エリザベート 10/28
2019年に初めて見て、ミュージカルにハマった作品。
2019の記憶では、
花總さんはイメージまんまのエリザベート皇后
愛希さんは強そうなエリザベート皇后
芳雄さんは傲慢で圧が強いトート
ゆんは美しさで惑わすトート
きょもはまんま王子
りょんはかよわい美青年
木村くんはエネルギッシュな革命に燃える青年
いくさぶは普通にやばいルキーニ
成河はキチガイルキーニ
組み合わせでいうと、
花總・ゆん・りょん、愛希・芳雄・木村
がわりと同じ雰囲気で演じてるイメージだった。
その上で今年はどんな感じかな、と見に行った。
キャストは花總、古川、田代、黒羽、立石のまりまりまりの日。
2019の時は気づかなかったが、みんな年齢の取り方、感情の載せ方がすごく繊細で感服した。
例えば、1幕でのエリザベートは鏡を見た瞬間に威厳を持ち始め、部屋の中で書類を書いてる時はしおれ、私だけに、で最強になる。そこの転換がはっきりしているのも感情移入して見られるのかな、と思った。
また、ゾフィーがエネルギッシュだったのが、娼婦を近づけよう、という話の時には既にちょっと歳を取っているのが感じられる演技になっていて、同じおばあさんの中でも歳を取れるんだ、と驚いた。
ところで、ゾフィーは勝手に孫を奪って育ててるけど、普通は乳母を雇ってやらせるものだし、義母がやるものなのだとしたら、経験のなさは同じだから結局信用できないな、というのと、皇帝に母はない、みたいなことを言うくせに、がんがん自分の息子には口出ししてるのがブーメランだなー、と気づかなくていいツッコミどころを見つけてしまった。あと、オーストリアは結婚で縁を、と言ってるが、外国の王族じゃなくて血族(いとこ)なのに結婚で縁とは?
さて、キャストの感想に移ると、
花總さんはやっぱりまとう雰囲気が全て皇后様でしかなくて、カテコの時までとても美しくて、年齢とかじゃなくて、花總まりのエリザベート、というもの自体がもはや一種の芸術のように感じた。
カテコの手の振り方が縦にしっかり立てて手だけを振る皇族スタイルで染み付いてるんだろうな、と思った笑
ゆんは2019年とは比べものにならないくらい筋肉がついて、その結果、声量が増してた。歌い方もロック風に変化していたし。それでトート閣下の圧倒的なオーラが身につけられていた。
ただ、あの人間離れした美人からパワフルな歌が出てくるのにちょっと面白くなってしまったのはごめんなさい、って感じ。
まりまりは期待を裏切らない王様だったから、特になし。
黒羽麻璃央は声量とか心配して行ったけど、ちょこっときつそうな部分はあったけど、基本的には声出てて、ゲスくてよかった。つまらないダメ出しをするとしたら、ルキーニにしてはスタイルが良すぎる笑
立石くんはなんか空虚な演技をしてた。2019年版のキャストたちは声量はともかく「自分のルドルフ」を演じていた。立石くんは自分らしく彼を演じる方法を掴めないまま舞台に上がってしまったのかな、という感じ。美青年系でもパワフル系でもやりやすいのでいいから掴めるといいな、と思う。あと、純粋に曲の音域がいまいち合ってないorチューニングできてないのもあるかも。
ところで、フランツがヘレネではなく、エリザベートを選んだことは、ゾフィーとの確執を生んだこと、愛しているのに一生分かり合えないこととか不幸なことが起こっているのだけど、三色旗のドレスを着たのはエリザベートだからやったことだろうし、ヘレネだったらおそらくハンガリー市民に認められて平和に王位に就くことは出来なかっただろうとも思う。
王の伴侶として、美しくて頭がいいから、相手によっては最大の効果を発揮するが、確執も生みやすいハイリスクハイリターンの女性を選ぶべきか全てほどほどで従ってくれるローリスクローリターンの女性を選ぶべきかは常に難しい問題だと思う。
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