寄り道ばかりしちゃう

なんかいつもこうして日記を書く時は最初はなんとなく「このことについて書きたいたいな」とかあるのだけど、書いているうちにどんどんずれちゃう。

というか、最初からずれちゃうこともある。

田中小実昌さんの小説で「ポロポロ」というのがあってあれが好きなんだけど、あのポロポロというのは小実昌さんのお父様がキリスト教の神父さんでいわゆる正統派の教会ではなく、ただ(おそらく神を感じて)体が撃ち抜かれたように何かがやってきてそれをポロポロと言葉から出てしまうようなことを書いていた。

(随分と前に読んだから内容が違っていたらごめんなさい。もしかしたら「アメン父」かも)

でも小実昌さんの言葉自体もポロポロとしているのだ。それがとても気持ちがいい。ポロポロと圧力もなく何か声高く訴えるのではなく、かといって独り言でもなく、あの真空のようなバランス。だから不意に僕たちの懐に飛び込んでくる。

,,,というように今日も早速ずれちゃうのだけど、これはしょうがない。

文章は一度に一文字ずつ並べていく線形だけど頭の中は同時多発だ。そして僕は何だかいつも同時多発でそれをまとめる能力が弱い気がする。

だから話している時も注意力散漫であちこち話がいくし、絶えずずれていく。

散歩でいうと絶えず寄り道ばかりしているうちに本道も目的地も忘れてしまって、ふと気がつくと迷子になっている。いや、迷子というのも何かしっかりとした迷子じゃない状態があってこその迷子だから、迷子以前のただどこかにいる。

だから僕は酒飲みながら酒飲みと話すのが好きなのかもしれない。

そして絵も好きなのだろう。絵には時間がなくて同時多発だから。

ちなみに「ポロポロ」はこれ。amazonで探したけれど文庫本しかなかった。


単行本の装丁もとても好きだったのだけど今は手に入らないのかな。

僕は持っていたけれどまだあるかな。

もしかしたら絵描きになりたてのとてもお金がなかったところに古本屋に売ってしまったかも。

あの頃は笑えるくらいにお金がなかったから。

でも笑えるくらいにお金がなかったけれどどこか呑気だった。

10年も満たないたった7年前ぐらいの話なんだけどすごく昔のような気もする。

不思議。




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近藤康平/絵描き・ライブペインティングパフォーマー。鳥取大学大学院農学研究科にて森林学を学ぶ。絵本書店員・絵本編集者を経て、今は絵描きです。絵描きの日々、旅の話、考えていること、絵の手法、畑のことなど書いています。よろしくお願いいたします。【web】kondokohei.net
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