見た場合には、その世界に関心を持たないで意識を集中させないようにします。
触覚など感覚をあまり働かせないようにして、受け流すようにします。

また夢の身体の感覚ではなくて、眠っている現実の身体の感覚を呼び起こすようにすると目覚めやすくなるという意見もあります。

瞑想に慣れている人なら、明晰夢の中で瞑想してみるのも良いかもしれません。
私は記憶が確かでないのですが、明晰夢中に瞑想をしてみたことが数回はあると思います。
そのうちの一回は瞑想したら、すぐに睡眠から覚めました。何か関係があるのかなぁ。

明晰夢という現象に困ったならば、夢の内容・展開を気にすることなく、その中で目を閉じて瞑想し、自分の心を見つめるというのも良い方法かもしれません。


関連note:明晰夢でヨガをする。チベット密教「夢のヨーガ」