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子ども、大人と、3大要素のひとつ「環境」【モンテッソーリ教育】



本日はモンテッソーリ教育の
特徴3つ目をお伝えしたいと思います。

まずは、前回までの特徴2つを
おさらいしたいと思います。


< 1つめの特徴 >

自立 → 自分のことが自分でできる
自律 → 自分をコントロールする

この2つを最終目標に
モンテッソーリ教育はすすんでいきます。

子どもはこの目標に向かって発達しています。
なので大人の役割は、
この発達を助けていくことです。

大人がどうすればいいか
目的が明確になっています。


< 2つめの特徴 >

主体性を大切にした教育
ということ。

・ 子どもが自分のやりたいを叶えられる
・ 自分のやりたいものを自ら選んでいく
・ 自己選択の自由が保障されている
・ 時間にしばられない

これらを子どもに提供していくことが
大切でしたね。
今日は3つ目の特徴です。


< 3つ目の特徴 >

環境を通して行う」
ということです。

モンテッソーリ教育は
3つの要素があります。

・ 子ども
・ 大人
・ 環境

この3つの要素が三角形になるように
お互いに作用し合いながら
成り立っています。

子ども


それでは
それぞれが欠けてしまうと
どうなるんでしょうか、、、

大人 × 子ども だと、、、
(環境がない)

→  教えこむ、やらせる、など
子供をコントロールしてしまう



環境 × 子ども だと、、、
(大人がいない)

→  素晴らしい環境だけど、
子どもをそこに入れるだけ。

例えば、教具があっても
子どもがそれを投げて遊んでいる、など。

どんなに素晴らしい環境でも、
その子に合った教具があっても、
使い方が適切ではなければ
活動の目的にかなった使い方ができません。

活動の目的を知って、
使い方を知っている大人が、
どうゆうふうに使うのかやってみせる
ということが必要です。

これを「提供」や「提示」といいます。


・ 命を守る
・ 必要な眼差し
・ 安全を確保する
・ 過不足のない手助け
・ 一貫したルール規則を示し続ける
・ 子どもに合うように常にベストに整えていく

これらが、環境だけでは補えない、
大切な大人の役割です。

これを満たすには
大人がいないと成り立ちませんね。

絶対に大人の手は
欠かすことのできない要素だとわかります。

もちろん、子どものための
モンテッソーリ教育なので
大人 × 環境 という選択肢はありませんね 笑



モンテッソーリ教育が成り立つためには、
知識のある大人が、環境を通して
子どもをサポートしていく、
これが必須条件です。

子どもの発達は誰がしていくのか?
というと、子どもですよね。
大人は間接的にサポートすることしか
できはずなんです。

子どもの発達は
コントロールすることができません。
そして、子どもは
自分でできるようになることを望んでいます。

大人にできるように、
させてもらう事じゃありません。

自分で1人でできるように
手伝ってほしいと願っています。
大人がやればキレイで早いんですけどね。

1 自分でできる環境を用意する
2 やり方を見せる
3 やり方を見て、やってみる
4 思考錯誤して、トライアンドエラーを繰り返す

この流れが理想的です。

そして「できるようになった!」
という過程を経験できるようにすること。

でも、子どもが経験すべき過程を
大人が奪ってしまうことがあります。

「やってあげる」という行為です。

やってあげる、は
子どもの自立を助けることにはなりません。

よりスムーズな生活のために、
効率のために日々を動かすためには
大人が動かす方が早いんですけどね。
子供もぐずらないし。

自分でやってみて
「こうやるとやりやすい」と学ぶこと。

このプロセスには大きな意味があります。
自分で繰り返して、
結果として「自分でできた!」を
子どもが感じることができることが大切です。

そうすることで子どもは、

「尊重してもらえた」
「待ってもらえた」
「自分を大切にされた」

という思いも
育むことができます。


できるようになったことで、
自信も育まれます。

もう1回やってみようと思える
ねばり強さ、心も同時に育むことができます。


間接的に自分でできる環境を用意して
やり方をやって見せてあげたい。

・ 靴の履き方
・ 服の脱ぎ方
・ 食事の用意
・ お風呂の掃除の仕方
・ 服のたたみ方

こうやるのよ、とやって見せてあげる。

見せてあげることで
「自分でやる」のプロセスを経験できます。

大人は、子どもが欲していること、
やりたがっていることの
やり方を見せてあげる。
それが理想的な環境につながります。



自分でできるような環境を整えて、
環境を通して自らを発達させていく。
これが大切な要素なんですね。

直接的に教えてあげるのは
大人がやりたがってしまうし、
とっても早くてラク。

また、やってあげると
(いいことしてあげたなぁ)
って気持ちにもなれます。

でもそこはちょっと違って、
間接的にサポートするのが大切なんですね。


自分でやって、自分で失敗をして、
自己訂正という行為を子どもに託してあげる。
それが大人の役割です。

直接やってあげたくなってしまうことも
たくさんあるでしょう。
そんな時は、
「やり方を見せてあげる」という
サポートの仕方を試していきたいです。


・ 見せてあげる
・ 間接的にサポートする
・ 自己訂正の機会を子どもに託す


子どもに適切な環境を通して、
やり方を見せて、できなければサポート。
子どもがそれをみて、
何度もトライアンドエラーして、
自己訂正をして、
自分でできるようになっていける環境、
そんな環境が理想的です。




そして、

同時に物的環境も整えていきたいです
物的環境とは環境の中にあるモノのことです。

自分でズボンを履きたい時、
高さがちょうどいい椅子や
台を用意して、自分で履ける。

自分で服が選べるように
少ない数の服を、
子どもの手の届くところに置いておいて
自分で選べるようにしておく。

食事の用意も、
必要な分のカトラリーを入れ物に用意して
自分で自分のものを選んで
用意ができるようにしておく。

ものを子どもに合わせて設定してあげるだけで
子どもでも自分のことができるようになります。


環境には
人的環境もあります。つまりヒトです。

周りにいる大人が
やってしまわないことがとても大切です。

「それじゃ履けないよ」
「あ、それじゃできないよ」
「こうやるんだよ」

つい、口や手を出してしまいたくなります。
でも、失敗に気づくのは、
子どもに与えられた権利です。

今までの話を踏まえると、
経験できるチャンス、
経験すべきチャンスを
大人が奪うべきではない、と
気づきます。
失敗に気づくのは学びの多いことです。


「これじゃできないな、じゃあどうしよう、
こうしようかな、、、あ、できた」

もしかしたら、それは一度じゃ
できないかもしれない。
「できないから今日はやーめた」
っとなるかもしれない。

でもそれはそれでいいんです。
何度もやる過程で、子どもが気づいて
自己訂正をして、その「できた!」となる
プロセスを、時間をかけて待ってあげたい。

ついつい言いたくなっちゃうんですけれど、
そこは奪うべきではないんですね。


そこは口出し、手出しをせず、
「待つ」という時間を
保証してあげるという人的環境も大切です。

子どもがやるということは
大人がやるよりは当然時間がかかります。
かなりかかります。

毎日でもなくてもいいから
今日は待ってあげよう、
今だけ待ってあげよう、と
意識する時間を持ちたいです。

自分の靴を履くでも、
カバンに荷物を用意すること
ひとつでもいいから、
大人が手出しせず、
急かすことなく、
子どものペースで「できた!」
いうところまでできるように
時間的余裕を持ってあげる。
これがポイントです。


自分のペースが確保できていれば
できることもできません。

いそがなきゃ、と焦っていると
大人でも失敗してしまったり、
忘れてしまったり、できなかったりします。

今まさに「できる」ということを
獲得しようと真っ最中の子供です。

時間的に自分のペースが保障され、
待っていてもらえるのは大きなポイントです。

でも、常にそれは難しいので、
今日は、この時だけは待つ
ということを決めてみませんか。


手だし口出しはしないで
待つという時間を決めて意識する。

「見まもる」をひとつずつ、
少しずつ取り入れる。

各家庭の生活スタイルや、
ペースに合わせながら
取り入れられるところを取り入れる。

少しずつでも、
確実に変わっていけるはずです。




【 まとめ 】


<3つ目の特徴>

・ モンテッソーリ教育は、
環境を通して行う

・ 子ども
・ 大人
・ 環境

3つの要素がどれも欠けてはいけない

子ども

1 自分でできる環境を用意する
2 やり方を見せる
3 やり方を見て、やってみる
4 思考錯誤して、トライアンドエラーを繰り返す


・ 子どもの権利
「失敗に気づく」「失敗を訂正する」
を奪わない


・ 子どもが自分でできるように物的環境を整える

・ 手出し口出しをしないという人的環境を整える



この記事はモンテッソーリ教師あきえさんの
Voicyを参考にしています。



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