私にヨガの先生はできません!【第七話】清掃と恋バナ
本当なら、水曜日はヨガのインストラクター研修がある曜日なのだけど、二月のこの日は、先生の都合が悪くお休み。
「うう、手が冷たいです」
ドーナツ型のドライヤーのフィルターを水洗いしながら、私は肩を震わせた。スポンジみたいな素材でできた薄いそれは、放っておくとどんどん埃にまみれてしまうから、たまにこうやってお手入れしないといけない。
「冬はこれ、辛いわよねえ。でも、あと少しよ」
隣で同じ作業をしているえりかさんの手元に視線をやると、私とおんなじように、指先の皮膚が赤くなって