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「BLUE GIANT」最高!! ※ネタバレあり※

※途中からネタバレ

泣いた。泣き疲れた。こんなに泣くとは思わなかった。
普段いろんな映画見ても、「ふーん」程度の感想しか出てこなくて、感情死んでるのかなとか、映画を面白いと思う心がないのかなと思うくらい、映画に対して何の感情が沸かないのに、「BLUE GIANT」は、上映中わんわん泣いてしまった。

上映後、映画館の座席からすぐ立ち上がって、トイレに行きたいのにトイレにも行かず真っ先にキーホルダーやピンズ、ミニアクリルパネル(これは一体なんだ?)、そして、普段全く買わないパンフレットを買った。
そのパンフレットも最高で、レコードモチーフになっているのだ。
どこまで最高なんだ!この工夫を凝らしているところ、ファンを喜ばそうとしているのか、素晴らしい、最高だ!!
映画があまりにも最高だったから、余韻に浸るため、この映画をより深く知るために買った。

頭の中でまったくまとまらない感想を出すために、スタバに駆け込んだ。

仙台に住む18歳の男の子 大が上京して、ジャズプレイヤーを目指す話。
ジャズバーで店主から紹介してもらった店のトイレで同い年のジャズピアニストゆきのりと出会い、ドラムを全くやったことがないけど大の熱いサックスの音色に惹かれてドラムを始める、たまだ。3人がジャズバンドJASSを組み、So  BLUEというジャズの登竜門?すごいジャズのお店に立つまでの話。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★
ここから超ネタバレ







まず、主人公の大がとにかく努力家で、ゆきのりやたまだはもちろん、いろんな人たちを自分の努力や情熱で動かしていくのが、まさに主人公だなと思った。
もう、その大とゆきのりが出会って、ゆきのりが大とバンドを組むか判断するために、TAKE TWOで大のサックスを聞いた後の一言ですでに泣いた。
ゆきのりは14年ピアノやってきたけど、大のサックス歴はたった3年。
しかも、ブラスバンド部ではなくバスケ部で、2年ひたすら一人で吹いていて、最後の1年はプロの指導のもとレッスンを受けていた、と独学の期間の方が長い。
大のサックスを聞く前、ゆきのりはたった3年とその経験の浅さを馬鹿にしていた。
でも、聞いた後は「たった3年で、、、どれだけ練習したんだ」と大の努力と才能に泣いていた。

たまだは元々高校球児で、高校の時は強豪校でやってたみたいだけど、大学のサッカーサークルはお遊びサークルで、熱量の違いにギャップを感じてサークルを辞める。
その後、大のサックスでJAZZに興味を持ち、俺にもドラムできるかなと0からドラムを始める。
ドラムの基本も知らないところから、とにかく家でも練習しまくり、教室にも通い、ドラムセットも買い、冷静でシビアなゆきのりから努力を認められてバンドの仲間に入る。

最初はたった3〜4人しか観客のいないステージでの演奏。
演奏前に大は、「この日を忘れないようにしよう」と心の中で言って、演奏する。
大がステージの前日のビラ配りでビラを受け取ってくれた赤鼻のサラリーマンに、
「どれくらいの可能性で来てくれますか?」と声をかけたら、「え、明日?10%かな」と返された。そのサラリーマンはステージの途中に現れて、観に来てくれた。
ここでももちろん泣いた。

たまだは最初のステージで演奏についていけず、途中でドラムが止まる。
ステージの後、自分の拙さで二人の足を引っ張っているからバンドを抜けようとする。
結局バンドは抜けないんだけど、悔しくて一人で思いっきり泣く。私ももちろんたまだと一緒に泣く。

最初は数人にかしか見てもらえなかったJASSだけど、当然実力はあるので、少しずつ見てくれる人も増えて、ファンができていく。注目されるのはやっぱり大とゆきのり。
ファンたちに囲まれサインを頼まれる大を横目に、たまだに声をかけるお爺さん。
そのお爺さんは初ステージのたまだを観ていた人で、ずっとたまだの成長を見ていてくれていた。泣くに決まっているだろ、私が。

ゆきのりはゆきのりで壁にぶつかる。
もともと天才ピアニストで自分自身でも自分に自信を持っていたんだけど、So BLUEのオーナーっぽい偉そうな人にボロクソ言われる。
大もたまだも面白い演奏だと好印象なのに、ゆきのりだけつまらない演奏だと。
ピアノだけではなく人格まで否定されるほど、とにかくボロクソ言われて、ゆきのりも「そこまで言うか」とこぼす。

大からも指摘されていたけど、アドリブがいつも同じで単調。
大は客に響く演奏を目指しているけど、ゆきのりは勝つための演奏をしていて、ベクトルが違う。

ゆきのりは自分のそんな壁を克服し、ついに3人でSo  BLUEのステージに立てることになった。
大とゆきのりが出会うきっかけを作ってくれて、最初からJASSを見守ってくれていたTAKE TWOの店主にもそのことを伝え、全員でその日を待っていた。

ここで残酷すぎることに、ゆきのりが交通整理のバイト中に事故に遭い、大事な右手がぐちゃぐちゃになる。
居眠り運転のせいで、ゆきのりの大事な大事な右手がぐちゃぐちゃにされた。

サックスとドラム、前代未聞のデュオになってしまう。
So BLUEのオーナーは、緊急会議を開いて、できることは何でもしようとデュオとなってしまったJASSのステージをバックから全力で後押しする。そんなの泣くに決まってる。

So BLUEでの大とたまだのステージ。
以前、So BLUEのオーナーから、たまだはソロがなくて最低限のドラムしかやっていないと言われていた。
そのたまだがこのステージでドラムソロを披露する。泣いた。

ステージの観客席には、Take2の店主、赤鼻のサラリーマン、たまだを見守り続けたおじいさん、ゆきのりの幼なじみ、今まで関わってきた人たちがみんな見にきてくれた。
こんなの泣くしかない。

事故に遭ったゆきのりも、外に出れる程度は回復していて、アンコール直前に大とたまだの前に現れて、左手は動くからと片手でアンコールに参加した。

これがJASS最後の演奏。JASSの活動は、わずか一年半で終わった。
解散後、ゆきのりは作詞をして、たまだは営業になる。
主人公の大だけ、ジャズプレイヤーとして世界に行く。

物語の中で登場人物が事故や病気に遭って最悪「死」に至ったりすると、昔は安易に死や病気で泣かせようとしていると思っていた。
でもそうではなくて、きっと、登場人物の死や病気って、何か考えられて意味があって、そうしたんじゃないかって思う。
それに、事故や病気って現実でもいつ起こるか分からないもので、それが最悪のタイミングで起こるのも十分あり得ること。
ゆきのりがこれから夢を叶える最高の瞬間の前に事故に遭ったのは本当に残酷だと思ったけど、これも人生なんだよなぁ。

出来ることなら皆んなでずっと生涯バンド続けて欲しかったけど、そういう未来もあればこういう未来もあって、どんな未来になったとしてもJASSとしての活動は3人にとっても特別な時間だっただろうし、その周りにも影響与えてると思う。
全力で努力して悩んで行動した時間は無駄にならない。その後の自分を支え続けるし、必ず成長するから。

終盤で明かされるブルージャイアントの意味。
熱くてすごいジャズプレイヤーをそう呼ぶと。
熱すぎると、赤を通り越して青い炎になるから。

努力そのもの、努力で培った実力、熱って人を動かすよなぁ。
私も全力で青く燃えながら生きたいと思った。

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