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「ドローン」+「食べられる」=?
「発明する」というと、何か難しい印象があるかもしれません。何か特別な才能が必要なのか?とか、先端技術を扱っていなければ発明は生まれない、というようなイメージもあるかもしれません。しかし、既にある技術であってもその使い方によっては新たな発明が生まれることがあります。
食べられるドローン
ドローン。ただ飛ぶだけでなく、カメラや各種センサを搭載したり、物を運んだり等することができるので、既に様々な分野での応用が考えられています。特に、人間が簡単には立ち入ることができないような場所やすぐには行けないような場所の調査や観察だけでなく、災害発生時にドローンを使うことで被害状況を素早く把握する用途などについては大きく期待されています。
そのような中、「食べられる」ドローンを考えた人たちがいます。
それが、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)の研究者らが開発した「食べることができる」ドローンです(※1)。
災害発生時や緊急事態等、助けを求めている人の場所に救助隊がすぐに駆け付けることができればよいのですが、大抵、すぐに行くことは難しいことが多いでしょう。ドローンであれば助けを求めている人の場所の特定を素早くできる可能性があります。しかもドローンであれば、ある程度の医薬品や食料品を助けを求めている人の所に届けることができます。
しかし、ドローンが運ぶことができる物の量には限りがあり、助けを求めている人が多かったり、実際に救助隊がその場所に到着するまでに長時間かかる場合、1回の飛行で届けることができる物量では足りない場合があります。
そこで、スイスの研究者らは、「ドローンの一部の構造を食材で作ってしまおう」と考えたそうです。
研究者らが開発したプロトタイプのドローンは、翼等を食用材料で構成し、かつ、80gの水を運ぶことができる性能を有しているとのこと。しかも、食用材料以外の構成部分を生分解性を有する素材で作ることで、残飯(ドローンの残骸)が自然に還るようにすることも検討しているそうです。
発明・・・既存技術の新たな組み合わせ
ここに、発明を着想する際に参考になる考え方があります。
それが、既存技術の新たな組み合わせ、です。
「食べられるドローン」は、「ドローン」+「食べ物」、という組み合わせです。
「ドローン」は通常食べ物とは考えません。しかし、ドローンの応用用途・課題をはっきりさせることが前提ですが、「ドローン」も「食用素材」もいずれも既存技術・昔からあるものであり、それら既存技術の「新たな組み合わせ」で「食べられるドローン」が生まれています。
実際、発明は、既存技術の新たな組み合わせであることが多いと思います。例えば、多くの特許を見てみると、特許になった発明を構成している要素(発明特定事項といったりします)自体は、その特許が出願される前から存在していた技術であるものの、複数の要素の組み合わせがこれまでになかったために特許になったものが数多く存在しています。
既存技術の「新たな組み合わせ」を考えれば発明が生まれることを知っておけば、何か特殊な技術を開発しなければならないというような変な?プレッシャーは軽減できるかもしれませんね。
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