見出し画像

「孫子の兵法」に学ぶスピーチ 空気に色を付け「見える化」する技術(はじめに)

はじめに

 中国の古典である兵法書「孫子」ですが、数千年という時の流れを経ても、いまだに読み継がれ「生きたノウハウ」として活用されています。この事実は「人間の本質は基本的には変わらない」ということを如実に示しているといえるでしょう。
 筆者は、「スピーチの原稿を考える」という「戦術のプロ」として生計を立てている人間ですが、試みに「スピーチを成功させるという目的で解釈すればどうなるか」という観点で「孫子」を意訳してみたところ、面白いほどツボにはまり応用性が高いことを発見しました。
「孫子」13篇をスピーチを行う人の立場で一行に凝縮すれば、次の言葉になるのではないでしょうか。

「リスクを最低限に抑え、身の丈(人格・見識)に合う形でリターンを最大化させる」

 スピーチだけではなく、広い意味での「言葉の運用」を行う上で、「リスクとリターンの両面から考える」ということはきわめて重要です。
 失言で失脚する国務大臣や、派手な物言いで一時は人気を集めたものの、逆にブーメランが返ってきて党の代表を辞任せざるを得なかった政治家などの姿を見ていると、「リターン」のみを追い求め、「リスク」を考えない人間の愚かさが浮かび上がってまいります。
 反対に、選挙で大敗した直後に党の立て直しを図り、「派手なパフォーマンスを行いましょう」という進言をしりぞけ、全国各地を回りながら車座の対話を行い、再建の道筋をつけた国政政党のトップからも、逆に多くのことが学び取れます。
スピーチの成否、さらにいえば広い意味での「言葉の運用」に最も大きく影響するのは、「身の丈(人格・見識)」の高さです。
その上で、「内容(全体の構成・効果的な言葉の使い方)」「話し方の練習」という戦術を正しく運用すれば、

「リスクを最低限に抑え、身の丈(人格・見識)に合う形でリターンを最大化させる」

という、「孫子」に書かれている目的を達成することができるでしょう。
 さあこれから、具体的な内容について見てまいりましょう。

【購入はこちらから】→ https://goo.gl/sLxMkA

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?