芸術の秋にワイン映画で学び楽しもう!
今日から11月! 秋も足早に過ぎていきそうですが、皆さんは「○○の秋」をもう体感しましたか。
いろいろな秋がありますが、ブドウにとっては実りの秋でもあり、収穫の秋でもあります。 そしてこの秋は、自然派ワインの映画2本とグルメ&ロードムービー(もちろんワインも出てきます!)が届きました。 自然派ワインの映画は2019年11月1日(金)* に公開されました! ぜひ映画館で楽しくワインを知ってください。
* 東京を皮切りに全国順次公開
『ジョージア、ワインが生まれたところ』
© Emily Railsback c/o Music
世界遺産に登録されたクヴェヴリ製法で造られる究極の自然派ワイン
まず最初にご紹介するのは、ワイン発祥の地、ジョージアで伝統製法を守り続ける人々を追ったドキュメンタリー映画。
ジョージアは西は黒海に面し、ヨーロッパと東方諸国を結ぶ場所に位置しています。ジョージアワインの起源は今から8000年前の紀元前6000年(旧石器時代)に遡ります。
ユネスコ世界無形文化遺産にも登録されたクヴェヴリ製法とは、素焼きの壺を土の中に埋め、ジョージア固有のブドウ品種と野生酵母により発酵・熟成するワインの醸造法です。
かつては多くの家庭で造られていたクヴェヴリワインですが、その重要な地理的背景から、古来より数多くの民族の流入、侵略を受け、伝統のクヴェヴリ製法で造られるワインは現在では希少なものとなっています。
「私たちのブドウ畑には、人びとの血と涙と祈りが染みわたっている」というジョージア人にとって、ブドウとワインは生命と信仰の象徴であり、アイデンティティーそのもの。
映画ではワインとともにスプラ(宴会)やポリフォニー(多声合唱)など、彼らの文化をうかがい知ることができます。
少量しか生産されていないクヴェヴリワインですが、実はその大半が日本に輸入されています。
今回、偶然にも映画に登場する造り手のひとりジョン・ワーデマン氏が来日中ということで、ジョージアワインの試飲会+レクチャーに行ってきました。
写真撮影に笑顔で応じてくれたジョージアワインの3生産者。左から、ジョン・オクロ氏、ショータ・ラガジ氏、ジョン・ワーデマン氏
ワーデマン氏が手掛ける味わい深いオレンジワイン(左)とクヴェヴリワインの最高峰といわれるサペラヴィ種で造る赤ワイン(右)
雑味がなく、とてもクリーンな味わいながら、しっかりとした旨みを持ち、一度飲んだらハマる人たちの気持ちが理解できます。
映画ではアメリカでソムリエとして輝かしい実績を持つジェレミー・クイン氏が案内役となって、ワイン生産者をめぐっていきます。
侵略と占領の歴史を乗り越え、今世界が注目するジョージアワイン。
ワイン造りとは、生きる喜びとは…… そんな生産者たちの人生観が詰まったじんわりと沁みる映画になっています。
ワイン発祥の地ジョージアのワインをぜひ味わってみませんか。
ジョージアワインが買えるお店はコチラ(東京・恵比寿)↓
『ワイン・コーリング』
© PINTXOS2018
南フランスの自然派ワイン生産者を追うドキュメンタリー
農薬や科学肥料を使わない有機栽培で育てたブドウで添加物を極小量、もしくはまったく使わずに造られる自然派ワインが近年、日本でも広まりつつあります。 添加物を使用しないので、発酵のトラブルがおきる危険性は高まりますが、試行錯誤しながら自然とブトウに真摯に向き合いワイン造りに励む生産者たちの姿が印象的。
ワインだけではなく、彼らのライフスタイルもナチュラルで、生き方そのものに心ひかれる映画でもあります。
<映画に登場する生産者が造るワイン>
ジャン・フランソワ・ニック氏 ー フラール・ルージュ
自然派のパイオニアで最も評判のいい生産者のひとり。カリニャン100%で造るスパイシーで凝縮感のある赤ワイン。
ルイック・ルール氏 ー ドメーヌ・デュ・ポッシブル
ワイン名は、『ハムレット』の有名な台詞、To be or not to be「生きるべきか、死ぬべきか(それが問題だ)」とフランス語のTout bu(全部飲む)をかけた造語。「飲むべきか、飲まざるべきか(それが問題だ)」。
『ジョージア、ワインが生まれたところ』『ワイン・コーリング』の詳細はコチラ↓
『スペインは呼んでいる』
©SKY UK LIMITED 2017.
英国紳士2人がグルメ取材の旅でスペインを縦断するロードムービー
『ナイト ミュージアム』シリーズのオクタヴィウス役や『あなたを抱きしめる日まで』の出演・脚本など多彩な才能をみせるスティーヴ・クーガンと、
俳優・コメディアン・司会者と幅広いジャンルで活動するロブ・ブライトン。 イギリスのショービジネス界で活躍するふたりがグルメ取材の旅に出る人気シリーズ第3弾が11月8日* から公開されます。
コメディアンらしい掛け合いとモノマネがふんだんに盛り込まれているところも見どころのひとつ。
今回の舞台はスペイン。北はバスク、南はアンダルシアまで地中海を目指して旅をし、行く先々で郷土料理の有名店やミシュランを獲得したレストランにも立ち寄ります。
スペインワインの銘醸地リオハでの食事シーンでは、ワイン好きなら思わずテンプラニーリョ(スペインを代表するブドウ品種)を飲みたくなってしまうはず。
また、映画公開に先駆けて、10月24日に東京・池袋で「スペインのワインと美食を知ろう!」という旅会が開催されました。
スピーカーに主催である旅工房さんのスペイン担当トラベル・コンシェルジュとワイン雑誌「Winart(ワイナート)」の滝澤さんを迎え、ワイン片手にスペインの魅力に聞き入ります。
映画のなかでふたりが宿泊するパラドールについて紹介
ワインショップ・エノテカさんから、リオハのワインが提供されました!
交流会ではピンチョスをつまみながらスペイン気分を満喫
映画は旅情をかきたてられるスペインの風景、世界遺産、グルメが満載! 映画を観てスペイン旅行の計画を立てるのもよし、ワインを飲んでスペインへの思いを馳せるのもいいですね。
とれたてのワイン映画を観に行ってみよう
ワインに関する映画は今までもいくつかありましたが、今年は「自然派」でドキュメンタリー。 苦難の歴史や一筋縄ではいかない生産過程にも立ち向かい、ワインとともに人生を謳歌する人々の姿がちょっぴりまぶしかったりもしました。
ワインは自然派という人も、自然派ワインはまだ飲んだことがないという人もぜひ映画館でワイン・フェスを楽しんでくださいね!