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生演奏の仕事〜本番直前まさかの機材トラブル編〜

数年前「丸の内にある某オフィスビルのラウンジでランチタイムに生演奏せよ」との依頼を受けました。

朝の内に現場入りし、PAオペレーターの方と打合わせをして、リハーサルをしました。ここまでは普通に滞りなく進んでいました。

しかし、リハーサルの最中に突然ギターから音が出なくなりました。この日のギターはオベーションのN724というモデル。エレガットです。

PAシステムが導入されている現場ではエレガットはDIを通してライン出力するのが通常です。この日もそうしていました。

しかし突然音が出なくなっだのです。僕らは慌てて原因を探りました。ケーブル類のチェック、電池のチェック、ミキサーのチャンネルを変えてみたり…でも原因は全くの不明です。

本番開始時間は刻々と迫っています。僕は呆然としながら、中止もやむなしか…と思っていましたが、その時一つのアイデアが浮かびました。

オベーションはエレガットとはいえ、一応ホロウボディなので生音も鳴ります。リラコードバックと呼ばれる独特の丸い形状ですので、普通のクラシックギターより出音は小さいかも知れませんが、それでもソリッドボディよりはマシです。

そこでオベーションのサウンドホールの前にマイクを立てて生音を拾うという方法を試しました。やはり生音が小さいので、なるべく強く弾き、ハウリングギリギリまで出力を上げてなんとか演奏可能な状態に出来ました。

音質に関しては当然良くはありませんでしたが、卓の方でEQとリバーブを駆使してなんとか聴けるレベルまでもって行けました。

そして無事本番に間に合い事なきを得ました。あの時のPAさんには感謝しかありません。本当に有り難うございました。

そしてその日の帰りに急遽YAMAHAの安いエレガットを購入して帰りました。オベーションはもちろん修理に出したんですけど、日数がかかるという事だったので。

結局故障の原因は経年劣化からくるワイヤー類の断線でした。それ以来サブギターは必ず持って行く事にしています。


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