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人の目が気になるのは…

昔からどこかへ「通う」ことは嫌いだった。
嫌いでもやらなくてはいけないことだと、理解はしていたのでやっていたが。

学校を出て働くようになってからも、どうにか家にいながら仕事ができないものかと、あれこれ挑戦をしていた。
でも、母から
「家にいて仕事になる人なんてのは、ほんの一握りの才能ある人だけ」
と言われたので諦めた。

今、家で動画クリエイターをやっている

収入は少なく貯金を崩しながらの生活。
貯金もいつまでもあるわけではないので、今週から週1日だけ個人病院の掃除のバイトをやることになったが。

こうして希望通り、家にいながらの仕事を手に入れたものの、なぜか真っ当ではないような気になってくる。

近所の人は毎日家にいる私をどう見ているのだろう?
家にいながら地域猫に餌やりなんてしている私をどう思っているのだろう?

こんな感じで周囲の目が気になることがある。

自分が思ってるほど周りはこっちのことなんて気にしていないとはわかっていても。

子どもが生まれて間もない頃のこと

アパートの2階暮らしだった。
下の部屋には老夫婦が住んでいた。
この老夫婦の、今でいう「老害」がひどく、朝が苦手な私が11時頃に洗濯物を干していると、下から

「こんな時間に干してるよっ」

などと大きな声で言われた。

夏場は、
「一日中、冷房使ってるからこんなに水が溜まるわ」
と、これまた大きな声で言いながら、うちの室外機から出る水をバケツに貯めて植木にあげていた。

この老害のせいか、今でも寝坊をして雨戸を開けるのが9時過ぎたりすると、近所の人に「こんな時間まで寝てたのか?」などと思われやしないかとヒヤヒヤしている。

いや、老害のせいもあるかもしれないが、人の目を気にしてしまうのは、やはり母の育て方にもあったのではないかと思うようになってきた。

親として良くないしつけ

母は、外で子どもを叱るときに
「やめなさい。周りの人が見てるよ」
「そんなことやってると人に笑われるよ」
と、こういう叱りかたをしていた。

叱るときだけではない。
髪型や服装に関しても同じ。
「そんな格好で出かけたら周りの人に笑われるよ」

きっと、こういうしつけのせいで、人の目を気にする人間になったんだろう。

母の中での真っ当な仕事は「外に勤めに出る」ことである

日曜に求人広告を見ては「ここで事務員の募集してるよ」「ここで品出し店員募集してるよ」と連絡をしてくる。

クリエイター仕事で少しずつ案件増えてきてるから…
と言っても通じない。

生活は大丈夫なのかと心配をしてくれることもあるのだが、あるとき、弟が
「姉ちゃんと母ちゃん二人で暮らせばいいじゃん」
と言うと間髪入れずに母が

「やだよ!」

と…。

なんとも言えない気持ちになった。
ショックというより、母と言う人間にがっかりした。

母の一言一言で、自分が不安定になっていくことに気付いてから、母を遠ざけようと決めた。

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