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結婚願望を捨てたら、年を取ることが楽しみになった。

今年もまたひとつ年をとった。

今月で32歳。

つい先日婚活をやめ、結婚という観念から解き放たれた私は、自分でもびっくりするほど、年を取ることに対してポジティブになっている。

それまでの私はというと、結婚しなければという強迫観念を数年持ち続け、若さというライフメーターが少しずつ減っていくことに対して、ただただ焦るばかりだった。

美人だったり気立てがいい人ならまだしも、見た目が下でコミュニケーションスキルも低いという私には、若さがなければ残るものは何もない、と少し極端ではあるけれどそう思っていた。

(一重の目と豊かすぎる髪の毛の量という外見だけからすると、1000年前の平安時代では上の部類に入れたと思うが、生まれる時代を間違えた)

しかし、「あれ?無理に結婚しなくてもよくないか?」という考えが浮かんでからというもの、それまでの私とは別人なくらい、年を取ることを肯定できている。

「子供を産めなくてもいいや」と思うようになったのだから当たり前の話なのだけど。

一般的には「女性は若いほうがいい」とか「昔はすごくキレイだった(けど今はそうでもない)」とか、そんな話をよく聞くけれど、女性の私でもそう思う。

若かったときの方が私の肌はキレイだったし、ひざ上丈のスカートもはけた。7cmのヒールも問題なかったし、姿勢もキレイだった。

25歳ぐらいのときに撮った写真は、今の私よりも輝いて見えるし、ストレスとも無縁そうだった。

でもそれはあくまで、周りから見たときの判断基準である。

「周りからの評価が全て」と言われれば、私にはこれ以上言えることはもうないのだけど、

ここ数年、周りの評価ばかり意識し続けて、不幸の泥沼にハマっていった私の実体験からすると、周囲の評価は気にしないぐらいの方が私は幸せだという結論にいたった。

若い方がいいと思い込んでいた自分から一旦離れ、年を取ることと向き合ってみると、昔の自分では気付きもしなかったぐらい、ポジティブなことが見えてきた。

月日を重ねるごとに自分への「愛着がわいてきた」ということである。

新しいものが好きな人と相反する考え方だと思うけれど、私は自分が長年使ったものや愛用したものに対して、かなり愛着がわくタイプだ。

新しい物もいいけれど、使い続けて古くなった方が、自分の物としてそれをより好きになれる。

そんな性格であるため、自分のことを長く愛用すればするほど、自分のことを好きになれるし、どうしようもないダメな性格も受け入れることができる気がする。

昔からイヤだった一重の目は、いつになってもあきれるぐらい細いままだし、髪の毛のボリュームも一向におさまる気配がない。
人前に出たり初対面が苦手な性格の私はいまだに内気で初めて話す時は声が小さいし、音読することが苦手な性格は、結婚式の友人代表のスピーチも棒読みにしてしまうという、残念なぐらいダメな部分はダメなままである。そして、相変わらず画力はないし、走り書きしたメモは、自分でも読めないほど文字が踊っている。

つくづく不便だし、不器用な性格だけれど、それとは逆に昔は知りもしなかった自分の性格だったり嗜好に気付くことが最近は増えてきた。

アロマやお香とかの香りが好きな私の一面なんて知らなかったし、料理をするときに匂いだけで合う調味料を選べる能力があるなんて知りもしなかった。対戦ゲームが苦手で牧場物語とかの育成ゲームが好きな性格は、昔は想像すらしていなかったけど今では観葉植物を育てていて、家では緑に癒されている。
ひとつの絵との出会いから絵画にハマるなんて思わなかったし、素敵だなと思う写真との出会いでカメラを好きになった。子供の時に書いた文章をほめられた時は何も思わなかったけど、今ではnoteを書くことがひとつの楽しみになっている。

若いときは全然知りもしなかった自分の性格が、隠しコマンドを見つけるみたいな感覚で、どんどん発掘されていて、そして自分にできないことは途方もなくできないんだと知り、自分で笑って受け止められるようになった。

自分と長く付き合っていなければ知ることができなかった側面に気付くことができて、昔の自分よりも少しだけ、今の自分を好きになることができている。

そして、自分に愛着がわいてきた今だからこそ、これからも長く自分を愛用していきたいと思っていて、機械をメンテナンスをしながら長持ちさせていくように、自分の体も睡眠とか食事に気をつけながら身体を維持をしていきたいと思っている。

周りから見れば、昔の私のほうが若々しくてキレイだったと思うかもしれないけれど、私の中では時間をかけた分だけ新しい自分に気付くことができて、人生の幅が広がったような気がして、むしろ昔の自分よりも今の自分のことを好きになれている。

もしかしたら10年後、20年後には若い自分の方がよかったと嘆いているかもしれないけれど、愛着がわくという、年を取ることのいい面にも気付けたことは、私の人生でもプラスな考え方だったなと思う。

周りの意見に流されずに、理解されない考え方や価値観を持つことはやっぱり勇気がいることで不安でもあるけれど、後悔したとしても「こっちの方が私らしい」って思える考え方を自分なりに築いていくほうが、私の性格に合っているなと思う。

これからも、自分にしっくりくる考え方を引っさげて、新しい自分に出会うべく、どんどん我が道を進んでいこうと思う。

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