江南市の課題を考える<公共交通>新しい公共交通として「オンデマンド交通」を考える③
江南市の課題を考えるという
シリーズの第1回目
「オンデマンド交通を考える」の
その③です。
前回、オンデマンド交通の
メリットとデメリットを
掲載いたしました。
その上で、江南市の課題を
解決するための
オンデマンド交通は
どのような形がふさわしいのか
検証できるように
色々とピックアップしていきます。
もう一度おさらいしてまとめます。
1.利用するたびに予約をする必要があり
予約をしてはじめて運行する
乗り合いの公共システムです。
2.利用者が少なく
一般的なバスが通っていないエリアでは、
利用者が予約した時点で運行する
乗り合い型のオンデマンド交通が
活躍しています。
3.現存している公共交通機関の活性化と
都市部の混雑解消、交通弱者対策を
目的にしています。
4.路線バスが十分に走っていない
過疎化地域の交通手段の確保が
大きな目的で
観光地で多くの輸送が必要な場合も
観光が終わり次の場所へ
移動する時にニーズがあります。
5.多くの利用者を運べて
利用者の要望に合わせてサービスの提供でき
従来の交通機関の活性化につながります。
「オンデマンド交通」を考える
その①はこちら→→→
江南市の現状をまとめます。
①名鉄バス(路線バス)
<問題点>
名鉄バス路線から外れた区域がとても多い。
上記の青、薄紫、薄茶、黄緑、黄色と
色で表した区間以外は、バスが通っていません。
上記の2.3.4が該当いたします。
②いこまいCAR(予約便)
利用を希望する方が、事前に利用者登録し、
利用する前日までに利用予約をして、
江南市内の区域を玄関先などから
目的地までタクシーを利用するものです。
(ドアtoドア)
※一度利用者登録すれば、
この事業が終了するまで有効です。
時間:8時30分から17時(通院の場合18時まで)
利用料金:タクシー運賃の2分の1
(10円未満は切り捨て)
最低利用料金は310円。迎車回送料金は自己負担。
立寄り利用可(上限時間は10分、待機料金あり)
<問題点>
1.前日までの予約であること
2.令和5年3月にタクシー料金の値上げ
初乗運賃630円(いこまいCAR310円~)
加算運賃253mごと100円
迎車回送料金が「1回200円」
時間距離併用運賃及び待料金が
「1分35秒ごと100円」
最低でも510円からになり
いこまいCARの利用負担増に。
3.タクシー会社の負担増。
運転手が確保できず
運行数を増やすことができない。
4.江南市の財政負担増。
5.2024年問題。
運送業者の働き方改革。
江南市民が常時利用するのに、
「いこまいCAR」の限界が見えています。
上記の3.4.5が該当します。
「オンデマンド交通を考える」のその②で
集めましたデメリットや
導入した自治体の失敗例も
ふまえて、課題解決のための
ポイントを掲載いたします。
1.地形や立地状況、住民の年齢層など
エリアごとに様々で違いが明らかです。
運行形式を検討する段階で
「どの時間帯に運行するか」
「どんな人がどのような目的で利用するか」
「どこからどこへ送迎するか」
「どんな車両にするか」
具体的にニーズを探る必要があります。
2.失敗例の理由から原因を探る
「利用者が想定よりも少なかった」
・一方向運行による利用の不便性、
・沿線に病院・公共施設が少なく
利用が低迷した、
・一部ルートでバス利用より徒歩の方が速く
利用が低迷した
利用者数予測に問題があったことが原因で
各世代へ均等にアンケート調査などを行い、
事前にニーズを把握し
採算性などを十分に検討することが重要です。
3.民間交通事業者や地域住民との協力も重要
①民間事業者との理解・協力不足
・バス・タクシー事業者に
「民業圧迫」と思われる。
・民間路線バスと路線が重複してしまった。
②行政主導で行わない
・行政施設を無理に結びつけたことで
利用が低迷した。
・地域住民の声も採用し、江南市全体で
江南市活性化につなげられるような
交通システムの構築が必要。
4.オンデマンド交通のIT化
タクシーや路線バスよりも複雑な運行を行うため
オンデマンド交通のIT化を
検討するのも一案です。
メリットとデメリットがあり
デメリットは
①高齢者が利用に抵抗を感じる
②タクシー無線から
PCでの配車管理に変わるので
今までのノウハウを生かせない
など様々で、
オンデマンド交通の利用が多い場合は、
IT化に向いているそうです。
オンデマンド交通のデメリット
①認知度・利用定着が大きな課題 の
<対策>で書きましたように
体験会を行ったり
保健福祉会館や医療施設は
定期的に通う方が多いので、
オンデマンド交通の利用を促してもらうように
通院に合わせて予約が自動で出来るシステムを
導入するなども一案です。
また、すべての地域にオンデマンド交通が
合うわけではなく
江南市でも住人ニーズに合った方法を
選択することが大切です。
最後に、オンデマンド交通の
IT化につきまして
実証実験を行った実用例など
また後日掲載させていただきます。