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NHK記者がプログラミングをしている記事を見て、正直悔しかった

話題になっていた、NHKの記者が、プログラミングで身近な業務の困りごとを改善していることについて書いた記事を読みました。

とてもいい記事で、AIやIoTなどの先端的なテクノロジーを使っていなくても、ITエンジニアをたくさん抱えて内製化しなくても、現場の記者が手を動かして、プログラミングで身近な課題を解決しているのがとてもぐっときました。

「地味なツール開発の積み重ねが新しいサービスの創造や、職場の『DX』といわれるものにつながる」と書かれているのはまさにそう思います。

書き手である三輪解説委員は、1998年、インターネットをまだ利用したことがなかったにも関わらず、記者として「情報セキュリティー」の回を担当することになり、ネット犯罪やセキュリティー対策の専門用語がわからないまま、取材先に何度も確認し、一本のニュース特集を制作したとのことでした。

そのことが、三輪解説委員にとって、国内では当時まだ未開拓だったインターネット関連の報道について、「自分の取材テーマとして長期的に追いかけたい」と思える強い原体験になったのだそうです。

それは私も、編集者として、一般向けの内容ではなく、高い専門性のある分野(ソフトウェア開発)に特化しようと思い、今の仕事をしていることから、他人事とは思えませんでした。

手を動かして勉強したのは私も一緒で、学生の頃から、Rubyの入門書を一通り勉強して、Twitter Botを作ったり、VPSを借りてサーバーを設定したり、Webサイトを作って公開したりといろいろやりました。

ソフトウェア開発に関する編集者の仕事をするようになってからも、本や勉強会でインプットしたり、一番勉強を頑張ったときだと、AWS、GCP、Azureの資格(アソシエイトレベルですが)を短期間で取得したりしました。ソフトウェア開発に関する幅広いトピックに関して、記事を書いたり、編集したり、エンジニアと会話をしたりすることができる程度には理解していると思います。

ところが。

仕事のなかで手を動かす発想になかった

私はプログラミングやソフトウェア開発に関わる編集者でありながら、プログラミングで身近な業務の課題解決をすることが、これまでほとんどできていませんでした。この三輪解説委員による記事を読んで、私が学んで来たプログラミングが、単なるリテラシーを身につけるにとどまっていて、それを心から自分のスキルとして使っていこうと、目の前の課題を解決しようという思いにまで至っていなかったことを、心底悔しく思いました。

ソフトウェア開発に関する勉強をしても、どことなく自分のための勉強ではないような気がして、なんだか虚しい気持ちになっていたのと、さらに、ソフトウェア開発の現場感が足りていないことに悩みを感じていました。それは私が、プログラミングやソフトウェア開発の知識を、目の前の課題に活かすことでかなり解決できる悩みであり、そして、それをやり切れるまでの勉強が足りていないという事実に向き合いざるを得ませんでいsた。

私はWebメディアの編集者ということもあり、報道の現場のようなアナログな業務、全国とやり取りするような業務がそれほどあるわけではありません。すでに、ある程度効率的に働けているとも言えるのですが、それでもやりようはあるはずです。どういう点でやりきれなかったかとすると、いくつか理由が思い当たりました。

すでにあるソリューションが無いかと探しちゃう

プログラミングで課題解決しようと思っても、実現までにどれくらい時間がかかるのかが分からず、業務時間中に取り組むのはなかなか勇気が出ませんでした。そして、自分でコードを書くよりも、すでにあるSaaSやソフトウェアがあるとしたらそれを使ったほうが早いと探す発想になり、無料もしくは考慮できる金額の有償ツールならそれを使うし、ちょうどいいものがなければ諦めてしまうという発想になってしまいました。

会社共通のやり方から逸脱してはいけないと思っちゃう

私の中で野望としてありながら未だにできていないのは、GitHubを用いたモダンな執筆、編集環境を作ること。一部、原稿のやりとりでGitHubを使ったりはしているものの、自分が効率的になっているかというとそうでもないところがあり、理想状態への道はまだまだ遠いなと感じています。仮に理想状態が実現できたとして、会社のスタンダードなやり方として進んでいる方法とバッティングしそうだなぁとか、逆にGitHubを全編集者に導入するのはなかなか現実的ではなさそうだなと思うと、そして自分に作り切る根気があるのかと言われると難しく、そういうところもちょっと怖気づくポイントです。

詳しい人が他にいると、その人のやれる範囲内でおまかせしちゃう

会社には、システムの開発を行うエンジニアや、社内のDXのような部分を担うメンバーがいるのですが、そういう人がいると、「自分がやるよりお任せしたほうがいいな」「でもその人にお手数をおかけしないように、やれることの範囲でお願いしたほうがいいな」と思ってしまうことに気づきました。そして、自分はそういう手を動かして改善をしていく立場ではないとも思ってしまうのです。会社に入りたての頃は、夏季休暇の自由研究として、チャットツールで使うBotを作って遊んだりしていたのに。

今からでも遅くない、やるべきことが見えた

これまで私は、「編集の仕事の助けとして」「仕事でやりとりする人と会話ができるように」IT技術を勉強してきました。それは、どちらかというと読者のための勉強であり、本当の意味で自分のための勉強ではなく、そのことが、勉強の身の入らなさ、虚しさにつながっていました。しかしそれは、自分の困りごとを、学んだことを活かして解決しようという発想が足りていなかったからだと、三輪解説委員の記事を読んで思い知りました。

今まで何をしていたのかと悔しく思いますが、これからやるしかありません。

ところで、私がなぜソフトウェア開発に関心を持っているのか。理由はいくつかありますが、ソフトウェア開発は、あらゆることの先を行っているように思うので、取り組んでいると他の分野にも活かせるのです。ソフトウェア開発のやり方、例えば、アジャイルや、エンジニアコミュニティのような学び方が、IT以外の他の業界にも広がっている。プログラミングだってしかりなのです。

今は多くの現場の人が、プログラミングを身に着けて価値を出している。私もそれなりに長く勉強してきているので、いつかきっとすごいものを見せてやりますよ、と言ってみたり。

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