第一・第二もみじ作業所 所長 古川大介さんインタビュー【第2回】「働く」ことを大切にしているもみじ作業所がペインティングと出会ったきっかけ
古川
社会福祉法人になったときも、もちろん今もですが、もみじ作業所は、日中「仕事をする場所」で「働く」ということを大事に考えています。
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働く、ですか。
古川
はい。障がいが重くても、自分たちも働けるんだと。働くことで人とつながったり、社会とつながったりということをすごく大事にしています。お給料もらう、稼ぐ、生きて行くために必要な収入を得るという側面での「働く」っていう意味も、もちろんあるんですけれども…やっぱりそれだけではない。
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はい。
古川
繰り返しになりますが、人とのつながりであるとか、社会とのつながりであるとか、誰かの役に立っていることを実感したりですとか。一緒に頑張るとか、「あぁあんな人になりたいなぁ」とか、「この人には負けたくないなぁ」とか。「働く」ことを真ん中にして、その人の生きていく力っていうのを実感できるような取り組みをずっと大事にしてきていますね。
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なるほど。
古川
その中で、自分で絵を描いたり、そういう表現するっていうところで、オリジナルのTシャツやカレンダーを作る取り組み・仕事というは昔からあったんですよね。
(ペインティングをしていた会議室のお隣「企画・販売グループ」でロボットクリエーターとして活躍する新長大輔さん。彼の絵を元に商品化したバンダナと一緒に。)
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自分たちの表現を仕事につなげる、というのは以前からされていたんですね。
古川
そうですね。で、あるときに、えーっと…もうだいぶ前。10年くらい前?になるんですけど…。
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はい。
古川
近くのデザイン会社の方から連絡がありまして、その会社に、カバンを作って生計を立てていきたいという人がいるんだと。そのカバンを作る方法というのが、テント生地に色や模様を描いて、それをカバンにしていきたいってことを言っている学生…ではなかったですかね。まぁ、若い方がいるんだと。
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うんうん。
古川
テント生地に絵の具で絵とか、模様とか、そういうのをうちで描いてもらえないだろうかっていう問合せがあったんですよ。それも、それまで特につながりがあった方っていうわけでもなくて。
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へぇ~!
古川
ちょっとおもしろそうだね~っていうことで、OKしたんですね。で、そのデザイン会社の方が、材料や絵の具を持ってきてくださって、まぁちょっと、とりあえずやってみようか、という感じで、そこのロビーで、みんなでわーっと。
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え、ここですか?
古川
はい。ここのロビーで。(笑)屈むのが難しい車いすの方は、長い棒の先に筆をつけて、車いすに座ったままでもかけるようにしましたね。床にばーっと生地を広げて、そこに描いたんですが、大きいものに描くってなかなか…
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ないですよね!
古川
ないですよね。だから、やっぱり皆さんがすごく楽しそうにされていて。できあがったものも、おもしろい感じなんですよね。職員が指示したり誘導したりしているわけじゃないんですけど、楽しい感じのものができて、みんなで「なんかおもしろいね~」なんて言って。
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想像するだけで楽しそうですね~。
古川
で、できあがったものを、デザイン会社の方に持って帰ってもらったんですけど…そのあとしばらく連絡がなかったんですよ。
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へぇ~。
古川
まあこっちも、「どうなったかね?そういえば」って時々気になって、連絡したりして。
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はい。
古川
「他も忙しくてなかなか手が回らないみたいですが、やっとるみたいですよ~。」って言われて、「あぁそうなんじゃね~」って。で、またしばらくして「あれどうなったかね?」という感じで。(笑)
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ふふふ。(笑)
古川
2回目か3回目かぐらいに連絡をしたときに、実際にカバンを作ってみました。で、結構おもしろいものができてるし、いい感じになってるんだけど、やっぱりこれだけで生計を立ててやっていくのが難しいと、発起人の方が思われたみたいなんです。それで、カバン作りは断念されたということで。
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なんと!
古川
でも、まぁ「ものはあるので今度持って行きますね。」ということになって。で、実際にその方がカバンを持ってきてくれたんです。
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はい。
(今はカバンやポーチの種類も豊富になってきた。)
古川
そうしたら「これおもしろいね」「感じいいね」となって、もしその方がもうカバン作りをされないということであれば「うちでやってもいいですかね?」って聞いたら、「それは全然かまいません」っていうんで、「うちでやりましょう」ということになったんです。
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へぇ~。全くつながりのない方が持ってきた話が、今のポーチやカバン作りにつながっているんですね。おもしろいです。
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