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サッカー/日本×イラク前半を振返る/AFCアジアカップ2023(開催は2024)

1.「前節の簡単な振り返り」

サッカー日本代表のアジアカップ、グループリーグ第2節イラク戦が、2024年1月19日に開催されました。
第1節のベトナム戦では、4−2で日本代表が勝利しましたが、ベトナムに1−2とリードされる場面もあり、順調なスタートと言える内容ではなかったと感じてます。
ただチームの問題点が浮き彫りになりながらも勝てたのは、ポジティブに考えていいことだと思います。
もしこれが課題が出ないまま勝ち進んで、重要な場面で問題が出てしまうと、修正する間もなく敗退し、そこで終わってしまう可能性もあるからです。
なので勝利した上で順調なスタートを切れなかったのは、そんなに悪いことではないと思います。
ただ、課題を修正出来なければ弱点を露呈しただけですので、どこかで敗退するのも当然の結果となります。
日本代表には修正する力があると思うので、信じて今後の試合を見ていきたいと思います。
私はDAZNを契約していないので、残念ながら初戦を見ることができず、試合内容について感想を述べることは止めておきますが、ハイライトで見た印象だと、GKとディフェンスのときのセットプレーに、修正すべき課題があるのかなと感じました。
試合を見ていない私に、言えることといえばその程度になります。

2.「対イラク戦 完全アウェー」

本題であるイラク戦について、話をしていきたいと思います。
試合会場のスタジアムはイラクサポーターが殆どで、完全アウェーの状況でした。
中東のカタールでの大会なので、当然同じ中東のイラクが、対戦相手となればアウェーの状況も前もって、想像できたことではあります。
日本代表にとっては不利な環境ではありますが、日本の選手がまったく経験の無い状況とも思えないので、影響がないとまではいいませんが、大きな影響を及ぼす程のことでもないでしょう。
ですが、逆にイラク代表にとってはサポーターに後押しされて、普段よりも力が出せるという点で、大きな影響を及ぼす可能性があるので、こちらのほうが脅威でしょう。
実際にどうだったかは、試合の話をした後にすることにしましょう。

3.「試合前情報」

フォーメーションは、互いに4−2−3−1で間違ってなければミラーゲームと言うやつです。
私が注目していたのは、GKを誰にするのかということでしたが、先発を任されたのは今回も鈴木彩艶(スズキザイオン)でした。
森保監督は恐らく、イラク戦を彩艶に任せ彼を信じることにしたのでしょう。
その他に気になった点は、左サイドに中村敬斗ではなく南野を起用したことと、中央に久保が先発で入ったことぐらいでした。
監督の狙いは分かりませんが、中村はターンオーバーでベンチに置き、久保は中村の逆パターンで先発出場になったのかな、ということぐらいしか考えつきませんでした。
あと私の曖昧な記憶ではW杯後に今回の二列目の構成を、試したことがあったのか分からなかったので、私にとって珍しく感じる二列目の選手構成で、何故グループリーグで恐らく、一番の強敵になるイラクに対して、あまり見た記憶がない二列目の構成で、臨もうと思ったのか聞いてみたいと思いますし、記憶にはないですが実際にこの構成でプレーしていたとしても、結果が伴っていなかった為に、印象に残っていない可能性もあるため、疑問に感じた点ではあります。
本来ならイラク戦に現時点でベストかベストに近い選手構成で、臨むべきだと私は思いました。
でも、当然森保監督にも狙いがあるのでしょうから、試合内容と結果の話を終えるまでは、これ以上特に何も言うことは無いでしょう。

4.「前半の序盤からの失点」

前半立ち上がりは、イラクが勢いよくスタートを切って試合が始まりました。
私の印象では、序盤からイラクの運動強度が高く積極性も目立ち、日本は完全に受け手に回る状況だったと感じました。
イラクは恐らく監督の指示で、事前にスタートから強度を高く、試合に臨むように言われていたと考えられます。
たぶん前半15分くらいまでを目安に強度を高く保ち、その後は強度を通常レベルに戻すプランだったのでしょう。
スタートから強く行き、主導権を取り日本をかき回すことで、日本の良さを消す作戦ではないかと考えます。
狙いがどこにあったかはともかく、日本は完全に後手を踏み、本来のプレーが出来ない序盤でした。
その序盤4分過ぎにイラクが先制点を取りました。
内容としては、日本から見てイラクのバイタルエリア付近左から、右SBがロングボールを蹴り、日本の自陣左奥にいた、谷口か伊藤洋輝のどちらかがヘディングで跳ね返して、そのボールを南野が受け取ると、すぐにイラクの選手数人に取り囲まれ、プレスで左サイドラインへ追いやられると、南野が中央左寄りにいた遠藤に、パスを出したのですが、互いの意図が合わずボールが流れてしまい、流れたボールが中央付近の相手に渡ると、少しドリブルされた後に中央からロングシュートを蹴られ、GKの彩艶がそれを左にパンチングすると、ボールはラインを出てイラクのスローインで再開、自陣左サイドの中域まで入り込んだ、イラクのCBかSBから、自陣右サイドペナルティエリアの、角付近にいた選手へ、対角線のロングパスを蹴られ、カットできず相手に渡ると、そこから同サイドの裏へパスを出されて、ペナルティエリアの右脇深くから、浮き球のクロスを蹴られると彩艶がそれを、ペナルティエリア中央付近にパンチングしてしまい、2〜3人詰めていたイラク選手の一人に、ヘディングされ失点を許す形となりました。
まず、南野と遠藤の意図が合わずに中央へ流れたパスミスから始まり、その後押し込まれたことで危険な状況を作ってしまい、最後に彩艶がパンチングをミスしたことで、失点に繋がったというのが原因になると思います。
2つのミスを上げましたが、この2つが特に目立つだけで、他にもラインコントロールやマークの甘さなどが見られたと思います。
要するにミスでバタつき、守備の形が崩れたことで、後手を踏んだのだと思います。
これだけミスが多発すると、どんなチームも失点するのは、当然の結果というのがこの失点に対する感想です。
失点後は、徐々に日本もボールを持てる時間が長くなり、相手のゴール前まで行きシュートを放つ場面もありましたが、決定的な場面はありませんでした。

5.「前半の中盤から終盤」

前半15分を過ぎた辺りから、試合が少し落ち着いてきた感じになり、互いに攻撃をするがどちらも得点を奪えず、時間が進んでいきました。
日本が主導権を持つ時間が、長くなっていきましたが、それはリードしているイラクが、自陣で4−2−3−1や4−4−2でブロックを作り、中央付近をしっかりと閉ざしていたからです。
中央付近が強固なため日本はサイドでパスを回し、サイド攻撃を繰り返す状況が続きました。
これは、単純にイラクが日本にボールを持たせている状態で、主導権はイラクにあります。
より危険の少ないサイドで、あえてパスを回させて、日本をコントロールしながらイラクが守っている状況です。
攻撃が上手く行かないとパスコースを見つけられず、球離れが悪くなります。
一人がボールを長い時間持つと、相手が狙いを定めボールを奪いに来ます。
すると、日本が攻撃のポジションを取った状態で奪われて、カウンターを食らってしまうという悪循環に繋がっていきます。
それでも、攻撃時のリスク管理をなんとかしていた日本は、失点をせずに前半のアディショナルタイムまで、踏みとどまっていました。
イラクの攻撃はカウンター以外にも、ゴールキックや最終ラインから、ロングボールを蹴り、ワントップがそれを競り勝ち、二列目の選手に預けて、サイドに攻撃を展開する形も見られました。

6.「アディショナルタイムでの痛恨の2失点目」

前半アディショナルタイムまで、日本は得点は奪えずとも、何とか1失点で踏みとどまれていました。
しかし、アディショナルタイム中の前半48分に、2失点目を許してしまいました。
内容は日本の伊藤洋輝が、ハーフラインの左サイドから、相手の右CB裏にロングボールを入れるも、大きすぎて味方に合わず、相手GKがキャッチしました。
そして、相手GKがペナルティエリア内の、日本から見て右サイドに移動して、そこからパントキックで蹴ると、ハーフライン中央付近より、若干日本寄りのところまで飛び、それを遠藤がヘディングで跳ね返しました。
跳ね返したボールは、相手ボランチがギリギリ足に当てると、高く頭上に上がりハーフラインの右サイドに落ちていきました。
落ちたボールを相手の左MFが、下がって取りに行くと菅原がそれについて行き、弾んでいるボールを左MFが取るかと思われた瞬間に、相手の左SBが勢いよくボールを取り、その勢いのままドリブルすると菅原が対応しに行き、サイドラインギリギリまで追うも、ボールがラインを割る前に、相手が前方に少し強めに蹴りだし菅原を置き去りにすると、スペースが広く空いた右サイドをドリブルで進み、ペナルティエリアに侵入してすぐクロスを上げると、走り込んできた相手選手を誰も捕まえきれずに、ゴール前中央付近で、ヘディングされ2点目を奪われてしまいました。
2失点目は、菅原が相手に食いつきすぎて失点したとも言えますが、相手左SBへの守備が軽い対応だった為に、右サイドの裏を取られ簡単にペナルティエリアまで、侵入されたのが原因だと思います。
他にもタラレバになりますが、遠藤のカバーが遅かったのではないか、全体的にボールウォッチャーだったこと、伊藤洋輝が得点した選手を捕まえきれてなかった、等の原因が考えられます。
2失点目も、相手に圧倒されたというよりは、ミスが続いたための失点でした。
ちなみに地上波の実況アナウンサーは、この失点をイラクが得意とする、カウンターで失点したと言っていましたが、これはカウンターではなく、ただの軽い守備が突破された、ミスからの失点だと思います。
その後、アディショナルタイムが1分程残っていましたが、日本がコーナーキックのチャンスを活かせずに、前半が終了しました。

前半の話はここまでです。

後半に続く。

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